HRog | 人材業界の一歩先を照らすメディア

【HRog決算解説】パソナグループの2026年5月期第2四半期決算から見える人材業界の最新トレンドは?

株式会社パソナグループの2026年5月期第2四半期決算が2026年1月14日に発表されました。この記事ではその決算・IRの内容をわかりやすくまとめて分析・解説し、人材業界の最新トレンドに迫ります。ぜひチェックしてください!

パソナの決算解説一覧はコチラ

一目でわかる! パソナ決算情報のグラフィックまとめ

パソナの今期決算について、売上高や純利益の増減率とその要因をグラフィックで一目でわかるようまとめました。

会社の業績としては、大型受託案件のピークアウト影響を受けるBPOソリューションで減収が続いたものの、地方創生・観光ソリューションが来場者増により増収を記録したほか、エキスパートソリューションとライフソリューションも事業拡大により増収となりました。一方で、退職給付費用やITインフラ利用料金の改定によるIT関連費用の増加で販管費が膨らみ、営業利益は2億円の赤字となりました。

大阪・関西万博での協賛金収入や物販収入が営業外収益でプラスに寄与したことで、経常利益は前年同期から大幅に改善しています。万博出展関連費用として特別損失に9.7億円を計上したため親会社株主に帰属する中間純利益は赤字となったものの、前年同期からは31億円改善しました。

もう少し詳しく! 今期セグメント別の業績は?

パソナの今期決算について、セグメント別の業績や業績予想について詳しくまとめました。主に決算短信と決算説明資料の情報をもとにしています。

主要セグメント・サービスの業績について

HRソリューション事業

パソナグループの主要事業であるHRソリューション事業は、以下のサービスを展開しています。

・BPOソリューション(委託・請負)
・エキスパートソリューション(人材派遣)
・キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援)

BPOソリューション(委託・請負)の売上高は大型受託案件のピークアウトが影響し661億円(前年同期比2.3%減)と減収でした。しかし、プロ人材による伴走型サービス「ProShare(プロシェア)」の拡大など付加価値の高い専門分野での新規案件獲得が進み、売上総利益率は改善しています。

エキスパートソリューション(人材派遣)では、売上高は689億円(前年同期比1.1%増)と増収を記録しました。派遣稼働者数は前年同期並みでしたが、経験豊富なシニア人材の派遣拡大や派遣料金単価の上昇が増収に繋がりました。

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)の売上高は70億円(前年同期比0.9%増)と微増でしたが、営業利益は社内システムをリプレイスして一時的に生産性が下がった影響もあり、21億円(同11.3%減)の減益でした。人材紹介事業はハイキャリア領域の需要が安定し紹介手数料の平均単価も上昇、再就職支援事業も企業の構造改革ニーズを背景に堅調に推移しました。

その他事業

グローバルソリューション(海外人材サービス)の売上高は、米国や台湾でのBPO・人材紹介サービスが好調で57億円(前年同期比4.8%増)と増収でした。一方で、各国で営業や新規事業に関する人材採用を強化したため、先行投資としての人件費が増加し、営業利益は1億円(同10.8%減)の減益となりました。

ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等)では、売上高は46億円(前年同期比11.2%増)、営業利益は2億円(同160.7%増)と大幅な増収増益を達成しました。新規学童クラブの運営拡大に加え、都市部の自治体を中心に家事代行などの子育て支援サービスの受託が拡大したことが主な要因です。

また地方創生・観光ソリューションは売上高が44億円(前年同期比24.8%増)と大幅に増加し、営業損失も5億円と赤字幅が大きく改善しました。兵庫県淡路島の「ニジゲンノモリ」で実施したアニメ「鬼滅の刃」の期間限定イベントなどが集客を牽引し、販管費の抑制も利益改善に貢献しました。

通期の業績予想について

出典:決算説明資料(p.20)

2026年5月期の通期連結業績予想については、2025年7月15日に公表した内容から変更はありません。

業績予想の根拠について

①BPOソリューションの回復
BPOソリューションでは大型受託案件のピークアウトによる減収影響を受けているものの需要は堅調に推移しており、BPOサービスの高付加価値化とオペレーションの効率化を図ることで売上総利益率の改善を進める

②各セグメントでの収益拡大
エキスパートソリューションでは、下期以降、派遣料金単価の更なる上昇と専門分野での事業拡大を計画。地方創生・観光ソリューションは今春に人気の高いアニメやキャラクターを用いたサービスを企画しており、更なる集客施策やブランディング戦略、顧客の体験価値の向上に取り組む

③コストコントロール施策
新規事業の立ち上げの早期化や各事業の人員配置及び設備の適正化を徹底することで、コストの削減を行う

今期決算資料の注目トピックは?

出典:決算説明資料(p.5)

今期の大きなトピックの一つは、大阪・関西万博へのパビリオン出展とそれに伴う財務的影響です。

パビリオンの出展・運営等に係る臨時的な費用として、9.7億円を特別損失に計上しています。その一方で、万博に関連する協賛金収入(5.4億円)や物販収入(5.3億円)を営業外収益として計上しており、これらが経常利益の大幅な改善に寄与しています。また、ライフソリューションセグメントにおいて万博での受託案件を獲得するなど、万博を単なる出展イベントに留めず、実利的な事業機会としても活用しています。

出典:決算説明資料(p.16)

地方創生・観光ソリューションは、赤字幅を大幅に縮小し収益化フェーズに入っています。売上面では兵庫県淡路島の「ニジゲンノモリ」で実施したアニメの期間限定イベントなどが集客を牽引。利益面では、人材配置の適正化やプロモーション費用の効率化といったコストコントロールに成功し、同セグメントの営業利益は前年同期比で3.8億円改善しました。

まとめ~人材業界の最新トレンドは?~

パソナグループの2026年5月期第2四半期決算では、営業利益は1Qに引き続き赤字となったものの、大阪・関西万博での営業外収益の貢献もあり経常利益はプラスの着地となりました。

人材業界全体では、企業の構造改革やDXの加速によりBPOサービスの需要が底堅く推移し、人材派遣や再就職支援サービスの需要も継続しています。そんな時流の中、パソナグループは「PASONA GROUP VISION 2030」の達成に向け、人員の適正配置やコスト配分の見直しによるコストコントロール強化を進めています。据え置いた予想の通り、通期での黒字転換となるのか、HRog編集部では、今後もパソナグループの動向に注目していきます。

パソナの決算解説一覧はコチラ

【参考URL】
2026年5月期第2四半期(中間期)決算短信
2026年5月期第2四半期(中間期)決算説明資料