HRog | 人材業界の一歩先を照らすメディア

人手不足解決のカギは採用の自動化! 採用支援のプロが教える7つのポイント

中小企業の採用担当は、他の業務と兼任している場合も多く業務過多になりがち。そこで重要なのが、採用活動を効率化する「自動化ツール」を導入することです。

今回は WaGaGoToプランニング 代表 神宅謙一郎氏著・「30年以上採用支援をして、中小企業の人手不足を根本的に解決するには『採用の自動化』がカギだと確信したので、今すべき7つのポイントにまとめました。」より一部を抜粋、2025年度の今取り組むべき「採用の自動化」7つのポイントを紹介します。

書籍著者
WaGaGoToプランニング
代表
神宅 謙一郎

かんやけ・けんいちろう/リクルート出身。営業企画担当として20年余り求人サービスの立ち上げや拡販の推進、HRパーソンの育成に従事。採用コンサル企業で5年間の求人サービス研究を経て、独立後、HRサービス企業のアドバイザーをつとめつつ、地方×中小企業を軸に採用人事領域の社内基盤構築支援、HRツールの導入支援を行う。

中小企業が人手不足を脱却するために必須の「採用の自動化」

地方の中小企業では、他の業務と兼務している「掛け持ち採用担当」が多く存在します。働き方改革によって残業が制限される中、人手を増やしたいけれどなかなか採用に手が回らず、かえって疲弊している人事も多いのではないでしょうか。

一方、2015年以降、採用業務の「自動化」を実現するツールが多数登場しました。この自動化ツールを活用すれば、少人数の組織でも採用活動を自分たちの手で行える時代が来ています。

しかし実際は、ツール導入が進まない現場が多いのが実情です。30年以上にわたり中小企業の採用支援に携わってきた著者は、「多くの中小企業が、ツールの存在やその活用法を知らないがゆえに、採用がうまくいかないループに陥っている」と指摘します。

本書は、そんな「採用の自動化」に踏み出せていない地方・中小企業の採用担当者へ向けて、再現性のある採用活動を支える基盤づくりの“はじめの一歩”を解説しています。今回はその中から、2025年度の「今、最低限すべき」ポイントを7つに絞って紹介します。

2025年度にやるべき「採用の自動化」7つのポイント

ネットでの見られ方を意識する

求職者は求人情報を見た後、ほぼ必ず企業名を検索し、評判や雰囲気をチェックします。このときに目に入ってきた情報がネガティブだったり、そもそも何も出てこなかったりすると、応募をやめてしまうケースもあります。

企業の「ネットでの見られ方」を整えることは、採用活動における重要な土台になります。

本書では、Google検索で表示される「ナレッジパネル」の仕組みや更新方法、採用ホームページやSNSを活用したオウンドメディアリクルーティングの進め方、さらにはクチコミの増やし方やネガティブな評価への向き合い方まで、実践的な手法を紹介しています。

求人をセルフサービスでやってみる

令和では、従来のように求人メディアへ都度発注・掲載するスタイルから、企業が自ら原稿を作成・管理し、各媒体に配信する「セルフサービス型」へと、求人掲載のあり方も大きく変化しています。

中でも、採用管理システム(ATS)を活用して求人ページを作成し、「Indeed」「求人ボックス」「Googleしごと検索」「スタンバイ」といった求人アグリゲーションサイトへ自動配信する手法は、採用の自動化を進めるうえで非常に重要です。

本書では、これら4大アグリゲーションサイトの仕組みやATSの概要、自社に合ったATSの選び方まで詳しく解説しています。

特にATSは、これからの採用の自動化の根幹を担うと言っても過言ではないシステム。機能や価格だけでなく、使い勝手や自社の採用スタイルとの相性を踏まえて選定することが重要です。

もう人材紹介を待たない

中小企業では、人材紹介会社を利用してもなかなか候補者が紹介されず、採用が進まないケースが後を絶ちません。

そうした課題を解決する仕組みが、企業がシステム上に求人情報を公開し、複数の紹介会社から候補者の提案を受けられる「エージェントネットワーク」。エージェントとの個別のやりとりを省力化し、マッチングの可能性を広げるツールとして注目されています。

「エージェントネットワーク」は求人票作成を自社で行うセルフサービス型サービスですが、求職者の探索〜紹介文作成〜スカウトもセルフで行う採用手法として「ダイレクトリクルーティング」があります。

かつて、ダイレクトリクルーティングは工数の負担が大きく、中小企業には不向きな採用手法でした。しかし現在では、様々なAI機能や自動化ツールを活用することで、効率よく採用活動を進められるようになっています。

応募の電話受付をやめてみる

採用担当は「いかに求職者を集めるか」に注力しがちですが、実際には、その後の選考プロセスこそが採用効率を大きく左右します。

応募〜入社までの後工程を最適化しないと、採用効率が3分の1にまで落ちるというデータも。とくに掛け持ちで採用業務を担っている担当者の場合、他の業務に追われて対応が遅れ、ようやく連絡を返した頃には、すでに求職者からの返信が途絶えてしまうという事例も多いです。

応募から面接設定、さらに面接会場までの案内を自動化することで、手間を減らしながら応募者体験も向上させることができます。

本書では、応募受付の負担を軽減するチャットボットや予定調整ツールの活用法、Googleマップを用いた面接会場へのスムーズな誘導方法などのノウハウを紹介しています。

面接を口説きの場に変える

採用競争が激化する現代において、面接は単なる選考の場ではなく、求職者に自社の魅力を伝え、入社を後押しする「口説き」の場としての役割がますます重要になっています。

しかし実際には、多くの企業がスキルや経験の見極めにばかり時間をかけてしまい、会社への惹きつけが十分に行われていないケースも少なくありません。

本書では、見極めにかかる負担を軽減する手段として、AI録画面接ツールなどの自動化ツールを紹介しています。

AIが示すのはあくまで傾向であり、最終的な判断は人間が行うことが重要なものの、こうしたツールを活用することで、採用担当はより重要な「口説き」のプロセスに時間を割けるようになります。その結果、採用成功の確率を上げることができるのです。

入社後1ヶ月をとにかく大切に

著者は「仕事内容や職場環境、人間関係のギャップが原因で、新入社員の約19.8%が、入社からわずか1ヶ月で『辞めたい』と感じている」と述べています。

大卒新卒社員が早期離職した場合、その損失は最大で3,000万円にのぼるとも言われており、早期離職は企業にとって見過ごせない課題です。

早期離職を防ぐには、入社後1ヶ月で新入社員が職場に馴染めるような仕組みづくりが重要。特に、自己有用感や人間関係を重視するZ世代には、「歓迎されている」と実感できる雰囲気づくりが大切です。

本書では、入社初日の対応や孤立感を防ぐ工夫に加え、「やめたいサイン」に気づきやすくするパトロールツールとして、各種サーベイやオンボーディングサービスを紹介。また、動画マニュアルによって教育の自動化・コスト削減を実現する方法も解説しています。

令和の高卒採用を極める

少子化と求人倍率の上昇により、高卒採用の難易度は年々高まっています。さらに、進路指導を担う高校教員の働き方改革を背景に、学校現場ではデジタルツールの導入が進むなど、高卒採用の現場に大きな変化が起きています。

一方で企業側は、こうした学校側の変化を知らないまま、20年前と同じ感覚で採用活動を進めてしまい、成果につながらないケースも少なくありません。

本書では、高卒採用の基本的な流れを整理したうえで、学校のツール導入や教員・学生・保護者の変化を踏まえた最新のセオリーを解説しています。

さらに、Z世代と教員に響く「令和の高卒採用三種の神器」として、Googleビジネスプロフィール・採用サイト・採用パンフレットを活用したデジタル×アナログの自社PR戦略も紹介しています。

書籍の購入はコチラ

まとめ

今回は「30年以上採用支援をして、中小企業の人手不足を根本的に解決するには『採用の自動化』がカギだと確信したので、今すべき7つのポイントにまとめました。」より、2025年度にやるべき「採用の自動化」のポイントを紹介しました。

本書を通して著者が強調しているのは、自動化で創出した時間を使って、求人PRの作り込み・面接での魅力付け・入社初月の合流支援といった“人間しかできない採用活動”に力を入れ、採用した人が活躍しやすい職場づくりを進めていってほしいということ。

ご紹介した「採用の自動化のポイント」を提案に盛り込むことで、業務効率化と採用力向上の両面で介在価値を発揮できるはずです。ぜひ本記事の内容を、クライアントの採用成功の一助として活用してみてくださいね!