グラフで見るパソナグループ決算情報(2016年5月期第一四半期)

パソナグループが2015年10月9日に2016年5月期第一四半期の決算を発表しました。
パソナグループはリクルート、テンプスタッフに次ぐ、人材派遣事業で国内売上3位の人材派遣企業です。
実績からパソナグループ=人材派遣のイメージが強いものの、近年はインソーシング(委託・請負)やアウトソーシングへの切り替えを推し進めているようです。
今回は今期の決算資料と併せて、売上構造の変化の様子を紐解いてみました。

売上・営業利益

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売上高は63,891百万円となり、前年同期比の58,727百万円を8.8%上回る結果となりました。また、M&Aや規模拡大等の影響により販管費が膨らんだものの、営業利益も前年同期比から9.5%増加し、350百万円と増益になりました。
売上高の増加は、多くのセグメントで増収となったためですが、セグメント別の売上比率を見ていきましょう。

売上高の比率

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売上の比率はパソナグループの売上の根幹を支えているエキスパートサービス(人材派遣)が33,221百万円、次にインソーシング(委託・請負)の16,925百万円、アウトソーシングの5,971百万円の順となっています。

エキスパートサービス(人材派遣)では、派遣スタッフのキャリアアップの支援や、有資格キャリアコンサルタントによる派遣スタッフのフォロー体制を強化しているようです。
順調に拡大しているインソーシング(委託・請負)やアウトソーシングは、新規顧客の拡大も進み、今後も規模の拡張が見られそうです。

主要セグメントの成長

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エキスパートサービス(人材派遣)の売上高は、前年同期比5.7%減であったのに対し、インソーシング(委託・請負)は前年同期比48.8%増と、今期最も成長率が高くなりました。アウトソーシングも前年同期比23.1%増と増収となっています。

インソーシング(委託・請負)は2015年4月に子会社化したパソナ・パナソニック ビジネスサービス株式会社(旧パナソニック ビジネスサービス株式会社)と、同社子会社の新日本工業株式会社の総務事務アウトソーシング事業が、当四半期から業績に寄与していることが、増収の要因とみられます。
アウトソーシングも各事業で積極的なサービス展開や、提案力の向上などが貢献し、順調な増収となりました。

主要セグメントの年別売上比率推移

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エキスパートサービス(人材派遣)、インソーシング(委託・請負)、アウトソーシングの2011年から2015年までの売上比率の推移です。
さきほどのグラフからもわかるように、インソーシング(委託・請負)とアウトソーシングの売上高が年々増加している反面、エキスパートサービス(人材派遣)の売上高は減少しています。

特にインソーシング(委託・請負)は、パソナグループとして注力している分野であり、エキスパートサービス(人材派遣)からの事業シフトが進んでいる様子が見て取れます。派遣業界の差別化の困難さや、競争激化、派遣法改正の影響なども背景に、パソナグループの売上高割合も徐々に変化しつつあるようです。

いかがでしたでしょうか?今回のパソナグループ含め、国内人材業界3強の動向は今後も目が離せません。下記の記事も、ぜひご覧ください!

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・国内、人材業界ホールディングスTOP3の売上年表【リクルートHD・テンプHD・パソナHD】