アルバイトタイムス最新決算(2016年2月期第3四半期)

株式会社アルバイトタイムスの2016年2月期第3四半期決算が、2016年1月12日に発表されました。下の表に示すように、売上高・営業利益・経常利益・純利益の全てにおいて増加しています。

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アルバイトタイムスは、静岡県・名古屋・関東・関西方面における求人情報サービスを主軸とし、そこで得た利益をもとに収益基盤の拡大や新規事業を展開し、着実な成長を導いています。 今回は、決算短信、プレスリリース、IR情報等に基づいて、その成長を分析していきます。

経営環境

アルバイトタイムスの主要戦略地域である静岡県における2015年11月度の有効求人倍率は1.25倍、求人広告件数は3か月移動平均の前年同期比で12.5%増と、緩やかな上昇傾向が続いています。

また、全国の求人メディアの広告掲載件数は、3か月移動平均の前年同期比で19.7%増(※2016年1月25日付の全国求人情報協会資料による)となり、求人広告業界にとって追い風となっています。

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経営成績

そのような追い風を受け、アルバイトタイムスがどのような業績をあげたのか、詳細を見ていきましょう。

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売上高は39億7689万円で、前年同四半期と比べ9.5%増加しています。
その内訳をセグメント別でみると、情報提供事業で約32億3918万円と全体の約8割を占め、残りは子会社による販促支援事業によるもので、7億6405万円となっています。

情報提供事業では、求人情報誌『DOMO』の販売は横ばいに推移しましたが、ネットサービスの『DOMO NET』、正社員求人サイトの『JOB』、求人折込みちらし『求人あどむ』の販売等が寄与し、前年同四半期と比べ7.8%増加しました。

前連結会計年度に取得した子会社にかかる費用や、営業力強化のための人件費等の増加により、売上原価は11億8377万円(前年同四半期比15.0%増)、販売費及び一般管理費は20億2654万円(前年同四半期比8.3%増)となりましたが、前述のように両セグメントで売上が増加したため、営業利益は7億6656万円(前年同四半期比5.0%増)、経常利益は7億6677万円(前年同四半期比5.3%増)、四半期順利益は6億2528万円と前年同四半期と比べ0.9%増となりました。

収益基盤の拡大

アルバイトタイムスは、ここ5年間、安定的・恒常的に利益を創出し、着実に成長を続けています。

既存事業において安定的・恒常的に利益を創出し、更に、資産を有効活用した新規事業によって成長戦略を描くというアルバイトタイムスの戦略により、このような成長がもたらされていると考えられます。

戦略を具現化するために、収益基盤の拡大として、

・名古屋地域において、DOMO、DOMONET、求人あどむの3点セットの販売を開始し、新規顧客開拓を図る


・静岡での特化サービス推進のため、主婦層や工場ワークや医療・介護・福祉等にターゲットを絞った専用サイトをオープンし、『DOMO!NETママ』、『DOMO!NET工場ワーキング』、『DOMO!NET医療・介護・福祉』『まかない図解』をオープン

・ペット関連事業の充実として、ペット関連情報誌『Wonderful Style』のリニューアルをし、関連イベント『DOG!フェスタ』を5年継続して開催

が行われています。

2015年12月3日のプレスリリースによると、『Wonderful Style』は、日本タウン誌・フリーペーパー 大賞 2015において 「ライフスタイル部門賞 優秀賞」を受賞しました。

新たな投資によるグループ連携事業の成長促進として、学生の就職支援サイト『TSUNORU』、IT企業で働く女性の転職サイト『ベティ』などの新規商品を作り、また、外国人支援事業として、日本国内のミャンマー人を対象にした人材マッチングイベント『ミャンマージョブフェア』を2015年5月に開催しています。

更に、IT関連及びデジタルコンテンツの人材養成スクール・大学・大学院を運営するデジタルハリウッド株式会社と業務提携を行い、『デジタルハリウッドSTUDIO静岡』を2016年1月24日に開講しました。地域におけるWebやITCスキルの人材養成と、様々な就業形態による人材活躍の場所を広げることを目的としているそうです。

連結業績予想

2015年4月14日付「平成27年2月期決算短信」で、2016年2月期の業績予想が発表されました。この予想値は、2016年2月期第3四半期決算短信においても、修正の必要性が生じていないとされています。
第3四半期決算の内容を鑑みると、予想値を実現できそうな勢いがあります。今後のアルバイトタイムスの展開に、目が離せません。

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