最低賃金の引き上げは経営者・人事の66.2%が「反対」、株式会社プレシャスパートナーズ調査

全国労働組合総連合は2021年5月、憲法で定める「健康で文化的な最低限度の生活」には時給1500円が必要だとして、最低賃金が全国一律で1500円となるよう政府に引き上げを求めた。また、2021年8月13日に厚生労働省から発表された今年度の地域別最低賃金の引き上げ額は、28~32円で過去最大となった。

10月に引き上げが行われるのを目前に、株式会社プレシャスパートナーズはアルバイト・パート採用を行う企業の経営者・人事・店長などを対象とした「最低賃金の引き上げに関する実態調査」を実施した。

調査結果は以下の通り。

最低賃金引き上げに「反対」66.2%

2021年度の最低賃金の引き上げについて賛成か反対かを尋ねたところ、「反対」と回答した人が66.2%、「賛成」と回答した人が33.8%だった。

また最低賃金の引き上げは経営に影響があるか尋ねたところ、「とても影響がある」と回答した人が28.9%、「影響がある」と回答した人が35.8%で、合計で64.7%の企業が経営に影響があると回答した。飲食店などではコロナ禍で業績が悪化している企業も多く、また今回の引き上げ幅が過去最大となったことから、ダメージを受ける企業は多いと考えられる。

対応策は「サービス価格の見直し」に次いで「非正規の残業・シフトを削減」「採用を抑制」が上位

最低賃金の引き上げが経営に影響すると回答した企業に、どのような対策をするか尋ねたところ、「サービス価格の見直し、値上げをする」が52.3%で最多となった。次いで「非正規の残業・シフトを削減する」が38.5%、「採用を抑制する」が35.4%と続く。

65.2%が年末に向けアルバイト・パート採用を行う

2021年の年末に向け、アルバイト・パート採用を行うか尋ねたところ、「行う」と回答した企業は57.7%だった。「すでに採用活動を終えた」と回答した人は7.5%で、合計で65.2%の企業が年末の人員確保に向けてアルバイト・パートを採用する予定だと分かった。

最低賃金の引き上げは経営に影響がある一方で、アルバイト・パート雇用の多い小売り業や飲食業などでは年末の繁忙期に備えた人材確保が不可欠であり、求人数の急落には繋がらないと考えられる。

詳細結果はコチラ

調査概要

調査名:最低賃金の引き上げに関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年7月27日~2021年9月8日
調査対象:アルバイト・パート採用を行っている同社取引先および任意回答企業
有効回答数:201社

【参考URL】最低賃金の引き上げに関する実態調査 / 最低賃金引き上げの対応策は「サービス価格の見直し、値上げをする」(52.3%)が最多