7カ国で唯一日本では「テレワークでは仕事がはかどらない」が多数派、アドビ株式会社調査

コロナ禍をきっかけに日本でもテレワークが普及した。その一方で、テレワーク可能な環境が整っていない、コミュニケーションが減るなどの理由でテレワークになかなか適応できていない企業も多い。特に日本では、書類へのサイン、オフィスに保管してある紙書類の確認などの理由で、テレワーク中に出社した経験がある会社員は6割以上にのぼるとの調査結果もある。

そこでアドビ株式会社は、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの7カ国を対象に「未来の働き方に関するグローバル調査」を実施した。

調査結果は以下の通り。

日本のみ「テレワークではオフィス勤務より仕事がはかどらない」が多数派

オフィス勤務よりテレワークの方が仕事がはかどるか尋ねたところ、グローバル平均では69.1%の人が「そう思う」と回答した。一方で、日本で「そう思う」と回答した人は42.8%に留まり、7カ国で唯一「テレワークだと捗らない」と回答した人が多数派となった。

また、作業効率化のためにデジタルツールを導入してほしいタスクについて尋ねたところ、日本では「紙文書の作成・確認作業」が71.0%で最多であった。同社が過去に日本人を対象に行った調査でも、テレワークの課題として「会社にある紙の書類をすぐに確認できない」が最も多く挙げられており、紙管理の文化が根強い日本だからこそテレワークに効率の悪さを感じている可能性がある。

テレワークの有無は仕事選びにも影響、ワークライフバランス重視

テレワークによってワークライフバランスは向上したか尋ねたところ、日本は73.0%の人が「向上した」と回答した。グローバル平均は85.5%で6カ国の中では最も低い結果となったものの、7割以上の人がテレワークによってワークライフバランスの向上を実感しているようだ。

また、「来年転職したい」と回答した人に「年収や仕事内容が変わらない場合の転職したい理由」を尋ねたところ、「ワークライフバランス」と回答した人が66.4%で最多であった。次いで「仕事のスケジュールを自分でコントロールできる」、「テレワークが選択できる」、「作業効率化のためのツールを導入している」などが続く。

詳細結果はコチラ

日本人はテレワークではオフィス勤務ほど仕事が捗らない人が多い一方で、ライフワークバランスの向上などの利便性も感じているようだ。従業員がテレワークでも効率よく働け、ワークライフバランスを向上させられるよう、企業は環境整備などの支援を行うことが重要だろう。

調査概要

調査方法:インターネット調査
実施対象:3,404人(日本:500人、イギリス:500人、ドイツ:501人、フランス:500人、オーストラリア:502人、ニュージーランド:400人。従業員数1000名以上の企業に勤める男女)
調査期間:2021年4月30日~2021年5月28日

【参考URL】アドビ、未来の働き方に関する調査を7カ国で実施