厚生労働省の平成 30 年度障害者雇用実態調査によると、障がい者雇用を職業別に見たところ「事務的職業」や「生産工程の職業」、「サービスの職業」などが大きな割合を占めている。在宅勤務がしやすいIT関連の専門職などは障がい者からの人気が高い一方で、実際にはあまり障がい者雇用が進んでいない領域だといえる。
株式会社MAPと一般社団法人Cielは2021年10月1日、障がい者の雇用創出と企業の障がい者採用支援を行うことを目的とし、合同会社threeを設立した。
株式会社MAPは未経験からITエンジニアを育成する「ファーストキャリア構築支援事業WORX(ワークス)」や、異業種転職を支援するビジネススクール「デジタル能力開発支援センター」を運営しており、就職活動が難しい若者のキャリア構築支援と、企業の採用サポートを行ってきた。
また、一般社団法人Cielは「グリーンピースファクトリー」にて就労移行支援や就労継続支援A型事業所の運営を行っており、障がい者の就労・相談や企業の採用・定着についてサポートしている。
両社はそれぞれが持つ「デジタル人材育成」と「就労支援」の知見を共有し、IT領域における障がい者の新たな雇用創出と社会課題の解決を図るため、今回合同会社threeを設立するに至った。
同社は障がい者雇用の総合支援会社として、以下の事業を展開する予定だ。
・障がい者向けサービス
デジタルスキルやIT資格(ITパスポート、MOS、LinuC、AWS他)の取得支援
ビジネスマナーなど就労に向けた関連スキルの習得支援
人材データベースを活用した企業への推薦など就労支援サービス
入社後の長期就業サポート
・障がい者就労支援事業所向けサービス
デジタルスキル習得を目的としたe-ラーニングシステムの提供
施設利用者の就労マッチングサポート
・障害者雇用促進法において雇用の義務が発生する企業向けサービス
環境整備、業務創出などの障がい者雇用コンサルティング
人材データベースの提供
無料人材紹介サービス
採用者の長期定着サポート
IT人材を採用したい企業とエンジニアとして働きたい障がい者がマッチできるよう、IT領域で障がい者雇用が進むことを期待したい。
【参考URL】一般社団法人Cielと合同会社threeを設立、 デジタル領域における障がい者の新たな雇用創出を目指す事業を開始