58.5%のエンジニアが「リモートワークのない企業には入社しない」、paiza株式会社調査

2021年10月に緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルスの感染拡大が一時の落ち着きを見せる中、企業によってはリモートワークを出社に切り替える動きが見られる。

paiza株式会社は、同社が運営するITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza(パイザ)」において、ITエンジニアが働いている企業とITエンジニア個人を対象に、緊急事態宣言解除後のリモートワーク実態に関する調査を行った。

調査結果は以下の通り。

リモートワーク実施企業は87.0%、そのうち79.1%はコロナ収束後も継続

企業に対し、現在ITエンジニアのリモートワークを導入しているか尋ねたところ、87.0%の企業が「導入している」と回答した。

また、コロナ収束後もリモートワークを継続するか尋ねたところ、現在導入している企業の79.1%が「継続する」と回答した。一方で、リモートワークを現在導入していない企業はすべて「実施しない予定」または「現時点ではわからない」と回答しており、今後新たに導入する予定の企業はなかった。

企業と個人で希望のリモートワーク頻度に差

企業に対して、コロナ収束後はITエンジニアにどれくらいの頻度で出社してほしいか尋ねたところ、「フルリモートで構わない」が26.0%で最多だった。一方で「毎日出社してほしい」と回答した企業も22.0%と多く、「週1日出社」「週2~3日出社」を希望する企業と合わせると、49.3%の企業が「最低でも週1日程度は出社してほしい」と考えていることが分かる。

また、エンジニアに対してコロナ収束後にどれくらいの頻度でリモートワークをしたいか尋ねたところ、「フルリモートワーク」を希望する人が57.3%を占めた。「リモートワークは必要ない(出社したい)」と回答した人は5.1%と少なく、企業の希望と個人の希望が大きく離れている実態が浮き彫りとなった。

58.5%のエンジニアが「転職の際、リモートワーク制度のない企業には入社しない」

企業に対して、リモートワークの実施は優秀なITエンジニアの採用に必須だと思うか尋ねたところ、リモートワーク導入企業の52.2%が「必須だと思う」と回答した。一方で、未導入の企業では「必須ではないと思う」と回答した企業が20.0%と「必須だと思う」の10.0%を上回り、実際にリモートワークを実施した経験の有無によって見解が分かれた。

また、ITエンジニアに対して、転職する際の条件としてリモートワークの有無をどれくらい重視するか尋ねたところ、「フルリモートでなければ入社しない」が27.9%、「週の半分程度リモートワークでなければ入社しない」が30.6%だった。合計で58.5%のエンジニアがリモートワーク制度がない企業には入社したくないと考えていることが分かった。

企業の認識以上に、エンジニアは会社選びの基準としてリモートワークの有無を重視しているようだ。特に、リモートワーク未導入の企業はリモートワークの採用への効果を認知していない傾向があり、今後優秀なIT人材を採用できるかどうかの明暗を分ける要因となりそうだ。

調査概要

【企業向けアンケート】
調査期間:2021年11月2日~15日
調査方法:インターネットによる調査
調査対象:77社(業種:IT企業(90.9%)その他(9.1%)、回答者:人事担当者、役員など)

【個人向けアンケート】調査期間:2021年10月18日~25日
調査方法:インターネットによる調査
調査対象:paiza登録のITエンジニア職366名
※ITエンジニア職の内訳(システム開発・SE・インフラほか、 プロダクトマネジャー、CTO、VPoE、技術顧問なども広義の意味でITエンジニア職に含む)

【参考URL】paiza、「緊急事態宣言解除後のITエンジニアのリモートワーク実態調査」を発表。リモートワークで「パフォーマンスが下がった」IT企業はわずか7.5%