就職・転職活動において、企業とのやり取りや手続きが求職者のストレスとなり、活動意欲の低下を招くことは多い。直近では新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、就活環境の変化が求職者に影響を与えた。
Indeed Japan株式会社は、転職者を対象として「就職・転職活動のストレスや課題」に関する調査を行った。
調査結果は以下の通り。
コロナ禍が仕事に及ぼした影響について尋ねたところ、「ポジティブな影響を受けた」と回答した人は62.2%、「ネガティブな影響を受けた」と回答した人は73.9%であった。
ネガティブな影響の内容を尋ねたところ、アルバイト・パート職希望者では「特にない」が36.3%で最も多く、次いで「企業・団体側の応募条件や選考が厳しくなり、仕事が決まりにくくなった」が19.4%、「ニューノーマル時代において、どんな仕事に就くと良いのか分からなくなってきた」が18.8%と続いた。
一方社員職希望者では「業界の先行きが不安になり、憂鬱な気持ちで仕事探しをすることになった」が28.3%で最多だった。次いで「企業・団体側の応募条件や選考が厳しくなり、仕事が決まりにくくなった」が27.8%、「仕事探しそのものが急務となり、ゆっくり仕事を選んでいられない状況になった」が22.2%と続く。コロナ禍によって、仕事探しに対する心理的なストレスを感じている人が多いようだ。
企業からの連絡に関する経験について尋ねたところ、合計で34.0%の人が「応募したのに、企業・団体から何の連絡も来なかった」経験があると回答した。「応募した企業・団体から返信が来るか不安になったことがある」と回答した人は45.4%、「応募以降、企業・団体から連絡が来るまでの待ち時間が、非常に長かったことがある」と回答した人は29.1%だった。
また応募企業から連絡がない、あるいは連絡が来るまでの待ち時間が非常に長いことがストレスになると回答した人はともに約75%と多く、自由回答では「採用の場合のみ連絡するという形はやめるべき」との意見も見られた。
応募書類の作成方法について尋ねたところ、社員職種希望者においては「エクセルやワードなどのフォーマットをダウンロードしてパソコンで作成」と回答した人が50.2%で最多だった。
一方でアルバイト・パート職希望者では73.2%の人が「手書き」と回答した。「エクセルやワードなどのフォーマットをダウンロードして作成」と回答した人は24.4%と、「手書き」の3分の1にとどまった。
その理由について、応募書類の作成方法が企業に与える印象をどう考えているか尋ねたところ、アルバイト・パート職経験者の43.5%が「手書きの方が企業に与える印象が良くなる」と感じていることが分かった。一方別の調査によると、アルバイト・パート採用において手書きのほうが印象が良いと回答した採用担当者は27.9%にとどまり、求職者と採用担当者の認識のズレが明らかになった。
詳細結果はコチラ
企業から連絡がなかなか来なかったり、煩雑な書類作成を求められたりすることが求職者のストレスになり、応募から遠ざかることも多い。採用に取り組む企業は候補者に負荷がかからないよう、採用プロセスを見直す必要があるだろう。
調査主体:Indeed Japan株式会社
調査対象:現在積極的に仕事探しを行っている16~69歳の男女1,240名
割付方法:性年代と仕事探し(社員職希望/パート・アルバイト職希望)をそれぞれ掛け合わせてアンケートを回収。人口構成比およびスクリーニングの出現率に基づいてウエイトバック集計を実施
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年10月22日~2021年11月2日
【参考URL】Indeedが「就職・転職活動のストレスや課題」に関する調査を実施 求職者の3人に1人以上が、応募企業から連絡が来なかった経験あり コロナ禍が就職・転職活動にポジ・ネガ両面で及ぼした影響も明らかに