新卒採用市場は求人数に対して求職者が少ない売り手市場が続いている。人材獲得競争が激化する中、企業によっては人材確保のために初任給の賃上げをする動きもある。
アン・コンサルティング株式会社は、23卒採用を実施した企業の採用担当者を対象に2023年度の新卒採用に関する調査を行った。
調査結果は以下の通り。
2023年度入社の新卒採用において、予定通りの採用ができたか尋ねたところ、54.6%の採用担当者が「予定通り採用できた」と回答した。一方「予定より少ないが採用できた」と回答した企業は32.6%であり、3割以上が予定人数に満たない採用であったことが分かった。
2023年度入社の新卒採用について「新卒採用を実施し、実際に入社した」、「新卒採用を実施し、内定を出したが入社しなかった」と回答した採用担当者を対象に、内定辞退が発生したか尋ねたところ、67.9%が内定辞退があったと回答した。
2023年度と2022年度を比較して賃上げを実施したか尋ねたところ、54.4%の採用担当者が新卒社員の「初任給を増額した」と回答した。
フリーランスの採用状況に関して尋ねたところ、23.4%の人事担当者が「昨年度フリーランスの採用を実施した」、34.0%が「今年度フリーランスの採用を実施した(する予定)」と回答した。今年度は昨年度よりもフリーランスを採用する企業の割合が10.6ポイント高く、フリーランスの採用が増加傾向にあることが判明した。
詳細結果はコチラ
今回の調査では、2023年度の新卒採用にあたって予定通りの人数を採用できなかった企業や、内定辞退が発生した企業が多かったことが明らかとなった。新卒採用は依然として売り手市場が続き、難易度が高まっている。引き続き、企業は自社の魅力を学生に効果的に伝える方法を模索し、選考体験を他社と差別化していくことが求められるだろう。またフリーランスなど異なる雇用形態での採用への関心も高まっており、採用手法も多様化していくことが予想される。
調査機関 :アン・コンサルティング株式会社
調査対象 :2023年度入社の新卒採用を実施した企業に勤める採用担当者
有効回答数:500
調査期間 :2023年4月10日~2023年4月11日
調査方法 :インターネット調査