決定年収上昇幅1位は組み込みソフトウェアエンジニア、パーソルキャリア株式会社調査

出典元:パーソルキャリア株式会社

パーソルキャリア株式会社は「2023年度 職種版 決定年収レポート」を発表した。同レポートでは前年度比の決定年収の上昇幅ランキングに加え、2019年度から2023年度の5年間で最も決定年収が上がった職種を解説する。

決定年収とは

転職者を受け入れる企業が、採用決定時に個人に対して提示する年収のこと

調査結果は以下の通り。

2019年度から2023年度の決定年収推移

出典元:パーソルキャリア株式会社

決定年収は年々増加傾向にあり、過去5年間で32万円アップした。DXやデジタル化が推進されることで専門人材の獲得競争が激化し、転職時の提示年収を引き上げる企業が多く見られた。

職種別で上がり幅を見ると、最も増加したのは+54万円の「金融系専門職」だった。同サービス副編集長の高橋直樹氏は、「背景には、大手金融系企業が採用ターゲットを新卒から中途にシフトさせ、経験者採用の比率を上げていることが挙げられます」と分析している。その要因の一つとして、有価証券報告書を発行する企業を対象に「人的資本の情報開示」が義務化されたことで、新卒採用に重きを置いていた大手企業でも中途を含むダイバーシティ採用に注力していることが挙げられている。大手金融系企業もこの例に漏れず、近年経験者採用を積極的に行っているという。

前年度比の職種別・決定年収上昇幅ランキング

出典元:パーソルキャリア株式会社

2022年度から2023年度において最も決定年収が上昇したのは+14万円の「組み込みソフトウェアエンジニア」だった。主な要因として、スマートウォッチなど「IoTデバイス」のニーズが急増していることや、自動運転・ブレーキシステムや電気自動車の開発など自動車産業に技術革新が進んでいることが考えられる。こうした技術にはソフトウェアの組み込みが必要不可欠だ。

出典元:パーソルキャリア株式会社

決定年収上昇幅2位の営業職の内訳を見てみると、1位は前年度比+36万円の「金融営業」だった。公的年金への将来不安などを背景に不動産投資熱が高まっており、金融業では不動産投資営業にも力を入れるべく経験者採用を強化している。

高橋氏は総括として「今後も物価上昇が見込まれること、そして労働人口不足が解消されないことを考慮すると、賃上げ傾向は続き、それにともない転職時の提示年収も徐々に上がっていくと推測します」と述べている。

詳細結果はコチラ

職種ごとの決定年収を分析することで、時代の動きやトレンドが見えてきますね。人材・求人広告営業が前年度比+7万円で8位にランクインしている要因についても色々な分析ができそうです。担当者はこの調査を参考に、採用したい職種や提案したい人材の年収について検討していくといいかもしれません!

調査概要

・対象者:2019年4月~2024年3月の期間に「doda」のエージェントサービスを利用して転職した個人
・雇用形態:正社員
※本レポートにおける決定年収額は全て平均値

【参考URL】転職サービス「doda」、「2023年度 職種版 決定年収レポート」を発表 昨年度から最も上がったのは、「組み込みエンジニア」で+14万円 IoTやAIの普及によるニーズの高まりが影響