株式会社ASIAtoJAPANは日本で働いている高度外国人材200人に対し意識調査を実施しました。 |
来日前後で「日常会話が困難な人」は54%→25%に激減
来日前の日本語能力試験(JLPT)のレベルについては、35.5%が「持っていない」 と回答。試験を受けていないだけで日本語ができる人もいると考えられますが、日本での就業希望者は試験を受けるのが一般的であるため、この35.5%のほとんどは「日本語ができない人」であると推測されます。
また、日常会話が可能なレベルであるN3に達していないN4、N5は合計18.5%。資格を持っていない人と合わせて、日本語ができるとは言い難い人が54%を占めています。
一方、来日後の日本語力に目を向けてみると、来日してからの期間はバラバラであるものの、ニュースが理解できるレベルであるN1、N2の合計は60%に到達。就職後、確実に日本語力を向上させていることが見て取れます。
外国人が日本で働きたい理由1位は「日本の文化が好きだから」
外国人が日本での就業を希望する理由を「母国と比べて日本の給与水準の高いから」だと思っている人は多いですが、実際のアンケート結果で「経済的な理由から」を選んだのはわずか7.4%。
最も多いのは「日本の文化が好きだから」(23.9%)でした。日本自体への興味から「日本に住みたい」と考え、日本での就業を希望する人が多いようです。
「日本の技術や会社に興味があるから」(15.2%)や「キャリアにとってプラスだから」(12.5%)を選んだ人もいますが、よほどの有名企業でない限り、会社や仕事内容に惹かれて応募をする高度外国人材はほとんどいないと思った方がよさそうです。
”なんとなく共通のコミュニケーション”は通用しない
仕事をする上で大変だったことに関しては、やはりコミュニケーションの面で苦労している人が多いようです。日本人同士であれば通用する“なんとなく共通のコミュニケーション”が通用しないことから、外国人社員は「空気が読めない」存在になってしまいがち。
報連相といった日本の仕事の様式を知らないことがほとんどなので、「日本人とは違う」という前提で丁寧に説明し、仕事の依頼や指示の仕方を工夫する必要がありそうです。
「引っ越し」「携帯電話の契約」「友達作り」の3つに苦労
生活面に関しては全体的に「便利」に回答が集まり、思いの外苦労を感じている人は少ないよう。 「大変」の割合が大きかったのは「引っ越し」「携帯電話の契約」「友達作り」の3つ。
外国人が賃貸物件を探す難易度は高く、携帯電話を契約するには、住民票を取って銀行口座を開設し、クレジットカードを作る必要があるなど、「引っ越し」と「携帯電話の契約」の手続きは煩雑。
また、海外では一人暮らしをする習慣がない地域が多く、一人で休日を過ごすことに慣れていない外国人は少なくありません。日本人の感覚よりも寂しさや孤独を感じているケースがあることは念頭に置いておきたいところです。
満足度は10点満点中「8点」が最多
日本での生活および仕事への満足度を10点満点で評価してもらうと、「8」と回答した人が最も多く、概ね満足していることが伺えました。
【アンケート概要】
アンケート実施期間:2019年10月
回答者:「Study Go Work JAPAN」を通じてオファーを得た人とその友人で、現在日本で働いている外国人材
回答者数:200人
※回答者はアジア各国のトップ大学卒業生が主。勤め先はメーカー、IT、コンサルティング、外資系企業など
くわしい調査結果はこちら
【参照URL】日本で働く高度外国人材200人にアンケート!日本で働きたい理由、仕事や生活で困ったこと、総合的な満足度とは?