「セクハラ」「モラハラ」などさまざまなハラスメントに対して世間の目が厳しくなる中で、「パワハラ」の相談は年間で8万件以上にのぼる。パワハラの防止対策として2019年5月に改正労働施策総合推進法が成立し、2021年6月で施行から1年が経った。今やハラスメント対策は企業の義務であり、職場環境や社員のエンゲージメントに大きく関わる要素だ。
株式会社ライボは、社会人を対象に過去1年間のハラスメント実態に関する調査を実施した。調査結果は以下の通り。
過去1年間で職場によるハラスメントを感じたか尋ねたころ、「実際にハラスメントの被害を受けた」と回答した人が32%、「当事者ではないが社内でハラスメントがある」と回答した人が15%だった。合計で47%の人が職場でのハラスメントを感じている。
また、ハラスメントの種類について尋ねたところ、「パワハラ」が79.7%で最多であった。次いで「モラハラ」が44.2%、「セクハラ」「リスハラ」が9.9%と続く。コロナ禍を理由にした差別・嫌がらせ行為を指す「コロハラ」も3.5%の回答があり、社会情勢を反映した結果となった。
ハラスメントに対してどのような行動をしたか尋ねたところ、「何もしなかった」が34.1%で最多となった。一方で「抗議した」は19.7%、「労働組合や人事部に訴えた」は8.1%と、ハラスメントに直接抵抗できた人は少数だった。
何もしなかった理由について尋ねると、「相談できるような環境がない」が43.5%で最多であった。次いで「職務上不利益を被ると思った」が43.5%、「自分が我慢すれば良いと思った」が31.9%と続いた。
社内のハラスメント防止対策について尋ねたところ、「十分な対策をしている」と回答した人は5.2%であった。「対策はしているが不十分」が51.4%、「対策はしていない」が41%となり、合計で94.8%の人が社内のハラスメント対策を不十分だと感じていることが分かった。
具体的な防止対策について尋ねたところ、「ハラスメント相談窓口を設けている」が54.3%で最多となった。
詳細結果はコチラ
調査対象者:全国/男女/20~69歳
条件:1年以内~10年以上勤務している、20人~1000人以上規模の会社に所属の社会人
調査期間:2021年6月4日~6月11日
サンプル数:374
調査方法:インターネット調査
【参考URL】Job総研による『2021年ハラスメント実態調査』を実施 ハラスメント被害に”パワハラ”が8割 社内対策不十分の声顕著