「リスキリング」を知らない会社員は71.2%、株式会社ワークポート調査

近年、DXを促進するために社員のリスキリングに取り組む企業が増えている。

リスキリングとは

「職業能力の再開発・再教育」のこと。DXが推進され始めたことで、関連するITスキルなどの習得に必要だとして注目を浴びている。類似する言葉に「リカレント教育」があるが、リカレント教育は大学など外部での能力開発を指すのに対し、リスキリングは企業内部での能力開発を指す。

株式会社ワークポートは、全国の転職希望者を対象に「リスキリング」についてのアンケート調査を実施した。

調査結果は以下の通り。

「リスキリング」を知らない人は71.2%

「リスキリング」という言葉を知っているか尋ねたところ、「知らない」と回答した人が71.2%で最多であった。「聞いたことはある」と回答した人は20.5%、「知っている」と回答した人は8.3%に留まった。

また、「知っている」「聞いたことはある」と回答した人にリスキリングを企業が推進する背景を知っているか尋ねたところ、「よく理解している」と回答した人は12%、「やや理解している」と回答した人は49.3%だった。リスキリングという言葉はまだ多くの働き手にとって馴染みがなく、またその意義もあまり浸透していないようだ。

リスキリングを受けたいと思う人は85.2%

現在リスキングを受けているか尋ねたところ、「はい」と回答した人は6.7%、「今後受ける予定がある」と回答した人は1.6 %、「いいえ」と回答した人が91.7%だった。

「いいえ」と回答した人にリスキリングを受けたいか尋ねたところ、「とても思う」と回答した人が47.1%、「やや思う」と回答した人が38.1%であった。合わせて85.2%の人がリスキリングに意欲を示した。

リスキリングを受けたいと回答した人に理由を尋ねたところ、「スキルアップ、キャリアアップのため」「仕事に生かしたい」「転職など今後に役立つから」などの回答が得られた。一方で、リスキングを受けたくないと回答した人に理由を尋ねたところ、「自分自身で勉強しているから必要ない」「業務的負担が増えるため」「実務を通して学べるから」などの声が上がった。

89.5%の人が「リスキリングを行う企業は魅力的」

リスキリングやスキルアップの取り組みを行っている企業は魅力的だと思うか尋ねたところ、「とても思う」と回答した人が54.6%、「やや思う」と回答した人が34.9%であった。合計で89.5%の人がリスキリングに取り組む企業に好意的な回答を示した。

詳細結果はコチラ

リスキリングを受けたいと考える働き手は多いものの、実際に実施できている企業は少なく、またリスキリングという言葉の浸透も十分ではないことが分かった。時代の変化についていくために既存社員の学び直しの機会を提供することは、今後企業にとって重要な課題となりそうだ。

調査概要

調査内容:リスキリングについて   
調査対象者:同社利用者(全国の20代~40代の転職希望者、男女)
有効回答:493人  
調査期間:2021年8月25日~2021年9月2日

【参考URL】<働くみんなのホンネ調査> 「リスキリング」について調査を実施 DX化によるリスキリングを進める企業がある中 7割が「知らない」