プログラミング言語別給与ランキング【2015年版】〜1位はScalaの401万5,909円〜

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昨年、好評頂いたランキングに引き続き、今年も「プログラミング言語別 求人給与額ランキング」を作成してみました。

企業のIT投資が引き続き活発な中、エンジニアの求人ニーズは高止まりが続いています。プログラマーにとっては就職・転職がより有利に、また企業にとってはエンジニアの採用がより困難な状況が続いていますが、 今回のランキングにおいても、それら状況が伺える結果となりました。

すべてのプログラミング言語の平均求人年俸は3,628,019円で、昨年と比較して全体的に給与額の上昇がみられました。

また、プログラマーの掲載件数は16,820件、昨年比123.9%と、全体として大幅な増加がみられますが、プログラミング言語別に状況をみて行くと、技術トレンドやニーズの移り変わりが現れており、非常に興味深いところです。

今回の調査も昨年に引き続き、IT職種の求人に強い正社員系媒体の中から下記の8媒体を対象に、求人マーケット分析サービス3Chartを使って、集計分析を行いました。

対象媒体:type、doda、FindJob!、Green、イーキャリア、エン転職、マイナビ転職、リクナビNEXT(50音順)
調査日:2015年10月19日

調査対象求人掲載件数: 47,321件(全職種)
調査方法: 「応募条件」「仕事内容」に各プログラミング言語が含まれる求人掲載件数
(件数は延べ、掲載件数100件以上の言語が対象)
給与金額: 掲載されている給与金額の下限値の平均を算出(月給表記は14倍で年俸に換算)

第10位C++

求人年俸額平均:356万6,330円

掲載件数:1,552件

Windowsのアプリケーションや、組み込み系や制御系、ゲーム開発などに使われる言語で、給与額、掲載件数とも、堅調なニーズが伺われます。

第9位PHP

求人年俸額平均:361万6,580円

掲載件数:2,560件

現在でもWeb系開発の主要言語として、掲載件数はJavaに次いで2位となっています。 給与額、件数ともに、堅調に増加しています。

第8位Java

求人年俸額平均:364万3,998円

掲載件数:3,623件

掲載件数では全言語で引き続き1位でありながらも、昨年比の件数は横ばいで、エンジニア求人の全体件数が増加している中、相対的な求人割合が下がっています。 Webシステムのサーバーサイドなど、これまでJavaで開発されてきた領域が、他の言語に移り変わっている様子が伺われます。

第7位JavaScript

求人年俸額平均:365万8,870円

掲載件数:1,756件

Webのフロントエンドの開発言語として、引き続き強いニーズがあります。 様々なフレームワークが展開されているほか、サーバーサイドで用いられるNode.jsなども人気があり、ますます活用される場が増えているようです。

第6位Objective-C

求人年俸額平均:367万8,719円

掲載件数:659件

主にiOS(iPhone)やMacOSのアプリ開発に利用される言語ですが、昨年にApple社より発表された新言語「Swift」に主流の座が移り変わりつつあります。 そういった状況を反映して、掲載件数は昨年比59%と、大きく減少しました。

第5位Perl

求人年俸額平均:370万6,451円

掲載件数:620件

Web系開発で古くから利用されてきた言語ですが、掲載件数も昨年より14%増えており、一定の堅調なニーズがあることが伺えます。

第4位Ruby

求人年俸額平均:382万8,594円

掲載件数:1,014件

生産性の高いWeb系開発言語として、引き続きの人気が伺えます。 掲載件数の伸び率では、昨年比52%増と、Rubyを使ったシステムや開発が世に広がっていることが伺えます。

第3位Swift

求人年俸額平均:388万0,770円

掲載件数:149件

昨年、Apple社から、iOSやMacOSの新しい開発言語として発表され、早くもObjective-Cに代わって定着しつつあります。求人ニーズに対してはまだエンジニアが少なく、求人給与額が上昇している傾向が伺えます。

第2位Python

求人年俸額平均:395万5,422円

掲載件数:488件

昨年の1位からワンランクダウンとなったPythonですが、掲載件数は昨年比73%増と、大きく伸びています。

背景として、Pyhtonは、機械学習や集計分析処理で豊富な機能やライブラリを持ち、昨今のビックデータ処理や人工知能開発の需要の高まりを反映しているようです。今後もさらなる求人ニーズの高まりが予想される言語です。

第1位Scala

求人年俸額平均:401万5,909円

掲載件数:110件

Scalaは、Web系のサーバーサイドの開発言語として、ここ数年で急速に人気が高まってきている言語です。

昨年はランキング対象の掲載件数に満たなかったScalaですが、TwitterやLinkedInなどの有名なサービスがRubyなどの言語から切り替えた実績があり、最近国内でも、サイバーエージェントやドワンゴ、チャットワークなど、Scalaの採用事例を聞くことが増えてきました。

こうした背景から求人ニーズが非常に高まっていますが、エンジニアの数がまだ非常に少なく、需給状況を反映して求人給与額1位となりました。

まとめ

プログラミング言語別の求人データ分析、いかがでしたでしょうか。

求人給与額という点では、ニーズが高まりながらも、かつエンジニア人口が少ない、新しい言語がやはり高給となる傾向があります。 また、昨年データとの時系列で比較してみると、技術ニーズのトレンドの変化を求人マーケットから裏づけることができ、興味深い内容だったかと思います。

一方、ランク外ではありますが、C#、VisualBasic、COBOLといった企業システムでよく利用される言語も、昨今の企業のシステム投資増加の流れを受けて、掲載件数、給与金額ともに上昇しています。

また、脱Flashの動向を受けて、ActionScriptは、大きく掲載件数を減らしています。

今後も、変化の激しいIT業界の動きを測る一指標として、求人マーケットデータを活用した分析レポートをお届してまいります。

順位言語求人年俸額平均求人件数
1Scala4,015,909110
2Python3,955,422488
3Swift3,880,770149
4Ruby3,828,5941,014
5Perl3,706,451620
6Objective-C3,678,719659
7JavaScript3,658,8701,756
8Java3,643,9983,623
9PHP3,616,5802,560
10C++3,566,3301,552
11C#3,555,4081,497
12アセンブラ3,542,601138
13C3,516,406929
14VisualBasic3,476,7891,233
15ActionScript3,467,162126
16COBOL3,445,126366

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