【エンジニア求人特集 #1】プログラミング言語別給与ランキング 2018年版

今年のエンジニア求人市場を徹底分析!エンジニア求人特集

毎年ご好評いただいているHRogの「プログラミング言語別給与ランキング」。2018年にして5回目を迎える今回は、「エンジニア求人特集」と題して、恒例の給与ランキングに加えて様々な軸から2018年ITエンジニア採用の求人動向をより深く分析していきたいと思います!

人材不足のニュースがメディアを大きく賑わせた2018年、エンジニア求人も大きな伸びを示しました。エンジニア採用の難しさにさらなる拍車がかかる中、エンジニア採用の求人トレンドはどのように変化しているのでしょうか?

人材業界・エンジニアの採用に携わる方は必見の特集です!

2018年版プログラミング言語別給与(下限値)ランキング!

では早速、今年のプログラミング言語別給与ランキングを見ていきましょう!

HRogリスト」のデータをもとに作成
2018年版プログラミング言語別給与(下限値)ランキング!

対象媒体:doda、Find Job、Green、type、エン転職、バイトルNEXT、マイナビ転職、マイナビ転職エージェントサーチ、リクナビNEXT、リクルートエージェント、転職ナビ(順不同)
調査日:2018年1月1日, 2018年12月3日
調査対象総件数:236,427件(2018年12月3日掲載の全職種求人データ)
調査方法:以下の20言語(ActionScript,C#,C++,COBOL,C言語,Go言語,Java,JavaScript,Kotlin,Objective-C,Perl,PHP,Python,Ruby,R言語,Scala,Swift,TypeScript,VisualBasic,アセンブラ)を対象に、原稿の仕事内容、応募条件の項目内に各プログラミング言語の表記が含まれる求人データを集計、分析

※上昇率とは2018年1月と比較したときの12月の給与の上昇率です。2018年1月から2018年12月にかけて求人上の募集給与金額がどのように変化したか集計することで「2018年で給与が急上昇した言語」もチェックできるようになっております。

すべてのプログラミング言語の下限の平均求人給与は406万6,842円で400万円の大台を突破。昨年と比較してもさらに高水準で推移しています。また全言語の上限の平均求人給与は699万5359円と、こちらも高水準で推移しており、エンジニア採用の難易度の高さが改めて窺える結果となりました。

全言語での給与下限金額も昨年比3.4%上昇しており、給与がここ一年で大きくベースアップしていることが窺えます。システム開発の需要が増え続けることを背景に、来年以降もエンジニアの募集給与額は上昇傾向が予想されます。

また注目するべきは、R言語やGo言語、Kotlinなど、昨年は求人件数が少ない関係でランキング対象外としていた言語が多く上位に入ってきていることです。(昨年の結果はコチラ

プログラミング言語別給与ランキングから見る、今年の注目言語とは?

そこで今回は「HRog編集部注目のプログラミング言語」として、求人件数が増加して集計対象となり、2018年にして初ランクインをしたプログラミング言語をご紹介していきます。

給与ランキング1位に輝いた R言語

ランキング:1位
求人年俸平均額:478万1,575円 ~ 811万0,701円
掲載件数:830件
給与年間上昇率:(下限)4.4%、(上限)7.4%

今回給与金額ランキングで1位となったのは「R言語」でした。

R言語とは、数学的処理に適したプログラミング言語で、データサイエンティストなどがデータの統計分析処理を行う際などに主に用いられます。機械学習に必要となるビッグデータの処理では、この「R言語」とランキング5位の「Python」が使われるケースが一般的となっています。

AIに関連した開発がますます盛んになる中で、R言語やPythonといった言語のニーズはさらに高まっています。データサイエンティストをはじめデータ分析関連の人材の採用が難しくなる中、社内の育成に取り組む企業も増えています。

一方、Pythonはその言語の親しみやすさゆえに開発者が増えてきています。

データ分析や機械学習ができるエンジニアの需要と、Pythonエンジニアと比較した際のR言語エンジニアの相対的な希少性が高いことを背景として、R言語エンジニアの求人給与が上昇したことが窺えます。

今回R言語は、給与金額の下限、上限ともに1位となりました。特に、上限金額の年間上昇金額が559,307円、上昇率7.4%と、こちらも全言語の中で1位となっています。高度なスキルを持つR言語エンジニアの採用熱がこの一年で大きく高まったことが分かります。

昨年はR言語の求人件数は200件以下と少なかったため、給与ランキングでは集計の対象外でした。しかし2018年は、大きく件数が増えたため、集計対象として採用しています。

開発者からの人気が高まる Go言語

ランキング:3位
求人年俸平均額:443万8,089円 ~ 788万6,551円
掲載件数:588件
給与年間上昇率:(下限)4.9%、(上限)0.9%

ランキング3位のGo言語は、2009年にGoogleが開発した言語で、主にWebシステムのサーバーサイドの開発で利用される言語です。シンプルで分かりやすい言語ながら、大規模な開発や並列処理の開発にも向いており、その学習コストの低さと利用範囲の広さから、人気が高まっています。

Androidの標準開発言語 Kotlin

ランキング:4位
求人年俸平均額:437万9,707円 ~ 791万8,416円
掲載件数:403件
給与年間上昇率:(下限)6.6%、(上限)-0.4%

ランキング4位のKotlinは、スマートフォンのAndroidの標準開発言語で、JavaをベースにしつつもJavaより簡潔な文法をもつ言語です。動作環境の幅広さなどJavaのメリットを踏襲しつつもJavaより書きやすく、また学習コストも低いことから、Androidアプリの開発ではKotlinを言語として採用するケースが増えています。

JavaScriptからのリプレイスが徐々に増える TypeScript

ランキング:6位
求人年俸平均額:430万5,638円~775万5,935円
掲載件数:290件
給与年間上昇率:(下限)2.7%、(上限)2.6%

ランキング6位のTypeScriptは、Webシステムのフロント(画面などクライアントサイド)の開発で主に利用される言語です。AltJSと呼ばれる、コンパイルするとJavaScriptに変換される言語の一つで、JavaScriptの代わりに利用されるケースが増えています。TypeScriptは静的型という機構をもっており、大規模な開発での生産性を高めやすい言語です。

まとめ

先ほどご紹介したように、2018年は上位10位内にこれだけ新しい言語がランキングに入ってきました。この状況はIT業界のここ最近の技術変化の激しさを物語っており、新技術を素早くキャッチアップできるエンジニアに対するニーズと評価が大きく高まっていると言えるでしょう。

また人材業界に携わる企業の立場から考えてみると、新しい言語のニーズが盛り上がりを見せるタイミングは、エンジニア求人市場の変化のタイミングでもあります。どのプログラミング言語を募集している企業に営業リソースを集中させるか、いつアタックしてどんな提案をするか、各企業改めて考える必要があるでしょう。

そのような営業戦略を練る際には、過去の求人データを分析して、エンジニア求人のトレンドを知ることが重要になっていきます。

この特集がエンジニア求人における営業戦略の一助になれば幸いです。

次回記事では、求人広告の出稿件数の観点からプログラミング言語の求人ニーズを分析した「求人件数から見える、プログラミング言語のライフサイクルとは?」をお送りします。

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(HRog編集部)