毎年ご好評を頂いてます「HRogプログラミング言語別求人給与額ランキング」2016年版を発表します。
本年度についても、企業のIT予算は2015年度とほぼ同等の水準であり、引き続き、安定した状況が続いています。(出典:ITR「IT投資動向調査2016」)
また、国内におけるスタートアップ界隈も盛り上がりをみせており、投資やM&Aなども活況ですので、プログラマーにとっては就職・転職がより有利で選択肢も豊富ですが、企業にとってはエンジニアの採用が困難な状況が続いていそうです。
さっそく、実際の数字を見ていきましょう!
すべてのプログラミング言語の平均求人年俸は373万4,312円で、昨年(362万8,019円)と比較して、引き続き給与額の上昇が見られました。
また、本中間発表版のプログラマーの掲載件数は13,719件ですが、昨年版よりも対象媒体が2媒体少ないことを考慮すると、昨年と同水準か増加が見込まれます。(後日、対象媒体を追加して再掲予定です!)
本年もプログラミング言語別に状況を見て行くと、技術トレンドやニーズの移り変わりが現れており、非常に興味深いところです。
本中間発表では、IT職種の求人に強い正社員系媒体の中から下記の6媒体を対象に、求人マーケット分析サービス3Chartを使って、集計分析を行いました。
対象媒体: type、doda、Green、エン転職、マイナビ転職、リクナビNEXT(順不同)
調査日: 2016年10月17日
調査対象求人掲載件数:56,370件(全職種)
調査方法:昨年版で対象にした16言語を対象にして(Scala・Python・Swift・Ruby・JS・Perl・Objective-C・JAVA・PHP・C#・C++・ActionScript・C・VB・COBOL・アセンブラ)、原稿内に各プログラミング言語が含まれる求人掲載件数(件数は延べ)
給与金額:掲載されている給与金額の下限値の平均
目次
第10位C# (昨年:ランク外)
求人年俸額平均:363万7,554円
掲載件数:1,287件
昨年10位のC++を抜いて、見事ランクイン!Windowsアプリだけではなく、サーバーサイド、ゲーム開発などで需要が高まっているものと考えられます。
第9位PHP(昨年:9位)
求人年俸額平均:370万2,015円
掲載件数:2,226件
Web系開発の主要言語として、掲載件数はJavaに次いで2位。ランキングは昨年同様の9位ですが、求人年俸額平均では8万5,000円ほど上昇しています。
第8位Java(昨年:8位)
求人年俸額平均:371万7,682円
掲載件数:3,170件
引き続き掲載件数1位の座を守るJava。ただし、昨年に引き続き掲載件数は減少傾向にありますので、徐々に他の言語に移り変わっている傾向が伺えます。
第7位Objective-C(昨年:6位)
求人年俸額平均:379万2,417円
掲載件数:546件
2年連続で掲載件数、求人年俸額平均ともに下降しています。Swiftへの移行が進んでいるようです。
第6位Perl(昨年:5位)
求人年俸額平均:379万7,349円
掲載件数:539件
根強い人気のPerl。1つ順位を下げるものの、求人年俸額平均ではC#/PHP/Javaなどの主要言語を抑えてのランクインです。
第5位JavaScript/JS(昨年:7位)
求人年俸額平均:383万4,622円
掲載件数:1,349件
やはりきたかという感じで、JavaScript/JS系言語は2つ順位を上げてきました。求人年俸額平均でも17万円の大幅UP!
第4位Ruby(昨年:4位)
求人年俸額平均:390万7,946円
掲載件数:1,054件
昨年に引き続き4位にランクインのRuby。巷では「Rubyの人、なかなか見つからないんですよね」とよく耳にします。JavaScript/JS系言語ほどではないにしても、1,000件を超える掲載件数の需要に対して、供給が足りていない状況が伺われます。
第3位Swift(昨年:3位)
求人年俸額平均:393万7,649円
掲載件数:293件
昨年ほどの上昇はみられないものの、同順位にランクイン。Swift3もそろそろ使われはじめるのでしょうか。
第2位Python(昨年:2位)
求人年俸額平均:405万4,142円
掲載件数:513件
Pythonは今年も2位にランクイン!求人年俸額平均も400万円を超えてきました。Swiftと同様に昨年ほどの上昇は見られないものの、データ分析、機械学習、AI周辺での求人ニーズの高まりが予想される言語です。
第1位Scala(昨年:1位)
求人年俸額平均:440万6,963円
掲載件数:157件
2位以下を大きく引き離し、2年連続の1位にScalaが輝きました。
昨年、掲載件数の条件を満たし華々しく1位を飾ったScalaは、本日の中間集計時点でも掲載件数142%UP、求人年俸額平均に至っては、どどんと、約40万円UP!
2位のPythonがデータをとってきたり、加工したり、分析する目的で伸びていると思われるのに対して、関数型言語の顔も持ち合わせるScalaは大量のトランザクションやデータを処理したり、サービスを安定的に運用するための、まさにIoT/ビッグデータ時代にマッチした言語なのではないでしょうか。
今後は、業務システムなどにおいてもJavaなどからの移行が進み、より一層の求人ニーズが高まるかもしれません。
まとめ
今年のプログラミング言語別の求人データ分析はいかがでしたでしょうか。
全体的に、現在のトレンドを非常によく現しているのではないかと思います。
単純にプログラミング言語が新しい/古いからというだけではなく、時代に求められるプログラミング言語については、求人年俸額平均が他に比べて顕著に向上し、掲載件数の伸び率が高くなる傾向が読み取れたことは、大変に興味深い内容であると思います。
今後も、変化の激しいIT業界の動きを測る一指標として、求人マーケットデータを活用した分析レポートをお届してまいります。
順位 | 言語 | 求人年俸額平均 | 求人件数 |
---|---|---|---|
1 | Scala | 4,406,963円 | 157 |
2 | Python | 4,054,142円 | 513 |
3 | Swift | 3,937,649円 | 293 |
4 | Ruby | 3,907,946円 | 1,054 |
5 | JavaScript | 3,834,622円 | 1,349 |
6 | Perl | 3,797,349円 | 539 |
7 | Object-C | 3,792,417円 | 546 |
8 | Java | 3,717,682円 | 3,170 |
9 | PHP | 3,702,015円 | 2,226 |
10 | C# | 3,637,554円 | 1,287 |
11 | C++ | 3,623,874円 | 1,119 |
12 | ActionScript | 3,586,600円 | 57 |
13 | C | 3,577,911円 | 237 |
14 | VisualBasic | 3,494,283円 | 920 |
15 | COBOL | 3,494,283円 | 270 |
16 | アセンブラ | 3,376,531円 | 54 |
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