株式会社マイナビは、派遣社員として勤務する20〜59歳を対象に「派遣社員の意識・就労実態調査(2022年版)」を実施した。
調査結果は以下の通り。
派遣社員に対し今後の就業意向を尋ねたところ、「派遣社員として働きたい」と回答した人は45.1%であり、前年より5.0ポイント減少した。特に「登録型の派遣社員(有期雇用契約)として働きたい」人は29.9%で、前年比では5.7ポイントの減少となった。
一方で29.9%の人が「正社員として働きたい」と回答し、前年より5.8ポイント増加している。
正社員として働きたい理由を尋ねたところ、65.6%の人が「賞与(ボーナス)が欲しいから」と回答し最多となった。次に「雇用が安定しているから」が58.2%、「賃金が高いから」が45.6%と続いた。
派遣社員を選んだ理由を尋ねたところ、29.1%の人が「正社員を希望していたが、希望条件に合う仕事がなかったため」と回答し最多となった。また同回答を前年と比較したところ、10.3ポイント増加している。
一方で、「働く日数・時間を自分で選べるから」と回答した人は15.4%となり、前年より8.3ポイント減少した。昨年は働き方の自由度から派遣社員が選ばれていたのに対し、今年度は希望する正社員の仕事が見つからなかった場合に派遣社員を選んでいる様子が分かる。
2015年に派遣法が改正され、全ての業種において派遣期間が原則として上限3年に一本化された。この3年ルールにおいて派遣期間の上限を迎えた際の対応を尋ねたところ、37.7%の人が「無期雇用派遣で同一企業に派遣就業した」と回答し最多となった。
一方で、「派遣先の正社員となり、同一企業で就業した」人は4.7%のみとなった。3年ルールによって有期雇用契約から無期雇用契約に変更する対応が見られる一方で、正社員になったケースは少ないと分かる。
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今回の調査では、特に有期雇用契約の派遣社員で働きたい人が減少しており、正社員として働きたい人が増えていると分かった。物価の上昇や長期化するコロナ禍によって、待遇の向上や雇用の安定を求める様子が伺える。派遣社員の安定志向が高まる中、人材派遣会社はより幅広くサポートする必要があるだろう。
調査期間:2022年7月8日~2022年7月13日
調査対象:派遣社員として勤務する20〜59歳の男女
調査方法:インターネット調査
調査機関:株式会社マイナビ調べ(パネル提供元:外部調査会社)
有効回答数:1,400名