HRogでは「人材業界の一歩先を照らすメディア」をコンセプトに、毎年「人材業界の注目キーワード」を取り上げ、キーワードから見える市場動向や業界トレンドの変遷をお届けしています。2024年は人材業界でどのようなトピックが話題になったのでしょうか。今年注目を集めたワードとその背景を振り返ってみましょう。
2024年1月30日、Indeed社は新たな求人配信プラットフォーム「Indeed PLUS」をリリースしました。
「Indeed PLUS」はIndeedに出稿した求人を、連携する複数の求人サイトに自動掲載できる機能のこと。Indeedに掲載中の求人内容を読み取り、各媒体のユーザーの特徴と照らし合わせることで、最適な求人メディアに自動で出稿してくれます。
「Indeed PLUS」連携サイトは「Indeed」「タウンワーク」「リクナビNEXT」「リクナビ派遣」「はたらいく」「とらばーゆ」「フロム・エー ナビ」「求人ジャーナルネット」「ディースターNET」「物流・ドライバー求人サーチ」の計10サイト(2024年11月時点)。
「Indeed PLUS」の登場により、グループ内の媒体営業やリクルート代理店のあり方にも変化が起きています。
「Indeed PLUS」の詳細については「よくわかる「Indeed PLUS」しくみや人材業界への影響を解説!」をご覧ください。
またHRogでは、「Indeed PLUS」と連携されている求人の動向をチェックできる「Indeed PLUSレポート」を毎月発信しています。「Indeed PLUS」の求人掲載状況を確認できますので、ぜひご活用ください!
2024年9月、リクルートHDは2025年4月1日を目処にSBUガバナンス体制を変更し、マッチング&ソリューションSBUの人材領域をHRテクノロジーSBUに統合する方針をプレスリリースにて発表しました。
体制変更に伴い、新たに子会社として「株式会社インディードリクルートパートナーズ」と「株式会社インディードリクルートテクノロジーズ」を設立。これにより「リクナビ」「リクナビNEXT」「タウンワーク」などの求人サイトは、今後「Indeed PLUS連携求人サイト」という立ち位置でIndeed社の傘下に入ることとなりました。
この体制変更は「『Indeed』というサービスを中心に、人材領域における事業成長を目指す」という同HDの方針を明確化したものであり、今後も「Indeed」とリクルート系列の求人サイトのさらなる連携強化が予想されています。
2024年3月6日、フリマサイトを運営するメルカリ社がスキマバイトサービス「メルカリ ハロ」をリリース、2024年4月16日には全国展開を開始しました。
日本最大のフリマサービスとして月間約2,300万人(2024年5月時点)のアクティブユーザーを誇るメルカリ。そんな同社がスポットワーク市場に参入したことは大きな注目を集めました。
「メルカリ ハロ」は「メルカリ」とのシームレスな連携が最大の特徴。「メルカリ」アカウントをそのまま「メルカリ ハロ」にも利用できるほか、「メルカリ」の取引評価システムを企業側が事前に閲覧できたり、「メルカリ」アプリ内の「はたらく」ボタンから「メルカリ ハロ」を利用できたりなど、これまで「メルカリ」内で蓄積してきた資産を最大限に活かしたサービス設計となっています。
「メルカリ ハロ」の詳細については「株式会社メルカリ、空き時間おしごとサービス『メルカリ ハロ』の全国展開を開始」、またスポットワーク市場の概要については「いまさら聞けない『スポットワーク』をまるごと解説!特徴や課題、大手5サービスを知ろう」でご紹介しています。
いまさら聞けない「スポットワーク」をまるごと解説!特徴や課題、大手5サービスを知ろう20224年7月26日、スキマバイトアプリ大手のタイミー社が時価総額1760億円で上場しました。
上場後初決算となる2024年第3四半期の決算情報によると、2024年の累計売上高は190.2億円 (前期比+72.6%)、営業利益は27.9億円 (前期比+60.6%)とアクティブアカウント数の増加を背景に増収・増益で着地しました。
2010年代から日本におけるスポットワーク市場の創造に取り組み、上場を果たした同社。しかし、メルカリ社の市場参入、リクルートも今秋に「タウンワークスキマ」立ち上げを控えるなど、他社との競争激化は確実となっており、今後の動向が注目されます。
タイミーの上場に関しては「株式会社タイミー、東証グロース市場へ7月にも上場見込み」をご覧ください。
またHRogでは、スポットワーカー活用の可能性を広げるタイミー社の取り組みを取材しています。詳しくは「【スポットワーク特集#02】アルバイト全員スポットワーカーの居酒屋「THE 赤提灯」飲食店の人手不足を救う新・採用/育成モデルとは」をご覧ください。
2024年7月25日、2024年度の最低賃金の引き上げ額の目安が発表されました。今年は全国平均で約50円の引き上げが行われ、全国加重平均額は1054円となりました。
これは過去最高の引き上げ幅であり、引き上げ率に換算すると5.0%になります。ただし、26県が目安額を上回る引き上げを発表し、特に徳島県は異例の84円引き上げを決定しました。
これは物価高による生活費の高騰を反映した金額となっている一方、近年は大幅な最低賃金引き上げが続いており、中小企業の人件費の負担増や、「年収の壁」回避のための「働き控え」問題など課題も山積しています。
HRogでは、最低賃金改訂によって実際の時給がどう変化したのかを「【2024年10月度】過去最大となる50円以上の最低賃金アップ。その影響を募集時給から徹底分析!」にまとめています。ぜひご覧ください!
【2024年10月度】過去最大となる50円以上の最低賃金アップ。その影響を募集時給から徹底分析!2022年11月、米OpenAI社から「Chat-GPT」が登場して以降、人材業界各社は求人票や職務経歴書の自動作成機能など、生成AIを組み込んだサービス・機能をリリースしてきました。2024年はそこからさらにAIの活用が進み、「仕事探しという体験そのもの」をAIの力で実現するサービスがリリースされた年となりました。
例えばディップでは、AIと対話しながら自分に合いそうな仕事をおすすめしてくれる「dip AIエージェント」をリリース。同社の代表である冨田氏は「古くは新聞広告に始まり、フリーペーパー、インターネットと、仕事探しのあり方は時代によって変化してきた。『dip AI エージェント』は未来を担う、新しい仕事探しサービスになると自負している」と語っています。
「dip AIエージェント」については、「対話形式で仕事探しを「dip AI エージェント」説明会レポート」で詳細に解説しています。
また、昨今のAI活用の流れはすべての産業でトレンドとなっており、それに伴いAI・データ等に知見を持ったスペシャリスト人材の需要も増加、AI人材特化の採用支援サービスも誕生しています。
HRogでは「株式会社TalentX、株式会社SIGNATEと提携しAIスペシャリストの採用支援サービスを提供開始」などのニュースをお届けしました。こちらもぜひご一読ください。
今回は2024年に注目を集めたワードをHRogの記事とともに振り返りました。リクルートHDの既存求人サイトと「Indeed」の連携強化、スポットバイトサービスの躍進、AI活用の進行など、これから起こる人材業界のゲームチェンジを予感させるトピックが多くありました。
HRogは、2024年も「人材業界の一歩先を照らすメディア」を掲げ、人材業界の動向を発信していきますので、引き続きご愛読をよろしくお願いします!