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今知っておきたい!2025年上半期 スポットワークの注目動向

「スポットワーク」という働き方が広く浸透し、市場は今なお拡大を続けています。かつては「スキマ時間を活用して働く」というメリットが注目されていましたが、最近では突発的な人材補完にとどまらず、長期就業を見据えた利用も目立つようになってきました。

また、2025年上半期は地方活性に向けた企業連携や、他産業との取り組みも増加。スポットワークの在り方そのものに、大きな変化の兆しが見られた上半期だったのではないでしょうか。

今回は、決算情報や最新ニュースをもとに、HRog編集部ならではの視点でスポットワーク市場の「いま」を読み解く特集をお届けします。
※本記事は2025年7月1日時点での情報です

決算から読み解く 2025年上半期スポットワークの市場規模

株式会社タイミー|タイミー

直近では2025年10月期第2四半期決算が発表されています。登録ワーカー数は1,125万人を超えコアワーカーが拡大し、稼働率も最高水準を維持。順調に成長しています。

物流・小売業界を中心にアクティブアカウント数や流通総額は引き続き大きく拡大。全体では売上高が前年同期比+32.2%、営業利益が同+89.9%と非常に高い伸びを示しており、業績は依然として好調です。

2025年10月期第2四半期決算はコチラ

タイミーの広がり

スポットワーク市場のリーディングカンパニーとして拡大し続けている「タイミー」は、2025年上半期も多くの価値を提供し続けています。

注目ポイント

多くの人手を必要とする「物流・食品製造業界」で【受入負荷軽減プロジェクト】が始動。IR担当者によると、現場でスポットワーカーの数が増えることで当日の受け入れ業務が大きな負担になっているといいます。そこでタイミーは、リーダー社員を現場に派遣し、受け入れサポーターの育成をはじめとする様々なソリューションを提供することで負担を軽減し、1拠点あたりの浸透率をさらに高めていく方針です。
出典元:決算説明資料(p.30)

精米工場への支援策

2025年6月、タイミーは全国の精米工場を対象に、スポットワークのサービス利用料を一定期間無料とする取り組みを開始。政府備蓄米の流通が進む中、精米現場では人手不足が深刻化しており、本施策により作業負担の軽減や生産性の向上を支援していきます。スポットワークの利便性を活かし、精米工場の現場を支えることで、全国的なコメ不足の課題解決にもつなげていく方針です。

【参考】タイミー、精米工場への支援策としてサービス利用料無料の取り組みを開始

自治体との包括連携協定

2025年7月1日時点では25都道府県51自治体と提携しています。また商工会議所との連携も進んでおり、日本全国に「タイミー」が広がっています。

出典元:株式会社タイミー

ディップ株式会社|スポットバイトル

2025年2月期第4四半期決算からは、スポットバイトルの売上・利益についての具体的な数値は公表されていません。ただし、質疑応答集には以下のような発言が記載されています。

スポットバイトルへの先行投資の期間と、利益が創出されるタイミングについて教えてほしい
先行投資の期間は 2027年2月期までを予定し、利益の創出は2028年2月期以降になると考えている
スポットバイトルのプロモーション費用について教えてほしい
2026年2月期の広告宣伝費が28億円増加している内訳の大半は、スポットバイトルのプロモーション費用である

【参考】2025 年2月期 第 4 四半期及び通期決算説明会 質疑応答集

シェアフル株式会社|シェアフル

パーソルグループの決算からはシェアフルの売上・利益についての具体的な数値は公表されていません。ただし、質疑応答集には以下のような発言が記載されています。

シェアフルへの投資期間の見通しは?
シェアフルのマーケティング投資はFY2025は続くと想定している一方で、FY2024ある程度マーケティング投資を行ったので、FY2025以降はトップラインの状況も見ながらマーケティング投資を拡大するのではなく、収益性を見ながらある程度コントロールしていきたいと考えている
登録者数など競合他社でも開示されているような、参考になる数字を教えて欲しい
前年対比で、FY2024はトップラインが60~70%伸びている。最大手と比べてまだ規模が小さいということもあり、FY2025の実績も見ながら適時は開示していきたい

【参考】2025 年 3 月期 決算説明会 質疑応答

株式会社メルカリ|メルカリ ハロ

2025年6月期第3四半期の決算からはメルカリ ハロの売上・利益についての具体的な数値は公表されていません。ただし、質疑応答集には以下のような発言が記載されています。

「メルカリ ハロ」について、3Qも10億円台半ばの投資が続いているが、加盟店手数料チャージ開始後の投資方針や規模感はどの程度を想定しているか。また加盟店手数料チャージに伴うグループへの貢献度についても教えてほしい
「メルカリ ハロ」は引き続き投資フェーズであり、加盟店手数料チャージが始まったものの、今後もパートナーとクルーの双方を拡大していく必要があることから継続的な投資を予定しており、投資水準や営業損失がすぐに縮小する想定はない。なお、グループ全体の業績に占める「メルカリ ハロ」のインパクトは限定的である

「メルカリ ハロ」は当面、投資フェーズが続くため赤字が継続する見込みです。一方で、グループ全体への影響はそれほど大きくないようです。

【参考】FY2025.6 3Q 質疑応答の要約

2025年の上半期、スポットワーク市場はどう動いた?

2025年上半期、スポットワークサービスはどのように進化したのでしょうか。いずれのサービスも会員数は順調に右肩上がりで増加しており、成長が続いています。

ユーザー体験の進化

各社のスポットワークは機能の強化やキャンペーン展開を通じて、ユーザー体験のさらなる向上を目指しています。ワーカーにとってはアプリの操作性向上や報酬面でのメリットが増え、企業にとっては管理や求人作成の効率化など、双方に嬉しい変化が広がっています。下記の表では、各社が取り組んでいる主な施策を時系列で簡潔にまとめています。

HRogのスポットワーク記事まとめ

HRog編集部では、2025年上半期もスポットワークに関するさまざまなニュースをお届けしてきました。中でも特に注目を集めたのは、「リクルートのスポットワーク開発中止」に関するニュースです。このニュースは人材業界内でも大きな話題となりました。

そのほか、HRog内で公開したスポットワーク関連の記事を以下にまとめています。サービスの最新動向や業界の変化をぜひチェックしてみてください!

まとめ

「スポットワーク」という柔軟な働き方は市場の拡大とともに広く浸透し、単なるスキマ時間活用にとどまらず、長期就業の選択肢としても注目されています。2025年上半期は地方活性化に向けた企業や自治体との連携強化や、他産業との新たな取り組みが増加し、スポットワークのあり方に変化の兆しが見えました。そして主要サービスは順調に会員数を伸ばし、ユーザー体験向上のため機能強化や支援策も積極的に展開しています。
HRog編集部は今後も最新の決算情報や現場動向をもとに、進化し続けるスポットワーク市場の「いま」をお伝えしていきます!