株式会社プレシャスパートナーズ
常務取締役 兼 COO
佐伯 昌哉氏
さえき・まさや/不動産会社に入社後、2008年に株式会社プレシャスパートナーズの立ち上げメンバーとして参画。設立後1万社以上の採用支援を手掛け、現在は常務取締役兼COO。
営業マンが面識のない採用担当からのSOSを受けるには、セルフブランディングが大事である。では、実際に求人広告ナビではどのような営業マンが多く問い合わせを受けているのだろうか? なんと求人広告ナビで求人を考えている企業から採用SOSを1番多く獲得した営業マンが所属する企業は、3年連続で同じだという。
その企業とは、株式会社プレシャスパートナーズだ。
2018年7月時点で54社の求人代理店・媒体社、620人の求人営業が掲載されている中、なぜプレシャスパートナーズの営業マンは問い合わせを多く獲得できるのか? その秘訣を常務取締役兼COOの佐伯昌哉氏に聞いた。
問い合わせ数1位のセルフブランディングの秘訣とは?
「お客様はその道の『プロ』に採用を任せたいはずです。であれば、それぞれエリアや業界などの得意分野を活かし、その道のプロということを伝えたほうが良い。そこでアピールポイントをガラっと変えたのです」
「求人広告ナビの原稿はそれぞれの営業が考え、作成しています。一人ひとり前職の経歴や得意分野を活かし、その業界やエリアのプロということをアピールできるようなキャッチコピーにこだわりました。また、具体的な数字を入れることも意識しました。
どんなに良い採用成功事例があったとしても、キャッチコピーが魅力的でないと見ていただくことはできません。なのでキャッチコピーには一人ひとりこだわっているんです」
現に、飲食店のクライアントから『飲食店の経験のある方に依頼をしたい』と前職の経歴を見て依頼が来るケースも多くあるようだ。営業マン自身の経歴やエリア、業界など、強みを絞り専門性をアピールすることが重要なようだ。
「私も以前美容業界に特化をし、専門用語などを盛り込んだアピールで多数の問い合わせをいただいていました。その際になぜ選んでいただけたのかを聞くと多くの方が『この人なら業界をちゃんと理解してアドバイスをくれそう』という理由で指名していただいていたようです」
「そして、不定期ではありますが社内で勉強会を開催し、お客様の課題を自分だったらどう解決できるのか、『自分』という武器をどのようにPRしていくのかを考える機会を設けていますね。また採用のトレンドは変わるからこそ、定期的に採用成功事例を求人広告ナビに反映し、新しい情報をお客様にお伝えできるようにしています」
経験を積んだベテラン営業は確かに武器を多く持つ。一方で経験が浅い新人営業はどのようにすれば問い合わせを獲得できるのだろうか?
「入社3ヶ月未満の社員はまだ実績もありませんので、まずはお客様の採用を実際に支援し、ようやく何社かのお客様の採用の結果が出始めてきたら求人広告ナビに掲載をするようにしています」
採用を支援して結果を出すために必要なこと
採用難のこの時代、採用を支援して結果を出すためには何が必要なのだろうか。
「近年、採用手法は多様化しています。以前は求人情報誌などが一般的でしたが、インターネット時代に入ってからは、求人サイトやSNSの活用、リファラル採用など採用における手法やツールが多く出てきています。 しかしどんな採用手法であっても、採用活動を行ううえで大切にしなければいけないことは、RJPではないでしょうか」
RJP…Realistic Job Previewの略。現実的な仕事情報の事前提供の意。職場や仕事の良い部分も課題点や厳しい部分も、入社前にできる限り正確に応募者に伝えるということ。
「私たちも求人広告を取り扱うなかで、設立当初はクライアント様への求人の応募数や面接数を1件でも増やすことに没頭していました。しかし『採用してもすぐ辞めてしまう』という課題を抱える企業が多くあり、年月を重ねるにつれて本当に“数”が大切なのだろうかと疑問を抱くようになったんです」
様々な調査や現場の声を集めてみるとそこには「雇用のミスマッチ」が起きていたのだ。
「その瞬間、応募や面接の数を集めるのではなく、応募者が1人だけだったとしても、その応募者が10年、20年後、さらに定年まで働き続けていくマッチングこそが究極の採用支援だと悟りました。”求職者が良いイメージを抱く情報”だけでなく、企業の課題点や厳しい部分もお伝えし、本当に働きたい人からの応募を獲得することが、これからの採用活動の中で必要ではないかと思います」
セルフブランディング、そして選ばれ続ける企業へ
「求人広告ナビでお問い合わせをいただくのは、採用に対してSOSがあるからでしょう。だからこそお客様がすぐにSOSを出したくなるよう、業界やエリアのプロを輩出し、採用成功に導きたいと思います」
「しかし、お問い合わせをいただいても弊社が『掲載する必要がない』『掲載するべきではない』と判断した場合、弊社は求人広告の掲載をオススメしません。求人広告を掲載するのがゴールではなく、“採用”がゴールですから。『御社のおかげで求人広告を掲載しなくてよくなった』と言われるのが究極の理想ですね」
「だからこそ1社でも多くの企業の採用を支援していきたい。今後も選ばれるだけではなく、お客様の課題に真摯に向き合い、選ばれ続ける企業を目指し、雇用のミスマッチのない採用市場の実現をしていきたいと思います」
(HRog編集部)