株式会社POL
執行役員 人事・広報責任者
渡辺 晋次 氏
わたなべ・しんじ/同志社大学大学院にて人工血液をテーマにした研究に従事。その経験から研究関連の領域の課題を強く感じ、POLのミッション・ビジョンに共感して2番目の社員としてジョイン。前職リクルートでは新規事業開発を担当、現在POLでは執行役員兼、人事・広報責任者を務める。
テクノロジーに関する技術や知識の深さが企業の競争優位性に大きな影響を与える昨今、優秀な理系学生への採用熱はさらに高まってきている。しかし、研究で忙しい理系学生に対してどのようにすればアプローチができるのか、悩んでいる人事も多いのではないだろうか。
今回はそんな理系学生の就活動向とアプローチ方法について、理系学生特化型のダイレクトリクルーティングツール「LabBase」を提供する株式会社POLの渡辺氏に話を伺った。
理系学生はどんな就活をする?
渡辺氏によると、理系学生の研究の繁忙期は3月と9月に集中しているという。
「上記のグラフはLabBaseに登録する理系学生が所属する学会の開催時期の推移を表したグラフです。ご覧頂いてわかるように、3月と9月に学会の時期が集中しています」
「理系学生は基本的に研究で忙しいのですが、特に上記の時期は学会と重なり就職活動には時間が割けません。なので理系学生の採用を行う企業の人事の方には、この時期をできるだけ避けながら学生へアプローチすることをおすすめしています」
「また、上記のグラフはLabBase利用学生300人に対して取ったアンケートの一部です。選考に参加する企業数を学生に対して伺ったものですが、全体の1/3以上の学生が5社以下の企業にしかエントリーしないことがわかります。この数は、文系学生に比べるとかなり少ないのではないでしょうか?」
「また、LabBaseに登録する理系学生が就職先に求めることのなかで『自身の研究やスキルが活かせること』を求める学生が多いこともわかっています。このことから、理系学生は、自身の研究やスキルに基づいて選考に参加する企業を選んでいることがわかります」
それでは、自社の業種とは異なる研究分野の学生を採用したい企業はどうすればよいのだろうか。
「全ての学生が『自分の研究分野に関わる企業にしか就職したくない』というわけではありません。実際に、機械系や電気系の学生が化学系のメーカーへ、化学や生物系の学生がIT系の企業へといったように、研究分野が異なる業種に就職する学生もいます。また、そもそも研究職から離れてコンサルタントに興味を持つ学生も数多くいます」
「採用担当者様にとって大切なことは、理系学生が頑張ってきた研究という経験が自社の仕事でどのように繋がるのかを伝えること。そして『だからこそオファーを出したのだ』という熱意を伝えることです」
理系学生にアプローチする最適なタイミングは?
「理系学生にアプローチすべきタイミングは採用活動の前半です。たとえば、サマーインターンやウィンターインターンを実施したり、秋の時期にもカジュアル面談をおこなったりなど、採用活動の前半で母集団をしっかり形成することがとても大切になります」
「理系学生は普段から研究活動が忙しく、ピンポイントで就活熱が高まる時期があまりありません。また現在の解禁日の3月を迎えると、学生側は新規の企業探しをほとんど行わずに、既に知っている企業の中からエントリーする企業を選び始めます」
そのため企業は、学生の研究スケジュールに合わせて早めに接触した上で、学生のエントリー企業の候補に入る必要があるという。
「学会が忙しくなる3月ごろから接触をしはじめても、学生は就活に時間が割けません。そして4月以降には、すでにエントリーする企業を決めている学生が多いです。なのでその時期から接触をはじめようとしても、学生と接触できない企業が多くなります。インターンといった大掛かりなものでなくても、カジュアル面談やWEB面談などを導入して、まずは早期接触の機会を作るのが効果的です」
理系学生に効率的にアプローチできる『LabBase』概要はコチラ
(HRog編集部)