【新卒MVP×リーダー対談】成長が変化を生み、次の挑戦への推進力となる【キャリアデザインセンター編:後編】

株式会社キャリアデザインセンター
type転職エージェント TJS事業部 TTAグループ 営業統括局
メーカー部 部長 亀田 享佑(画像左)
かめだ・きょうすけ/2009年入社/大阪府立大学生命環境科学部緑地環境科学専攻
大阪府出身。学生時代は環境活動に従事。人の転機に立ち、ポジティブな影響を与えるため人材業界を志望。二児の父。

株式会社キャリアデザインセンター
type転職エージェント TJS事業部 TTAグループ 営業統括局
チーフ 藤井 拓海(画像右)
ふじい・たくみ/2023年入社/東京農業大学国際食料情報学部卒業
東京都町田市出身。幼稚園時代からサッカーをしており、現在も社会人チームに所属している。大学では体育会の部活に所属し人生の大半をサッカー漬けで過ごしてきた。キャリアデザインセンターに入社後は人材紹介の企業担当として従事。

日々の堅実な積み重ねの結果が新卒MVP受賞につながった

改めて、2023年度の新人MVPの表彰式を藤井さんに振り返ってもらいました。

1年目から高い視座を持ちポテンシャルを発揮していた藤井さんですが、入社当初からしばらくの間は新卒MVP受賞を意識していなかったといいます。

学生時代の藤井さん(写真右)

藤井さん「入社当初は、新卒MVPを意識しないようにしていました。先輩から『自分の目標だけを追ったり同期の数字を気にしたりするのではなく、もっと高い目標や活躍している先輩を目指そう』と言われていたこともあり、あえて意識しないようにしていたんです」

そんな藤井さんの意識に変化が訪れたのは、企業のハイクラス採用支援に関わったことがきっかけだったといいます。

藤井さん「僕がメインで担当している企業様の1社から、新しい事業部を立ち上げるために年収1000万円ほどのハイクラス人材を何名か採用したいというご相談をいただきました。ハイクラスの方の転職は基本的に選考フローが長く、内定承諾までに2〜3か月かかることもあります。そのため、長期的に企業様と伴走しながら、丁寧に採用支援を行ってきました。

そうして企業様へご紹介を続けていくうちに、ちょうど10月〜11月にかけて次々と成約につながりました。そこで自分の経験も少しずつ軌道に乗ってきて、売上目標を安定して達成できるようになったんですよね。

そこで初めて、『新卒の中で1番になりたい』という気持ちが芽生え、『新卒MVP』を明確に意識するようになりました。今振り返ると、このハイクラス採用支援の経験が自分にとって大きなターニングポイントになったと感じています」

藤井さんは現在でもこの企業様を担当した経験が日々の業務に活かされているといいます。
具体的にどのような経験が「軌道に乗ってきた」と感じさせたのでしょうか。

藤井さん「新しい事業部とは、企業を改革していく部隊でした。そのため、どのような情報を集めて訴求するのかを慎重に考える必要がありました。企業の社風や歴史、新しい組織を立ち上げた背景、現状の課題に対して挑戦できる環境であること。これらを候補者様にどう伝えれば『面白そう』『自分の能力を活かして働きたい』と思ってもらえるかを考え抜いた結果、成約につながったと思います」

亀田さん「このレベルの粒度や深さを1年目で求められるとなると、基準が自然と高くなりますよね。どんな情報が必要なのか、どこまで掘り下げるべきなのか、藤井くん自身が高いレベルで考えながら取り組んできたことで、他の企業様への提案や対応にも応用できるようになっていました。

その結果、情報の密度が上がったりコミュニケーションの質が深まったりと、より高い基準で仕事を進める意識が自然と身についていたと思います。そうした姿勢が、気づけば周囲にもいい影響を与えていましたね」

企業様の採用課題の成功に向き合うことが重要

藤井さん「『新卒MVP』を意識し始めてからも、正直、行動自体を大きく変えたわけではありません。

僕たちは【候補者様の転職成功】と【企業様の採用成功】という2つの達成に向けて価値を提供し続けることが何より大切であり、それを積み重ねていけば、おのずと結果はついてくるものだと思っています。

もちろん、営業なのでKPIや売上目標を達成するために負うべき数字は当然あります。しかし本当に成果を上げるためには、数字だけを追うのではなく、【企業様の採用課題の成功】にきちんと向き合うことが重要だと考えています。そのため、企業様としっかり接点を持ち、生の声を聞きながら本当に必要な情報を得ることを意識してきました。

そして、僕自身が常に挑戦を続けながら、候補者様と企業様を支援し続けることができていれば、その努力が成果につながり、結果として『新卒MVP』につながるのだと考えていました」

このように非常に視座を高く持っている藤井さんですが、彼のメンターポジションの先輩がさらにその視座を高く引き上げたといいます。

亀田さん「藤井くんはもともと意識が高かったのですが、それをさらに引き上げたのが、藤井くんと同じくプロスポーツ選手を目指していたメンターの先輩でした。藤井くんがメンターの先輩に食らいつきながら、『追い越していくぞ!』という気持ちを持って先輩と二人三脚でやり切っていたことに成長を感じましたね。

当たり前の基準を常に高く持ち続けること。そしてそれを習慣化すること。これって苦手な人もいると思うんですよ。それでも藤井くんは苦に思わずに『そうですよね』と納得した上で行動していたのが良かったと思います」

藤井さんの挑戦を支えた亀田さんのサポートとは

藤井さんの成長を見守ってきた亀田さんは、部長兼課長としてチーム育成をどのように捉え、サポートをしているのでしょうか。

これまでの16年間のキャリアの中で、亀田さんが実際に経験して効果的だと感じたメンバーへのサポート方法や、コミュニケーション・フィードバックの工夫について伺いました。

亀田さん「人によって特性が異なるので、“これが正解”という育成方針やサポートの形はないと思っています。藤井くんのようにつねに高いパフォーマンスを目指し自走できるメンバーもいれば、ペースはゆっくりでも一歩一歩、併走しながら進むメンバーもいます。だからこそ、それぞれを見極めたうえで、強みを伸ばし、弱みを補いながらその人の力を高めていくことを意識しています。

ハイパフォーマーは自分でゴールに向かって進んでいけるので、細かく指示していくよりも、ある程度本人に任せて支援していくことが大切だと考えています。さまざまな経験をしてもらい、成功体験を積み重ねてもらうことを意識しています。藤井くんの場合は、彼自身の中にあるエンジンにほんの少しギアを入れるサポートをしたまでです。
一方でペースがゆるやかな人には伴走しながら、『これできるようになったね』『ちゃんとできてるよ!』といった声かけをする。人に合わせたサポートが大事なんです。そのためにも、自分自身も時代に合わせてアップデートを続けていく必要があると思っています」

リーダーならではの悩み

キャリアを重ねるにつれて、自分とは異なる考えを持つ若手メンバーと接する機会も増えてきます。

その中で、「なぜあんな発言をしたのだろう?」「何を考えているのか分からない」と悩む場面も少なくありません。こうしたとき、どのようにコミュニケーションを取るべきか、亀田さんは2つのポイントがあると話します。

1つ目:相手の価値観や、仕事に対する考え・展望をしっかり傾聴し理解した上で、組織の中で求められる役割や行動を伝える

亀田さん「どんな価値観を持っている人に対しても、組織として果たすべき役割や行動を求めていきます。そのうえで、そのメンバーが『なぜこの会社を選んだのか』『どんな目標を持っているのか』を理解した上で、日々の行動の指示に加え、メンバーのキャリアの方向性も一緒に考えています」

2つ目:自分自身をまだ未完成であると捉え、変化を受け入れ学び続ける意識を持つ

亀田さん「メンバーの価値観や考え方を理解し寄り添うためには、自分自身も学び続ける姿勢が欠かせません。たとえば1on1では雑談の中で相手が何を大事にしているのかを理解し、『どうすれば成長していくのか』にしっかり向き合うこと。

そして人生には正解がなく、選んだものを正解にしていくことが求められます。メンバーが今どのような状況にいて、これからどうしていきたいのかを共に考えながら、柔軟に支えていく意識が必要です。組織も個人もつねに変化しているからこそ、『自分もまだ完成していない』という謙虚さを持ちながら、一緒に成長していく姿勢が求められていくと思います」

そうした考えに至るまでには、多くの学びや失敗があったと語る亀田さん。中でも特に大きな経験となったのが、あるチームの“解散”でした。

亀田さん 「実は過去に1つのチームを畳んだ経験があります。ある業種に特化したキャリアアドバイザーのチームを作ったのですが、最終的には解体となってしまいました。単純に成果を出せなかったんですよね。期待に応えられず、チームを解散せざるを得なかった悔しさは、今まで経験してきたさまざまな失敗の中でも特に大きなものでした。ただ、その経験から得た学びはとても大きかったです。

1つのチーム・組織がなくなるということは、そこに関わる人のキャリアが大きく変わってしまうということです。だからこそ、メンバーに同じ悔しさを味わわせたくない。日々メンバーがどのように行動しているかを丁寧に見守り、必要に応じて適切なアクションを促すことの重要性を、身をもって実感しました」

1年を一言で振り返る

最後に、亀田さんと藤井さんに1年を振り返ってもらいました。

藤井さん「新卒1年目は社会人としてというよりも、人としての成長を実感しました。

繰り返しになりますが、僕は幼稚園の頃からずっとサッカーを続けていて、長年を慣れ親しんだコミュニティで過ごしてきました。戦友であり友達でもあるような人間関係の中、熱量の高さ故に、言い合いになり、感情的な言葉が飛び交うことも少なくありませんでした。似たような価値観や喜びを共有する仲間内では、何でも言い合える関係が当たり前。ただこうした環境は社会では当たり前ではないため、相手の気持ちを考えたり、発言の意図をくみ取ったりすることは得意とは言えなかったんです。

だからこそ、入社1年目で自分自身の課題と向き合い『人として当たり前』の側面がすごく成長したと思います。

そして、2025年からはチーフを任せていただくことになりました。今後も『勝てるチーム・組織』で成果を出し続けていきたいですし、主任・課長・部長と、最短での昇格を目指していきたいと思っています」

亀田さんはこの1年を振り返りながら、これからどんな自分を目指していくのか、その展望を語ってくれました。

亀田さん「成長に終わりはないということですね。僕も自分で天井を決めず、まだまだ上を目指さなければいけないなと感じています。

僕は娘2人を育てる二児の父で、今は17時までの時短勤務です。限られた時間でメンバーのマネジメントをする中で、これまでのやり方をそのまま踏襲していても、何も変わらないということを痛感しました。家庭環境もチーム環境も日々変化しているからこそ、自分自身も常に変化し続ける必要がある。『今何を学ぶべきか』『どこに時間を投資すべきか』を日々考えながら業務に取り組んでいます。

社内制度の話で言えば、弊社には福利厚生のひとつとして『GO(がんばるお母さん・お父さん)制度』があります。ただ、僕のようなシングルファザーかつ時短勤務というモデルケースは、まだあまり前例がありません。

だからこそ、僕自身がブルドーザーのように変化を楽しみながら、新しい道を切り開いていきたいと思っています。ネガティブに捉えても何も生まれませんし、過去は変えられない。だからこそ、未来を変えて正解にしていくしかないんです」

そんな亀田さんは、「後輩の成長する姿から自分も鼓舞されている」と話します。

亀田さん「上の成長が止まってしまうと、後輩が成長してきたときに学びがなくなり『うちのチームにいる意味ってあるのかな?』と感じさせてしまいます。

年々、後輩に提供できることが減ってきてしまうと、自分がもう限界なのかなと思ってしまうこともありますが、そう感じているうちはまだまだ伸びしろがある証拠。上司として、成長を止めない姿勢を見せることが、後輩の成長を支えることに繋がると考えています。つねに自分の限界を引き上げ続けることは簡単ではないですが、それこそが日々のやりがいや面白さでもありますね。

そして今後は、7人という小さなチームだからこそ、各メンバーの能力を高めながら、それぞれがキャリアの選択肢を増やしていけるようなサポートをしていきたいと思っています。メンバーそれぞれが自分のキャリアにおける選択肢を広げていけるように、みんなで力を合わせて一人ひとりの可能性を広げていけるようなチームを目指していきたいと思っています」

まとめ

新卒1年目でMVPを受賞し、現在は3年目にしてチーフを務める藤井さんと、その成長を支えてきた亀田さん。

藤井さんは、「人としての成長」を実感しながら、チーフとしてさらなるステップを目指しています。一方の亀田さんは、多様な価値観に向き合いながらメンバーの強みを引き出し、自身の失敗から得た学びをチームに還元。

互いに刺激を与え合いながら成長し続ける姿勢が印象的な取材となりました。