
株式会社ミライル
採用コンサルティング事業部 事業部長
山下 有人 氏(画像・右)
やました・ゆうと/CRGホールディングス株式会社のグループ会社へ入社後、中核事業である人材派遣・人材紹介事業において、集客を担う広告戦略責任者に着任。年額数億円の広告戦略で培った知見をもとに、2020年10月より企業の採用担当者を支援する採用支援事業を立ち上げる。現在は、採用担当者と同じ運用現場の視点から、採用課題に対する戦略立案や実行支援を行っている。
株式会社フロッグ
取締役
水野 純(画像・左)
みずの・じゅん/2015年大学卒業後、WEB制作、求人広告、CRM/SFAなどの領域で営業やマネジメントを経験し、2022年4月にフロッグへジョイン。営業責任者として社内のチームを横断した新規営業、カスタマーサクセス、営業企画領域を歴任。2025年4月より執行役員を務め、2026年1月より現職。
2026年5月13日から15日にかけて開催された「人材不足・人手不足対策EXPO[PEREX]」では、株式会社フロッグと株式会社ミライルが共同出展しました。
最終日の特別講演には、株式会社ミライル 採用コンサルティング事業部事業部長の山下氏と株式会社フロッグ取締役の水野が登壇。
フロッグが保有する求人データを基に求人市場の動向や採用活動における課題を整理しながら、採用成功につながる現状分析のポイントや、データをもとに最適な一手を導き出す方法について語りました。この記事では、その様子をレポートします。
転職求人倍率は約3倍!採用難易度は上昇傾向

水野「現在、厚労省が発表している有効求人倍率はおよそ1倍で、求人と求職者の割合がちょうどいいと言われています。しかし、今はハローワークを利用する人が減っているため、実態は少し違います。例えばdodaのデータでは、転職求人倍率が2.5倍から3倍くらいで推移しているんですね。
求職者1人を3つの求人で取り合うとなると、当然採用の難易度は高いです。特にエンジニアは、12倍といった非常に高い数値です。以前のように、媒体に求人を載せて待っていれば人が来る時代は終わっています。
成功報酬型サービスの活用が増えているのも、その裏返しだと思います。ダイレクトリクルーティングや人材紹介に軸足を移す企業が増えており、採用単価は上がり続けています。これが今の現実です」
山下「確かに、採用単価の高騰は深刻ですよね。うちも人材会社として肌で感じています。紹介費用もどんどん上がっていますし、求人媒体に掲載しても『応募はあっても、ミスマッチで採用できない』というケースも増えていると感じています」
2年でコンビニ業界の採用手法が急速に多様化
水野「採用難易度が上昇するだけではなく、採用チャネルの多様化も重要なポイントです。弊社が提供している『HRogチャート』を用いて、コンビニ大手各社の求人について出稿先の変化を見ていきましょう」

水野「最初は、セブン‐イレブンです。2年前は、9割以上の求人を『タウンワーク』などのリクルート系の媒体に出稿していました。しかし今は、『マイナビバイト』が5割くらいです」
山下「2年前ってそこまで昔じゃないですし、その間、採用手法が変わっていない企業さんも多いですよね。なのでこの例は、短期間でめちゃくちゃ変わっているなという印象です」
水野「このグラフにはスポットバイトやオウンドメディアなどのデータが入っていないので、もしかしたらそちらに投資している可能性もありますね」

水野「ファミリーマートは、今は7割以上がディップ系の媒体です」
山下「求人の仕事内容はあまり変わらないのに、出稿する先が全然違うんですね」
水野「そうですね。ローソンの出稿先も変化しています。2年前も今も幅広い媒体に出稿していますが、今は『求人ボックス』が一番多くなっています」

水野「このように、大手3社でも出稿先は全然違うんです。2年前は『タウンワーク』が一番応募が来ると考えている企業が多かった印象です。しかし、2025年に『タウンワーク』が『Indeed PLUS』と連携するようになってから運用方法も大きく変わり、はっきりとした成功パターンがなくなってしまった会社さんも多いのではないでしょうか」
「やることが多すぎる」採用担当者を取り巻く複雑さ
水野「加えて、今の時代、人事のやることってめちゃくちゃ多くないですか?母集団形成だけでなく、オウンドメディア、口コミ対策、ATS、入社後活躍、離職者分析まで、考慮すべき項目は増えています。こちらの図を見ると、やることがどれだけ多いか一目瞭然です」

山下「やることも多いし、比較すべきサービスもたくさんありますね。同じサービスのくくりの中でも何が違うのかを比較検討する必要があり、コストも上がっていて、情報量が本当に多いです」
水野「展示会などで情報収集している方も多いと思いますが、完全にキャッチアップするのはかなり難しそうです」
採用企業と支援会社の間にある「情報の非対称性」
水野「採用施策を考えるうえでネックになるのが、情報の非対称性です。まとめると、次のようになります」

水野「基本的には、採用企業は自社の過去データしか持っていません。一方で採用支援会社はいろいろな企業への支援を通して、膨大な加工データを持っています。そのため、外の市場情報は、どうしても支援会社経由で仕入れることになりやすい。採用活動が上手くいかないときも支援会社のアドバイスに頼らざるを得ず、なかなか抜本的な改善ができないケースが多いと思います」
山下「私自身、長年採用担当をしていましたが、『いつもの発注先に相談して発注する』という流れが日常業務になっていると感じています。新しいサービスを試そうにも、上司が最新動向をキャッチアップできていなければ説得も難しいですし、サービス自体がどんどん複雑になっているので比較検討しにくいのが現状です」
真の採用課題を理解するには、市場データの分析が欠かせない
水野「自社データだけでは見えない部分を補うには、市場データの活用が有効です。
弊社が分析したコンビニ大手各社の時給推移データをもとに、実際にどのような課題があるのか見ていきましょう」

水野「基本的にはファミリーマートが最も安く、セブン‐イレブンが最も高いという傾向があります。ただ、ローソンの方がセブン‐イレブンより高くなるタイミングもありますね」
山下「でも時給上がる時は、一緒に上がっていますね」
水野「そうなんです。最低賃金の改定が行われた後に、全国一斉に引き上げるケースが多いです」
水野「さらにこのデータをマップに落とし込むと、例えば東京と千葉の県境の時給がどのような状況なのかも、一目でわかります」

水野「セブン‐イレブンのデータで見ると、千葉県の店舗が時給1,140円に対して、東京都の店舗の時給は1,226円と、86円も違うことが分かります。最低賃金で募集している店舗が多く、それぞれの地域の最低賃金の差がダイレクトに反映されている印象です」
山下「それだと、みんな東京で働きますよね」
水野「そうなんです。千葉県側の店舗で応募が集まらない場合、隣の駅にもっと高い求人があることが原因かもしれません」
山下「セブン‐イレブンだけじゃなくて、ファミリーマートやローソンも含めて考えると、さらに競争が激しそうです」
水野「ですので自社のデータだけ見ていても、本当の課題は分からないんです。弊社では時給だけでなく、求人原稿も分析しています」

水野「例えばローソンは、お客様から『ありがとう』と言われるやりがいを打ち出しています。福利厚生や未経験歓迎など、訴求ポイントもそれぞれ違います」
山下「時給だけじゃなくて、求人の見せ方も重要ということですね」
水野「そうです。競合に負けている理由を探そうと思ったら、分析すべきポイントはたくさんあります」
AIが採用課題を整理し、最適な一手を提案する

山下「弊社ではこうした課題の整理を、もっと採用担当者自身でやりやすくなればという想いから、2026年6月15日に採用支援プラットフォーム『HRaris(ホラリス)』をリリース予定です。(※本記事の公開時点ではリリース済み)
私自身、採用責任者だった頃は、応募数や採用数を追っていましたが、それ以外はExcelをひたすら触りながら管理していました。複数店舗や複数職種を抱えていると、データ管理だけでも本当に大変で」
水野「過去データを入れ続けるとExcelが重くなる、という話もよく聞きますね」
山下「ありましたね(笑)。しかも、自分はデータを理解していても現場は分かっていないこともあります。数字を共有して説明しても上手く伝わらないケースも少なくありません。
HRarisでは、最初に採用データをクラウド上で見える化します。Excelのデータを入れるだけで、状況を整理できる仕組みです」

山下「さらに、数字が見えるようになっても何をすればいいか分からないケースもあるので、AIコンシェルジュ『星乃ありす(ほしのありす)』を搭載しました。このAIには、フロッグの市場データも組み込まれています。自社データと市場データの両方を見ながら採用課題を言語化し、最適な施策を提案します」

水野「ChatGPTなどの汎用AIにも質問はできますが、その会社の状況や市場データを理解して回答しているわけではないですもんね」
山下「おっしゃる通りです。その点『HRaris』は、採用支援に特化したAIエージェントだと思っていただければと思います。
加えて、採用課題を持つ企業と採用支援サービスをつなぐ仕組みも整えています。自社サービスだけを提案するわけではなく、課題に合うのであれば他社サービスもご紹介します。企業にとって本当に必要な一手を、フラットな立場で一緒に考えていくイメージです。
成果報酬型のモデルのため、分析もAIによる施策提案も無料で、企業側の負担はありません」
水野「課題の整理からサービス選びまでワンストップで対応できるのは、やることの多い採用企業にとってはありがたいですね。HRarisには当社の求人データも組み込まれていますので、皆さんも市場感や採用課題について、ぜひ相談してみていただければと思います」

当日ご視聴いただいた皆さま、また期間中ブースにお越しいただいた皆さま、ありがとうございました!
「HRaris」について

HRarisは株式会社ミライルが提供する、採用分析×課題解決一体型のプラットフォームです。求人媒体やATSなどのデータを統合し、応募単価や選考歩留まり等を可視化するとともに、課題に応じた施策検討やHRソリューションとの出会いを支援します。
基本月額無料・初期費用無料で利用開始いただけますので、是非一度お試しください。
「HRogシリーズ」について

株式会社フロッグでは国内150以上のサイトから収集した40億件以上の求人ビッグデータをもとに、さまざまな形で人材企業・採用企業の意思決定を支援しています。
周辺エリアの時給相場を視覚的に確認できる「HRogマップ」のほか、求人数・平均給与・出稿金額など様々な切り口で簡単に市場分析ができる「HRogチャート」、用途によって柔軟なカスタマイズが可能な「HRogリスト」などを提供しています。
(執筆:川瀬ゆう)

