【HRog10周年】採用からタレント・アクイジションへ TalentXが挑む次の変革(X)

株式会社TalentX
代表取締役社長CEO
鈴木貴史 氏
すずき・たかふみ/起業家。日本の『リファラル採用』第一人者。大手企業を中心に800社、70万名が利用する採用マーケティングSaaSを運営。2015年、日本の採用の在り方に課題を感じ、TalentXを創業。2019年、経済産業省後援「第4回HRテクノロジー大賞」採用部門賞、日本の人事部「HR Award2019」を受賞。2021年、東洋経済「すごいベンチャー100」に選出。著書に『 戦わない採用』。

HRog10周年特集

2023年11月6日、「HRog」は10周年を迎えます。「人材業界の一歩先を照らすメディア」として、anのサービス終了やIndeedの登場、コロナショックなど10年間人材業界の動向を追い続けてきたHRog。これからの10年はいったいどんな時代になるのでしょうか?今回はメディア・紹介・派遣・HRTechなど各領域の注目企業や人材業界の有識者にインタビュー。この10年間が業界や自社にとってどんな10年だったか、そしてこれからの10年間で何を成し遂げたいか伺います。

今回は株式会社TalentXの鈴木氏に、創業から今までの歩みとこれから挑戦したいことについて話を伺いました。

0からの市場創出を経て、日本の採用に変革(X)を起こす

2015年に創業したTalentX(旧:MyRefer)は、「創業以来、採用マーケティングを通して採用市場の変革を目指すことに取り組んできた」といいます。

「長年人材業界で働く中で、採用市場は企業同士・求職者同士のアピール合戦になっており、雇用の最適配置が起こらないという課題を感じていました。そんなマッチングの非合理を解決したいという思いで、創業時には『MyRefer』というリファラル採用のサービスを、その後は『MyRefer Alumni』というサービスを展開しています。採用競合と戦って疲弊するのではなく、今いる社員や卒業生とのつながりを活かす『戦わない採用』を実現できるサービスを作ってきました」

しかし、創業当時は「リファラル採用」や「アルムナイ」という言葉が世の中に普及していない時代でした。鈴木氏は「0から市場を作ることに非常に苦労した」と当時を振り返ります。

「大企業にターゲットを絞ってリファラル採用やアルムナイの啓蒙活動に取り組んできました。地道に普及活動に取り組んだ結果、2015年時点でリファラル採用を実践している企業は約10%だったのが、2020年には3倍以上の70%にまで拡大しました」

順調にサービスを拡大し、2022年2月に採用MA(マーケティングオートメーション)サービス「MyTalent」をリリース、2023年2月には株式会社MyReferから株式会社TalentXへの商号変更などを行いました。TalentXのXには『変革』の意味が込められており、その商号はタレントの獲得と活躍を通じて日本の採用に変革を起こす集団としての決意を表しています。

これまで、まさに変革に挑戦し続けてきた同社。他方で採用市場の10年を俯瞰してみると、「多様化と効率化が進んだ10年だった」と鈴木氏は語ります。

「求職者の志向が多様化し、採用手法も媒体とエージェント頼りから、ダイレクトリクルーティングやオウンドメディア、リファラル、タレントプールなど大きく選択肢が増えました。一方で、企業の業務プロセスはATSなどにより効率化され、アナログからデジタルへの移行が進みましたね。この辺りが人材業界における直近10年の象徴的な変化ではないでしょうか」

これからの10年で採用の常識を塗り替えたい

そしてこれから先の10年、採用市場では「個別化と自動化の流れが進行する」といいます。

「個人の転職志向が多様化するだけでなく、志向性そのものが多様化していくと考えています。多様化が当たり前になることで、個々の求職者に合わせてパーソナライズされた採用マーケティングを自動で行うようになるでしょう」

その変化を踏まえて、TalentXの今後の展望として「採用という概念を『タレント・アクイジョン』『マーケティング』というものに塗り替え、HRの歴史を塗り替えたい」と鈴木氏は語ります。

「今まで作られてきた採用のマッチングモデルの常識を、この10年で変えていきたいですね。そのためにTalentXでは、事業開発と組織強化に力を入れています。

事業開発面では、現在展開している『MyRefer』『MyTalent』などに加え、新たに採用ブランディングを促進できるサービスを開発中です。今後も年に1つ~2つのサービスリリースを行い、『Myシリーズ』を充実させていければと思っています」

そして鈴木氏は、これらを実現するために必要不可欠なのが、組織全体での「イノベーション(変革)&エグゼキューション(実行)」の強化だと述べました。

「TalentXは単一プロダクトで勝負するのではなく、複数プロダクトを合わせて利用いただくことで相乗効果を生み出す『コンパウンドスタートアップ』を志向しています。そしてこれを実現するには、イノベーション(変革)を起こすだけにとどまらず、それらをどう世の中に認知させ普及させるかというエグゼキューション(実行)を同時に推し進める必要があります。やはり新規事業の創出とマーケティング・営業はセットで考えないと、上手く前進できません。HRを変革するために、この2つの力を持った人材を幅広く集めたいですね。

ですので、業界の方には気軽にTalentXの門を叩いてほしいと考えています。人材業界で活躍する人ほど、業界の課題や先行きが気になっているのではないでしょうか。TalentXには、それを解決するための何かを生み出す土壌があります。この30年間大きな変化のないHR市場を、自分の手でひっくり返しにいきたいという大きな野心を持っている方と、ぜひお会いできると嬉しいです。TalentXでは毎月オフィスパーティーもやっているので、気軽に遊びに来てください!」

(ライター:鈴木智華)

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