令和の求人開拓PUSH型営業 成功ノウハウ習得ウェビナー【ウェビナーレポート・2月9日開催】

(右)登壇者:株式会社営業ハック
代表取締役社長
笹田 裕嗣 氏
ささだ・ひろし/2011年武蔵大学経済学部卒業、株式会社綜合キャリアグループへ入社。採用、研修、管理システム、媒体など幅広く提案し、入社1年目で社内トップとなる。その後社内ベンチャーを立ち上げ、ネオキャリアに転職。2015年に営業フリーランスとして独立し、2018年に「営業の悩みを0にする」をビジョンに営業ハックを設立し、現在に至る。

(左)登壇者:株式会社フロッグ
代表取締役 /HRog編集長
菊池 健生
きくち・たけお/2009年大阪府立大学工学部卒業、株式会社キャリアデザインセンターへ入社。転職メディア事業にて法人営業、営業企画、プロダクトマネジャー、編集長を経験し、新卒メディア事業のマーケティングを経て、2017年ゴーリストへジョイン。人材業界の一歩先を照らすメディア「HRog」の編集長を務め、2019年より取締役、2021年より株式会社フロッグ代表取締役に就任。

新型コロナウィルスの影響による営業不振を受け、業績回復の一手となる新規営業戦略をどのように構築するか悩んでいる営業の方も多いのではないでしょうか。

2021年2月9日に開催したHRog編集部主催ウェビナー「令和の求人開拓PUSH型営業 成功ノウハウ習得ウェビナー」では、株式会社営業ハックの笹田氏とHRog編集長の菊池が対談。人材業界・求人サービスを提供する企業におけるオンライン下での新規営業で必要な考え方について話を聞きました。

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不毛な戦いを避けるために絞り込んだ営業リストが重要

菊池「人材業界は、ここ最近右肩上がりで好調でした。しかし、昨年流行した新型コロナウィルスの影響で急激に業績が落ち込みました。売り上げが伸び悩む中『事業をどう伸ばすか』を考えたときに、業務の省力化や人的コストを含めたコスト圧縮に取り組もうとする企業が増えていると感じています。

しかし一方で、テレアポ先のリストアップのために営業担当が求人サイトの情報をコピー&ペーストで作成するなど、非効率な営業を続けている企業も多いという矛盾した状況もあります。実際、このような営業の非効率を課題に感じる企業から、どうしたらいいかと相談を受けることもありますね」

笹田「私の実感としても、従来の『不景気だから資金を使わない』という発想から『不景気だからこそ、少し資金を使ったとしても無駄をなくしていく』という発想にシフトしている企業が増えていますね」

菊池「またこの状況下でも、倒産のリスクが少ない企業では、営業におけるリストアップもできる限り自動化したいというニーズはあります」

笹田「私が人材派遣の営業をやっていたときは、営業リストに対して、営業をすればするほどリストが減っていく恐怖を感じていました。100件リストアップしても、100件電話を掛けたらまた1からリストアップし直さないといけないですからね。そう考えると、営業リストにおいてリスト数を確保できているかどうかという点は重要だと感じています。

ただ、リストの『数』を集めることだけに注力しても良い結果にはつながらないことも多いので注意が必要です。人材業界での新規営業では、リスト数を集めるという点に意識がいきがちですが、『今あるリストを確度の高いリストにする』ための絞り込みも大切です。具体的には、今あるリストの優先順位付けや取捨選択・ランク分けなど、リスト管理をきちんとすることが大切になります」

菊池「また、リストのアタック先に対してそれぞれどのように提案するのか、営業のイメージができている企業で絞り込んでいることも『良いリスト』の条件の一つだと思います」

笹田「確かに、しっかりとアプローチができる、その企業へ確実に貢献できるといった観点から逆算して設計したリストで営業ができると、自分の動き方が変わりそうですね」

菊池「営業は、多く電話をかけることが美学だと捉えられがちですが、営業担当者の立場で考えるとそのような営業のやり方は消耗すると思うんですよね。そのような場合でも、リストを絞ることで業務量を絞ることができる、戦略に基づいた営業活動が大切です。メンタルが折れてしまう人ほどリストの取捨選択をして、アタックする価値のあるリストを作成してほしいですね」

笹田「また、営業現場の課題として『アポが取れない』と感じている人が多いと思います。そんなとき『まずは営業トークを改善しよう』と考えがちですが、実はあまり意味がありません。というのも、どんなにいいトークをしたとしても、その商材のニーズがない企業やタイミングが合わない企業にはアポが取れないからです。

アポがとれないときにまず初めに取り組むべきなのは、確実にニーズがあるアプローチリストを作ってリストの質を高めることです。そのあとに営業のタイミングの改善、トークの改善と進めていく必要があります。一生懸命トークをしなくても確実にアポが取れる、自信を持って営業できるという相手に絞って営業していけるのが理想ですね」

売上ポテンシャルから逆算して営業リストを磨く

笹田「営業リストの作成に関して、リストにどこまでの項目を集めておくべきか悩む方もいると思いますが、菊池さんはどう考えますが?」

菊池「求人広告営業で言うと、採用ニーズのポテンシャルがある企業かどうかが分かる項目、という観点を軸に考えると良いかもしれません。例えば、年間1人しか採用しない企業に何回営業しても受注には繋がりにくいですよね。自分が過去に営業企画としてリストの精査を行っていた時には、採用枠の大きい企業を優先してアタックするために、月別の企業の出稿状況を情報として集めていました。

1月に求人を出しているところ、2月に出してるところ、3ヵ月の期間で見たときにすべての月で求人を出しているところ…というように、いつでも採用ニーズのある企業かどうかが分かる情報を貯めながら、それを元にリストを作成していましたね」

笹田「また営業リストあるあるとして、リストをいかに作成するかというところに目が行き、作成したリストの効果を分析するという観点は忘れがち、というものがあるかと思います。手元にある営業リストの効果を分析するためには、実際にどのような情報を残すと良いのでしょうか?」

菊池「担当者と会話できたか、商談が設定できたかなど、受注見込みを確認するための情報ですね。また担当者と話す中で、この企業ともし仮に取引できたとしたらどれくらいの売上規模の取引になりそうか、という売上ポテンシャルも分かるようなら記載しておきたいところです」

笹田「数をこなす営業に慣れきってしまうと、受注数の視点から物事を考えてしまい、売上金額の視点を忘れがちです。リストアップと同時に顧客の分析を進めることによって、アプローチの強弱をうまくつけながらメリハリのある営業活動をしていくことができそうです」

会社のやり方に従っているだけでは成果は出ない

菊池「また、営業という職種においては『会社から与えられたやり方に従っているだけでは成果は出ない』ということも頭に置いてほしいと思います。自社が用意してくれたリストに上から順にアプローチをし、自社でテンプレート化されている商談ロープレをそのままなぞる、というやり方では受注は生まれません。他の営業と差別化するためには、そのような基本を大事にしつつも、自分独自の創意工夫を営業活動に組み込むことが必要不可欠です。

そのような工夫をするためにも、『この顧客へなら貢献できる』『この顧客を幸せにしたい』という自分の得意領域を見つけて、その人たちに向けて営業方法を最適化することが大切だと思います」

笹田「数多くの営業担当がいる中では、みんなと同じことをやってもトップにはなれないということですね。突き抜けた営業成績を残すためには、自分なりの戦略も大切です。そのためにも『自分が幸せにできる顧客』をきちんと見定めていく必要があると感じます」

菊池「そうですね。とはいえ自分が得意なことだけやっていても自分が成長しないので、新しい領域へ自分の知見を広げていくことも重要ですね。もちろん初めての経験はうまくいかないことも多いと思いますが、自分の経験値を高めて新しい採用成功事例を作っていくことが、営業としての成長です。今、自分が貢献できるターゲットにきちんとアプローチすることと並行して、自分が貢献できる領域を増やす努力をしていってほしいですね」

オンライン営業の関係構築にはSNSを活用

笹田「新型コロナの影響から営業においてもオンライン化が進み、最近ではTwitterなどを利用した営業の方の発信も増えました。一方で、オンライン商談の悩みや課題感もまだまだ残っているのが現状です。私が一番の課題と感じるのが『オンライン商談では五感が使えない』ということです。その場の空気感や温度感を共有できないのが難しいと感じるポイントですね」

菊池「確かに、どうしても会話にラグが生まれやすいので、対面と比べて同じ空気を感じるのは難しいかもしれませんね。相槌のタイミング一つにしても、オフラインならば話と重なっても普通に会話を続けられますが、オンラインになると相手の会話が聞こえづらくなるということが起こったりします。

またオフラインの商談の場合、商談後にエレベーターまで歩く時間で会話ができますが、オンラインだとそれができません。そのようなこともあり、オンライン商談ではそのようなリラックスムードで会話できる時間をうまく作るための工夫として、商談の予定時間より5分早めにURLにアクセスをし、同じく早めに入ってきた人と会話できるようにしています」

笹田「確かに、商談前後のコミュニケーションの時間は大事ですよね。しかしオンライン商談だとそのようなコミュニケーションの時間はなかなか取りづらいです。オンライン商談では埋めづらいコミュニケーションの不足を埋めるために、TwitterやYouTubeなどのSNSがうまく活用できると思います。

実際に私はYouTubeで発信しているのですが、テレアポをすると『YouTubeをやっている人ですよね? 見たことあります!』という会話がきっかけで商談・成約に繋がることもあります。事前の関係構築に活用できる種まき活動として、情報発信をする重要性はこの状況下でさらに高まっていますね」

菊池「私個人としても、個人の発信は絶対にした方がいいと思っています。YouTubeやTwitterで自分の分身となる情報を発信することで、相手から問い合わせをいただく機会も増えたりしますからね」

笹田「そのような自分の分身をいかに増やすのかも鍵となりそうですね。ブログやTwitter、YouTubeなどさまざまな媒体からアップデートされた自分を社外に発信し続けることで、その情報は自分の資産として残り続けます。自分に合ったプラットフォームをぜひみなさんにも見つけてもらい発信していってもらいたいです」