新型コロナウイルスの蔓延、それに伴うリモートワーク・web面接の普及や副業の浸透など、雇用・採用のあり方が大きく変わった2020年。一方で人口減少は加速、今後さらなる人手不足が訪れることが予想される中、2025年の雇用・採用はどのようなものとなっているのでしょうか?
HRogはこの11月に開設7周年を記念して、人材業界の牽引する著名人やこれからの人材業界を作るサービス提供企業の責任者の方にこれからの人材業界の展望についてコメントをいただく特別企画「#2025年のHR」を実施しました。今回はそれらのコメントをもとに、「労働人口減少」「DX」「リモートワーク(テレワーク)」「副業」「タレントマネジメント」という5つのキーワードで今後人材業界で起こる変化をでまとめました。
キーワード①労働人口減少|各社新しい取り組みに踏み出す
少子高齢化に伴う労働人口の減少の影響は、2010年代後半の時点で求人倍率の高止まりや人手不足倒産の増加という形で表れていました。新型コロナウイルスの影響で企業の人手不足感は一時的に低まっているものの、正社員領域ではIT人材、アルバイト・パート領域では飲食・物流・販売・介護職などエッセンシャルワーカーの採用は依然として厳しいものとなっており、その流れはさらに加速すると考えられます。
根本的な人手不足を解消するために、副業・フリーランス人材の活用や主婦(夫)・高齢者・外国人などの人材の受け入れ、働き方改革やテクノロジー導入による生産性向上など、今までおこなってこなかった新しい取り組みに踏み出す企業が増えるでしょう。
エン・ジャパン株式会社 岡田 康豊 様
ディップ株式会社 山下 ロルミス 様
ディップ株式会社 三浦 日出樹 様
株式会社ビースタイル メディア 小牟田 斉美 様
株式会社マイナビ 坂本 一弘 様
ミイダス株式会社 後藤 喜悦 様
株式会社リジョブ 赤羽 順子 様
株式会社grooves 田中 祐輔 様
株式会社MyRefer 鈴木 貴史 様
paiza株式会社 片山 良平 様
株式会社POL 岡井 敏 様
株式会社ROXX 植木 大介 様
キーワード②DX|生産性向上のため対応必須
先ほど触れた通り、労働人口減少の中でも企業活動を維持するために、今後新しい取り組みに踏み出していく企業は増えると予想されます。その新しい取り組みの一つが、DX(デジタルトランスフォーメーション)です。
DXとは、「データとデジタル技術を活用したビジネスモデルと組織の変革」のこと。DXの重要性は以前から提唱されていたものの、新型コロナウイルス拡大以前にDXに取り組む企業は一部にとどまっていました。しかしコロナショックをきっかけに、多くの企業でテレワーク(リモートワーク)の対応や社内コミュニケーションツールの活用を進める企業が増加。各社でDX化を進める下地が整ってきたと言えるでしょう。
またDXが進めば、企業が求める人材のスキルも変化、供給過剰と人手不足の分野の格差が大きくなります。ロボットやRPAに代替されない人材になるために、個人側も自律的にキャリアプランを描きながら自らのスキルを磨く必要が出てくるでしょう。
ディップ株式会社 三浦 日出樹 様
ディップ株式会社 山下 ロルミス 様
パーソルキャリア株式会社 喜多 恭子 様
株式会社ビースタイル メディア 小牟田斉美 様
株式会社マイナビ 荻田 泰夫 様
株式会社マイナビ 坂本 一弘 様
株式会社リクルートキャリア 藤井 薫 様株
式会社MyRefer 鈴木 貴史 様
株式会社POL 岡井 敏 様
キーワード③リモートワーク(テレワーク)|マネジメントが課題に
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う緊急事態宣言をきっかけに、各社がリモートワーク(テレワーク)を活用した働き方を取り入れ始めました。その結果、場所にとらわれない採用やオフィス解約によるコストカット、移動時間削減に伴う生産性の向上など、リモートワーク(テレワーク)による副産物的なメリットを多くの企業が享受しています。
またリモートワーク(テレワーク)普及をきっかけに個人の働き方も大きく変わろうとしています。今後は「地方(都市部)に住みながら都市部(地方)の企業で働く」「複数の企業に属しながら働く」など、場所と時間にとらわれない働き方がより一般的なものとなるでしょう。
しかしリモートワーク(テレワーク)環境下で、目の前にいないメンバーたちのマネジメントやコミュニケーションをどのようにおこなうかは、各社が試行錯誤を続けている途中です。この点は今後のマネジメントの課題となるでしょう。
株式会社アイデム 岸川 宏 様
ウォンテッドリー株式会社
株式会社スタンバイ 山本 敏史 様
パーソルキャリア株式会社 喜多 恭子 様
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 陳 シェン 様
株式会社リクルートキャリア 藤井 薫 様
株式会社リブセンス
株式会社grooves 田中 祐輔 様
paiza株式会社 片山 良平 様
株式会社POL 岡井 敏 様
キーワード④副業|組織はメンバーシップ型からジョブ型へ
新型コロナウイルスの影響により、世界レベルで景気は下降傾向にあります。そのような背景もあり、人件費の変動費化によるリスク分散を目的として、企業側から副業社員の採用ニーズが高まっています。
また個人側も将来の先行きが不透明になる中で、副業社員として働きたいというニーズが高まっています。2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を新設したことも後押しとなり、今後副業という働き方は当たり前となっていくでしょう。
副業の浸透に伴い「社内の人材ですべての仕事を賄うことを前提として職種ローテーションおこなう」メンバーシップ型から「今ある課題やミッションを前提に社内外から必要なスキルを持つ人材を調達する」ジョブ型へ、組織や雇用のあり方を変える企業が増えるでしょう。またチームのメンバー編制も多様化し、正社員やフリーランス、副業人材などが入り混じったチームで仕事をすることも当たり前になっていきそうです。
ウォンテッドリー株式会社
株式会社シューマツワーカー 松村 幸弥 様
株式会社ビースタイル メディア 小牟田 斉美 様
株式会社リクルートキャリア 藤井 薫 様
株式会社MyRefer 鈴木 貴史 様
paiza株式会社 片山 良平 様
株式会社ROXX 植木 大介 様
キーワード⑤タレントマネジメント|多様な個を活かすマネジメント
正社員・フリーランス・副業社員など様々な雇用形態のチームメンバーが入り混じることで、今後組織はさらに複雑化します。全員正社員であることが前提の画一的なマネジメントは通用しなくなり、多様な人材一人ひとりの個性に向き合いながらパフォーマンスを最大限発揮できるようサポートするマネジメント、いわゆる「タレントマネジメント」の視点が求められるでしょう。
またリモートワーク(テレワーク)環境下ではメンバーとの物理的・心理的距離が広がりやすく、マネジメントの難易度はさらに高いものとなりそうです。企業がどこまで個人のキャリアやライフスタイル・潜在的な可能性に寄り添いながらコミュニケーションを取れるか、組織のあり方そのものがそのまま企業の採用力に直結する時代がやってくるでしょう。
アスタミューゼ株式会社 嶋崎 真太郎 様
株式会社スタンバイ 山本 敏史 様
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 陳 シェン 様
ミイダス株式会社 後藤 喜悦 様
株式会社リブセンス
株式会社KAKEAI 本田 英貴 様
まとめ
この記事では「#2025年のHR」のコメントをもとに、「労働人口減少」「DX」「テレワーク(リモートワーク)」「副業」「タレントマネジメント」という5つのキーワードで今後人材業界で起こる変化をでまとめました。一人ひとりの具体的なコメントはこちらから見られるので、ぜひ人材業界の未来を考えるときの参考にしてみてください。