【新入社員向け】人材業界ってなに?分かりやすく解説!~市場規模編~

今年人材業界に入社された新入社員の方の中には、「人材業界市場が今後どのくらい成長するのか」と気になる方もいるのではないでしょうか?業界全体の将来性を測りたい時は、業界の市場規模や市場トレンドを知るのがおすすめです。また、業界の市場動向を知っておくことは、実際の業務を行う上でも大きなメリットがあります。

「人材業界ってなに?分かりやすく解説!」シリーズ第二弾となる今回は、人材業界の市場規模と、日本国内の人材ビジネス市場で特に大きな企業規模を誇る「人材サービス三大グループ企業(リクルートHD・パーソルHD・パソナグループ)」の特徴を解説します。

そもそも市場規模とは? 市場動向を把握する意義

市場規模とは、特定の業界全体の年間売上高のことを指します。市場規模の大きさは、その事業セグメントにおける見込み需要の大きさを示しているため、新規事業開発や事業拡大のための戦略策定を行う際の判断材料として使われます。

なぜ市場の動向を知っておくべきか

人材業界で働く人が市場動向を把握するメリットとして、下記の二点があります。

・顧客のニーズを察知できる
・市場についての情報を顧客に提供することで、信頼される営業になれる

「直近採用ニーズが増えている職種や地域、求職者属性はどこか?」「自分が担当しているセグメントのニーズは増えているのか、減っているのか?」など、普段から市場動向にアンテナを張ることで、採用市場の将来的な動向を予測できます。

また、そういった市場動向から得られた洞察を顧客に伝えることで、顧客からの信頼獲得にもつながります。

人材業界の市場動向

全体の市場動向

矢野経済研究所の調査によると、2021年度の人材ビジネス主要3業界(人材派遣業、人材紹介業、再就職支援業)の市場規模は、事業者売上高ベースで9兆5,281億円でした(対前年比+6.9%)。2022年度の市場規模見込みは10兆1,567億円(対前年比+6.6%)と、6〜7%の成長率で市場が拡大することが予測されています。

国内の人材業界市場が拡大する背景には、少子高齢化による労働人口減少の影響があります。2023年4月に発表された国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、2020年時点で7,509万人いた生産年齢人口(労働力の中核を担う15~64 歳の人口)は、2043年には6,000 万人を割ると言われています。

さまざまな産業で人手不足が深刻になることが予想される中、今まで活用しきれていなかった女性・シニア人材・外国人材などを活用したいと考える企業が増えてきました。このような雇用構造の急激な変動に伴い、企業と人材をつなぐ役割を果たす人材業界全体のニーズが高まっています。

では、人材業界の中でも特に成長率の高いビジネス領域はどこなのでしょうか?ここからは人材業界の中でも代表的なビジネスである求人広告、人材紹介、人材派遣領域の市場動向を解説します。

求人広告の市場動向

公益社団法人全国求人情報協会の調査によると、2021年度の求人情報提供サービスの市場規模は6,962億円(対前年比+67.8%)でした。2020年に新型コロナウイルスの影響で一度大きく縮小した求人広告の市場は、現在回復基調にあります。しかしコロナ禍前(2019年度)の市場規模である7,669億円の水準までには回復していないのが現状です。

また、求職者の属性別にみてみると、求人広告市場の中で盛り上がっているのが中途採用の領域です。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)などの需要拡大に対して供給が追いついていないIT人材のニーズは高く、エンジニアなど特定の職種に特化した求人サイトも増加しました。

一方でアルバイト・パート、派遣採用の領域では、コロナ禍で人材ニーズが一時的に減少した中で、契約社数を保つために値下げなどを行う動きがありました。それにより下がってしまった広告販売単価が、「Indeed」「求人ボックス」など求人検索エンジンの台頭による影響で回復できず、市場規模が伸び悩む傾向にあります。

そこでアルバイト・パート向け求人広告を販売する会社では、採用管理ツールやシフト管理ツールなど採用担当者の業務効率化を図る他のサービスと合わせたセット販売を行うなどの対応を行っています。

人材紹介の市場動向

矢野経済研究所の調査によると、2021年度の人材紹介業の市場規模は2,960億円(対前年比+17.5%)。コロナ禍前(2019年度)の市場規模である3,080億円と同水準まで回復しています。

採用難度の高い人材の採用と相性が良い人材紹介ビジネスは、特にIT人材・DX人材などの専門職種で重宝されています。また女性管理職を増やしたい大手企業向けに、ハイクラス女性に特化した人材紹介サービスなども登場しています。

人材派遣の市場動向

矢野経済研究所調査の調査によると、2021年度の人材派遣業の市場規模は9兆2,000億円(対前年比+6.6%)。2021年の人材業界全体の市場規模である9兆5,281億円のうち、90%以上の割合を人材派遣業が占めています。

総務省発表の労働力調査によると、2021年度の派遣労働者総数は142万人のうち、「事務職」で働く人は48万人で最多。次いで「製造関連職」が35万人、「運搬・清掃・包装関連職」が22万人でした。近年は就労人口の減少を背景に、事務職派遣のニーズが伸長傾向にあります。

また人材業界の役割の一つに、ある産業・企業からより成長している市場・企業へ労働力を移動させる「成長産業への労働移動」があります。近年の人材派遣ビジネスでは、需要の回復が遅れる飲食業・旅行業から、需要の高い医療・介護業界・技術系職種への労働移動を推進する動きが目立っています。このことから、大手総合人材派遣事業者が医療・介護領域やプロフェッショナル人材など、ニーズの高い領域に特化した新しい人材派遣サービスを開発するケースも増えています。

人材サービス 三大グループ企業(御三家)とは

「リクルートホールディングス」「パーソルホールディングス」「パソナグループ」の3社は、日本に本社を置く人材系企業の中で売上ランキングのTOP3にランクインする企業です。

資本力の高さを生かし、M&A(企業の合併・買収)を展開しながら事業を拡大しているこの3社。人材業界のトレンドを把握するためにも、国内の人材ビジネス業界を牽引する3社の動向を知っておきましょう。

リクルートホールディングス

リクルートHDの2021年度 連結総売上高は2兆8,717億円(前期比+26.5%)。また、2022年度の売上高は3兆4,295億円(前期比+19.4%)となりました。2012年に米Indeed社を買収するなど、早期から海外M&A戦略を展開しグローバル化に着手してきた同HD。2022年時点で海外売上比率は約55%と、海外事業が成長を牽引しています。

国内向けには「リクナビNEXT」「リクルートエージェント」「タウンワーク」「スタッフサービス」など、幅広い求人情報サービス、エージェントサービスを展開。また人材ビジネスだけにとどまらず、美容サロン探しができるサイト「Hot Pepper Beauty」や不動産サイト「SUUMO」など、ライフスタイルや住宅、マーケティングなどの分野でもサービスを運営しています。

また求人検索エンジン「Indeed」事業においては、就業までにかかる時間を2030年までに半減させることを目指しています。そこで、採用炭素がIndeed上で候補者のスキルが分かるアセスメントテストを実装したほか、求人がクリックされた際に料金が発生するクリック型課金から求人に応募があった際に料金を支払う応募型課金への転換を進めています。

パーソルホールディングス

パーソルHDの2021年度の連結総売上高は1兆608億円(前期比+11.6%)でした。また、2022年度の売上高は1兆2,239億円(前期比+15.4%)となっています。同HDは2008年に「テンプHD」の名前でホールディングス化、2017年に現在の名称「パーソルHD」へ称号変更を行っています。

2022年度までパーソルHDでは、「派遣・BPO」「リクルーティング」「ITアウトソーシング」「デジタルソリューション・新規事業」「海外事業」の5つのセグメントで事業を展開。人材派遣の「テンプスタッフ」や転職メディア・人材紹介の「doda」などを運営しています。

また2023年4月より、今後の成長が見込まれる「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」に特化したセグメントを新設。中核会社としてパーソルBPO株式会社を設立し、力を入れていく予定です。そのほか、IT・エンジニア領域におけるテクノロジー活用強化を目的とし、「ITアウトソーシング」領域のセグメントを「Technology SBU」に名称変更しています。

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは?

企業活動における業務プロセスを、企画・設計から実施まで一括して外部委託すること。人事・総務・経理・受付などのバックオフィス業務や、コールセンター・ヘルプデスク業務が中心。

パソナグループ

パソナグループの2021年度の連結総売上高は3,660億円(前期比+9.4%)でした。また、2022年度の売上高は3,850億円(前期比+5.2%)の予想です。人材派遣をメインに、人材紹介、委託・請負、HRコンサルティング、教育・研修などの幅広い事業領域が特徴のグループです。

近年は国内の人材紹介やキャリア支援のノウハウを生かし、グローバルソーシング事業での海外人材サービスを展開しているほか、BPOサービスの拡大やDXの推進に力を入れています。また子会社ベネフィットワンの福利厚生代行サービスでは、中長期的な成長を目指してCMなど大規模なプロモーションに投資しています。

また同グループの特徴的な取り組みとして、本社機能の移転があります。2020年に働き方改革と有事の際の事業継続を目的に、本社機能の一部を兵庫県淡路島に移転することを発表しました。社員がリラックスした雰囲気で働ける環境を実現するため、2024年春までに1,200人が淡路島に移住する計画です。

(ライター:鈴木 智華)

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