株式会社OVER DOOR、ブロックチェーンによる「ガクチカ証明書」を用いたマッチングサービス「プレキャリ」を開始

日本は労働人口が減り続け、2070年には総人口が9000万人を割り込み、高齢化率が39%となるといわれている。

こうした状況を打破することを目的として、株式会社OVER DOORは2024年5月8日、ブロックチェーンを用いた第三者評価「キャリア証明書」による学生と企業の新しいマッチングサービス「プレキャリ」を開始した。

従来「ガクチカ」は面接や履歴書で学生が自ら伝える情報からしか判断できず実績の信頼性を担保することが難しかった。同サービスでは株式会社DOUの協力のもと、所属組織内であげた学生個人の実績や評価を第三者(運営や学生同士)が担保する「キャリア証明書」を発行する。

「キャリア証明書」ではブロックチェーン技術が利用されており、個人による改ざんが出来ないため情報の信頼性が担保されているのが特徴だ。中途採用と同様、採用時に学生の実績を明文化することができる。

同サービスは、25卒においては学生団体NPO法人ドットジェイピーに所属する学生を対象に提供される。同団体は大学生向けにインターンシップを提供しており、その活動先は議員や大使館、NPO団体と多岐にわたる。これにより、同サービスでは即戦力としての活躍が見込める学生を紹介することが可能だ。

「キャリア証明書」には、同団体内で実施した360度フィードバックの結果を元に算出された偏差値が記載されており、学生の日々の努力や成長の証に加え、個々のパーソナリティも可視化されている。

360度フィードバックとは

1人のメンバーに対して、同僚や上司、部下など複数人の視点からフィードバックを行う評価手法

同社は「これにより、各学生の具体的なスキルセットと組織内でのパフォーマンス・行動特性が明確に示され、新卒採用を行う企業にとって、従来の『ガクチカ』とは異なる新たな視点で学生を評価できるようになることが期待されます」とコメントしている。

多くの人材紹介会社にとって、紹介する人材と企業とのミスマッチは大きな課題だといえる。こうした点を解決するため、近年ではAI技術を活用した新しいタイプのマッチングサービスが台頭しつつある。同サービスは、AIではなく人が人を評価する点で従来通りのマッチングサービスだと言えるが、ブロックチェーン技術を活用し「ガクチカ」の証明書を発行するという点でまったく新しいタイプの試みとなっている。人材紹介会社の担当者は、こうした最新動向も踏まえながらミスマッチの防止策について検討していく必要があるかもしれない。

【参考URL】新卒人材紹介サービス【プレキャリ】開始。ブロックチェーンを用いた第三者評価「キャリア証明書」を活用した学生と企業の新しいマッチングサービス