94.2%の企業が「リスキリングを実施していない」、株式会社ワークポート調査

株式会社ワークポートは、企業の採用担当者173人を対象に「リスキリング」についてのアンケート調査を実施した。

同社は以前、リスキリングに関する従業員側の意識調査を行っており、そこでは89.5%の人が「リスキリングを行う企業は魅力的」と回答するなどリスキリングへの意欲の高さが見られた。そこで今回は企業側のリスキングに対する意欲を調査した。

調査結果は以下の通り。

リスキリング施策、94.2%の企業が「実施していない」

「リスキリング」に関する施策を実施しているか尋ねたところ、「実施している」と回答した企業は5.8%であった。「実施していない」と回答した企業が74.0%、「実施していないが検討中」と回答した企業が20.2%と、合計で94.2%の企業が現在リスキリング施策を実施していないと分かった。

リスキリングを実施していない理由としては、「現状特に必要としていない」「リスキリングに必要なマンパワー・ノウハウ・コストや具体的な効果が不透明なため」などが挙げられた。

大学との提携、グループ内のITスクール活用も

リスキリング施策を実施している企業にどのような施策を行っているのか尋ねたところ、「県内大学と提携し、大学のカリキュラムを受講」「グループ内ITスクール活用による資格取得とあわせた職務内容のレベルアップ」などの例が挙がった。すでにリスキングを行っている企業は社内外のカリキュラムなどを上手く活用し、マンパワーやノウハウの不足に対応しているようだ。

また、リスキリング施策が社員に与えるメリットを尋ねたところ、「業務の幅を広げスキルのベースアップができる」などの意見が挙がった。デメリットとしては「時間の制約」や「マインドセットの課題」、「技術取得による転職リスク」などが挙げられた。

リスキリング以外のスキルアップ支援は59.5%の企業が実施

リスキリング以外に社員のスキルアップを支援する取り組みを行っているか尋ねたところ、「行っている」と回答した企業は59.5%だった。

具体的な取り組み内容としては、現職のスキルアップのための研修を社内外のカリキュラムを活用して行う企業が大多数を占めた。その他には自己啓発やマネジメントスキル、コミュニケーションスキル、ビジネスマナーなどを学べるセミナーの実施、外部機関の研修・講座受講や資格取得のための費用を負担するなどが挙げられた。

詳細結果はコチラ

社員の意欲の高さに対して、リスキリングを実施・検討している企業はまだまだ少ないようだ。今後普及していくかについては、課題となっているマンパワーやコストの不足をどう解消していくかが重要なポイントになりそうだ。

調査概要

査内容:リスキリングについて   
調査対象者:同社を利用している全国の企業の採用担当者 
有効回答:173人  
調査期間:2021年9月14日~2021年9月22日

【参考URL】【 採用担当者のホンネ調査:「リスキリング」について 】  リスキリング施策を実施する企業はわずか5.8%  94.2%は「実施していない」 必要性がない、マンパワー不足が理由