女性の仕事探し「就業状況により就職決定率に差」、株式会社リクルート調査

日本では未だ女性が中心に育児をしなければいけない風潮が残っており、女性のキャリアアップが難しい現状がある。また、コロナ禍により女性の就業者が多いサービス業が打撃を受けるなど、仕事を失った女性も多く、女性の就業支援は重要性を増している。

株式会社リクルートは、同社が2021年12月に発表した「求職者の動向・意識調査2021」の調査結果をもとに、仕事探し時点で就業者だった女性と未就業者だった女性の回答を比較・分析した。なお、就業者についてはアルバイト・パートの女性、未就業者については専業主婦、無職・定年退職の女性を指す。

調査結果は以下の通り。

仕事探し時点での就業有無によって就業決定率に差

最近1年間で行った新卒以外での仕事探しが終了しているかどうか尋ねたところ、アルバイト・パートで就業している女性が転職活動をした場合で53.0%の人が「仕事が決まって終了した」と回答し、「仕事は決まらなかったが終了した」と回答した人は11.2%となった。

一方で、専業主婦の女性は「仕事が決まって終了した 」との回答は26.9%にとどまり、「仕事は決まらなかったが終了した」と回答した人が29.1%となった。仕事探し時点に就業しているかどうかが、就職決定率に差を生んでいることが分かる。

職探しで困った経験のある割合は「未就業者」の方が多い

仕事を探していた時に困ったことがあるか尋ねたところ、ほとんどの項目においてアルバイト・パートの「就業者」より「未就業者」の方が困っている人の割合が高かった。

また、専業主婦の30.4%が「育児や介護と両立できる仕事が限られる」と回答し突出している一方で、無職・定年退職後の女性では「自分に合う仕事がわからない」との回答が37.3%など自己分析に関わる回答が他より多く、未就業者でも状況によって課題が変わることが分かった。

専業主婦の48.1%が望む勤務時間は「4~6時間未満」

1日に希望する勤務時間を尋ねたところ、専業主婦の48.1%が「4~6時間未満」と回答した。専業主婦は育児や介護と両立して仕事をしたいと考える人が多いことから、少ない勤務時間を望む傾向にあると考えられる。

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今回の調査では、女性が仕事を探す際の就業状況によって、その後の就職決定率に差があると分かった。また、専業主婦など未就業者の方が就職活動時に困っている割合が多く、少ない日数や時間での勤務を望んでいることも分かった。それぞれの状況に合ったサポートや、ニーズに合わせた勤務体制を可能にするなど、積極的に支援していくことが重要である。

調査概要

調査手法:インターネット調査
対象者条件:全国15~69歳の男女・最近1年間に仕事探し経験あり(新卒以外)・現在および仕事探し当時の職業が「アルバイト・パート」「正社員」「契約社員」「派遣社員」「専業主婦/主夫」「無職・定年退職」のいずれか
調査期間:2021年10月11日(月)~2021年10月15日(金)
有効回答数 14,991人(ウエイトバック集計)
※同レポートでは女性9,018人を分析対象とした

【参考記事】女性の仕事探しの実態と課題 仕事探し当時の就業状況により、次の仕事決定に差