【2023年9月度 HRog市場分析レポート】正社員・アルバイト・派遣の求人マーケット動向をチェック!

約100の求人情報ビッグデータから最短2クリックで簡単分析できる人材業界向け採用市場分析ツール『HRogチャート』を活用した「2023年9月度 HRog市場分析レポート」をお届けします。正社員・アルバイト・派遣それぞれの最新の求人動向や傾向を示す参考資料として、ぜひご活用ください。

2023年9月度のマーケット別サマリ
  • 正社員マーケットでは、「生成AI」関連求人が急増。
  • アルバイトマーケットでは、身だしなみ自由に言及する求人割合が5年間で5.92pt上昇。
  • 派遣マーケットでは、「営業/事務/企画/管理」は前月比 +35,989件。

正社員マーケット

AI関連求人が急増

正社員マーケットにおいて求人動向を調査したところ、2022年9月から2023年9月までの1年間で、仕事内容に「AI」を含む求人が右肩上がりで増加していました。AI関連の求人が急増していることが分かります。

「生成AI」関連求人の台頭

Indeed Japan株式会社が調査した「新興労働市場:生成AIに関連する職の台頭」によると、生成AIに関連する仕事が2023年に入り急増しています。2023年7月末時点において、「生成AI」「大規模言語モデル」「Chat GPT」などの生成AI関連のキーワードを含んだ求人は、Indeedの求人全体の0.02%を占めています。これはインテリアコーディネーターやスポーツクラブスタッフなど、比較的身近な職業と同程度の割合です。2022年までほとんど観測されなかった状態から、2023年に入り急激な伸びを見せています。

職種別では、「ソフトウェア開発」が生成AIに関連する求人全体の34%を占め最多でした。さらに、webデザイナーやIT事務など、生成AIの活用によって既存の仕事の質の向上や労力の削減が期待されるような仕事でも生成AI関連求人が増加傾向にあるようです。

正社員マーケットにおいて、「生成AI」「大規模言語モデル」「ChatGPT」など生成AI関連のキーワードを含む求人の件数を調査したところ、2023年4月から急増していました。2023年3月までは0件だったのが、4月に11件浮上し、そのまま右肩上がりで増加し続けています。

日本経済新聞「『生成AI失業』高まる不安 リスキリング希望者急増」によると、生成AIを使いこなすスキルが今世界的な関心を集めています。

プログラミング教室運営のキラメックスは今年6月に、質問内容の工夫で生成AIの回答の精度を高める「プロンプトエンジニアリング」という技術を学べるオンライン講座を開始しました。30時間のカリキュラムで、料金は約15万円と高額ですが、申し込み人数はすでに一千万人を超えています。

またeラーニング大手の米ユーデミーはチャットGPTの関連教材を2千以上公開しており、世界で延べ140万人が受講をしています。講座内容は生成AIを使ったプレゼン資料の作成法や、アプリ開発への活用法など、生成AIを使いこなすためのスキルを学ぶものが人気のようです。

企業もまた、生成AIに大きな関心を寄せています。日本経済新聞が7月、国内主要約100社に実施した調査では、7割の企業が生成AIによる労働時間の削減を計画していると回答しています。このことから、生成AIの開発者や、活用スキルを持った人材の需要は今後上がっていくと予想されます。講座などにより、スキルを持つ人材も転職市場に増えていく中、今後生成AI関連の求人はさらに増加していくでしょう。

アルバイト・パートマーケット

非正規雇用において身だしなみ規制緩和の動き

株式会社マイナビが調査した「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート」によると、非正規雇用において身だしなみの規定を緩和する企業が増えています。

2023年5月〜6月に新しくアルバイトの仕事についた人で、現在の職場で服装や身だしなみに決まりが設けられている割合は61.9%でした。一方で職場の服装や身だしなみの自由化に対して、84.2%が「賛成」または「どちらかというと賛成」と回答するなど、求職者の希望と現状とのギャップが見られました。年代別では、10代で「賛成」が54.5%と最も高く、次いで20代が43.6%となり、若年層を中心に賛成度が高いことが分かります。

こうした傾向を受け、身だしなみの規定を緩和する企業が増加しています。非正規雇用で採用活動を行っている企業のうち36.7%が、直近5年間でアルバイトの職場での服装や身だしなみの規定を緩和したと回答しました。緩和済み企業にメリットを尋ねたところ、「従業員のモチベーション維持に繋がる」が33.7%で最多でした。次いで「応募者が増える」が30.2%、「個性を活かして働いてもらえる」が29.8%と続きます。魅力的な労働環境を用意することで、従業員のエンゲージメント向上や人材獲得に繋げようとしていると伺えます。

それでは実際に求人数に変化はあるのでしょうか。アルバイトマーケットにおいて、全体求人件数のうち、福利厚生に「服装自由」「髪色自由」「ネイルOK」など身だしなみ自由に言及する求人の占める割合を調査しました。身だしなみ自由に言及する求人の割合は、2019年9月には3.97%だったのに対し、2023年9月には9.89%に推移し、5年間で5.92pt上昇しています。

「アミューズメント」職種において身だしなみ規制緩和の動き

さらに職種別で調査したところ、レジャー施設などの「アミューズメント」職種において身だしなみ自由に言及する求人の割合が上昇していました。2019年9月には7.48%に対し、2023年9月には39.18%になり、5年間で31.70pt上昇しています。

日本経済新聞「レゴランドは金髪もネイルもOK 多様性重視で働きがい」によると、レジャー施設やタクシー会社など、接客を伴うサービス業で身だしなみに関する規定を緩和する企業が増加しているとあります。

テーマパーク「レゴランド・ジャパン」は、2022年4月に従業員の身だしなみの規定を大幅に改定しました。髪色と爪色に関する基準や、女性のみに許可されていた化粧などの規定をなくしました。業務に支障をきたさない範囲であれば身だしなみを「従業員にゆだねる」とし、金髪に染めたり、男性がメイクをしたりすることも可能となりました。

同社では、アルバイトの募集サイトで身だしなみの記載を変えたことで、23年4月までの年間応募数や採用数が昨年比で2倍に増えたといいます。人手不足の著しいサービス業、接客業において身だしなみ規定の緩和が人材獲得に繋がることを示す一例となりました。

さらに東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドも4月、身だしなみを規定した「ディズニールック」を一部変更しています。男女別の表記を撤廃し、髪色や髪形の規定を緩和し、制服も男女兼用や複数のスタイルから選べる「ユニセックス運用」を段階的に導入していくようです。

魅力ある職場づくりで従業員の自主性アップや人手不足対策に期待する動きが続いています。今後の動向にも注目です。

派遣マーケット

「営業/事務/企画/管理」は前月比+35,989件 

2023年9月の派遣マーケットを職種別に前月比で調査したところ、「営業/事務/企画/管理」が+35,989件 と増加しました。また同職種の時給下限平均額は2023年9月4日時点で1,491円となっています。次いで「医療/医薬/福祉」の求人件数が前月比+17,308件(1,452円)、「運輸/物流/配送/警備/作業/調査」が +15,753件(1,306円)と続きました。

「営業/事務/企画/管理」ではパーソルテンプスタッフ株式会社の求人が増加

「営業/事務/企画/管理」系職種の求人件数を企業別に調査したところ、パーソルテンプスタッフ株式会社が前月比+26,715件で最多となりました。次にアデコ株式会社が+3,728件、マンパワーグループ株式会社が+2,935件と続いています。

パーソルテンプスタッフ株式会社の求人を全職種において勤務地都道府県別に調査したところ、東京都の求人が前月比+12,285件となっています。次いで大阪府が+4,657件、愛知県が+4,282件と続きました。

求人マーケットを”語る”とは?

クライアントの役に立つことで、自分が選ばれる営業となることができます。そのためには求人マーケットの情報提供が重要です。ただ情報を提供するだけでなく、裏付けデータの深掘りで「根拠」を持って求人マーケットを”語る”ことで信頼性を向上できます。

また、商談で自信を持って提案するためには事前の準備が重要です。ここでは求人マーケットを”語る”ために必要な手順を紹介します。本記事も「HRogチャート」を使用し、同様の手順によって作成しています。

①データを集める:求人サイトや市場分析ツールからマーケット情報を収集
②データを編集する:Excelやスプレッドシートで集めたデータを調査
③データを深掘る:企業のIRやニュースを検索し、採用のニーズを探る
④データを可視化する:クライアントに提案できるようスライドや資料にまとめる

このようにデータから見える各社の求人動向とニュースやIR情報等を合わせることで、各企業の採用ニーズを探ることができます。またクライアントの採用競合となる企業の動きも情報として提供することで、営業として信頼される関係性を作れるのではないでしょうか。

ぜひ参考にして営業に役立ててくださいね!

参考:本レポートで使用したデータ元「HRogチャート」とは?

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