求人市場を調査・分析できる「HRogチャート」によると2017年の正社員求人市場は「営業/事務/企画/管理」カテゴリーの掲載件数が最も多かったことが分かりました。今回は「営業職採用」を成功に導くポイントを考えます!
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営業職採用の現状とは?
まずは「営業/事務/企画/管理」カテゴリーの掲載件数を見てみましょう。
2015年7月が約5.1万件で、最も多かったのは2017年10月の約11.7万件。実に230%も求人数が増えています。なかでも募集が増えているのは営業職。AIによって営業職がなくなるなんて話もありますが、まだまだ主流は人が売るスタイル。営業職採用は引き続き堅調に伸びていきそうです。
一方で、各社が求める若手人材の意識に目を向けてみましょう。AIリクルーティングサービス『GLIT』を運営する松本直樹氏によると、1社に長く勤めることが当たり前という従来の感覚と、今の20代の意識は逆。
ずっと会社が安定しているかはわからないという危機意識を持っているため、ある程度転職を前提にキャリアを考えているようです。
また、そういう危機意識があるからこそ、「長く働くために必要なスキルを身につけよう」というリスクヘッジの意識は強いのだとか。転職をする前に副業や社外活動で経験を積む流れもあり、転職活動の仕方にも変化が見られます。
ポイントは”転職媒体以外”での情報発信
採用活動をする上で大きなポイントとなるのは、「採用広報」。エン・ジャパン株式会社の寺田輝之氏は、「“自社が採用していることを告知する場所”が求人メディアで、“そこで伝えきれない情報を補う場所”が採用ホームページ」と話します。
ただ求人広告を出したりエージェントに依頼をしても応募が集まらない今、転職媒体以外での情報発信の重要性は高まっています。
特に営業職採用の場合、求人数が多いぶん、求人広告は埋もれてしまいがち。広告の限られたスペースで他の求人との差別化を測るのも困難です。だからこそ、SNSや自社の採用ホームページなどを通じた情報発信で、広範囲に濃い情報を届けることが必要です。
まずは担当企業の採用ホームページがきちんと用意されているかをチェックしてみましょう。その上で求人広告で訴求しきれていないポイントを洗い出し、採用ホームページでアピールすることを提案できればベストです。
別の採用手法を提案するのも一つの手段
また、求人広告やエージェント以外の採用手法を検討するのも一つの手。自社の社員に候補者を紹介してもらう「リファラル採用」では、転職市場に出てきていない人とも接点が持つことができます。
採用コストが削減でき、社内に知り合いがいることで早期退職のリスクが低いのも企業にとって大きなメリットです。
すでに取り組んでいる企業も多いですが、社員にとっては紹介時に自社のサービスやポジションの説明をするのは面倒くさいという側面も。リファラル採用のボトルネックを解消する方法を提案できれば、採用パートナーとしての存在価値が高まりそうです。
入社後、退職後にも目を向ける
長く働く人を採用できてこそ、企業の採用成功。売り手市場で採用難であるからこそ、採用した人の定着も営業担当としては目を向けたいところです。
採用後のことは各企業に任せきりになってしまいがちですが、採用した人を辞めさせないことの重要性を啓蒙し、そのための考え方や世の中の流れ、サービスを提案することはできるはず。
まずは採用した人の受け入れから定着、戦力化までの一連の流れを指す「オンボーディング」という言葉の意味を抑えて、なぜオンボーディングが大切なのかを説明できるようにしましょう。
また、雇用慣習が変わり、人材の流動化が進む中で、退職後の社員「アルムナイ」に注目が集まっています。これまでは退職したら関係性は切れてしまっていましたが、商品理解があり、企業カルチャーを共有している元社員は魅力的な人材です。
引き続き営業活動をしてもらえる可能性を模索したり、アルムナイから人材を紹介してもらう方法を検討するなど、退職者との関係性を見直すことでできることもありそうです。
まとめ:営業担当から”採用パートナー”へ
ただ求人広告で募集をしたり、エージェントからの紹介を待っていたりといったやり方では、ニーズが高まる営業職採用を成功させることは困難です。
だからこそ求められているのは、採用を成功させるために必要な情報を持っていて、多角的に提案ができる採用パートナーです。ただ自社のサービスを売るだけではなく、世の中の流れを踏まえながら、総合的に戦略立てて採用成功に導く。
そんな視点で営業活動をすることが、クライアントの営業職採用を実現するための第一歩となるはずです。
(HRog編集部)
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