【人材派遣営業MVP特集#04】相手を一番に考え全力で向き合う|パーソルテクノロジースタッフ・星野嬉子氏

パーソルテクノロジースタッフ株式会社
星野 嬉子 氏
ほしの・きこ/2018年に新卒入社。無形商材に興味を持ち、人材派遣の営業としてキャリアをスタート。3年間東京都中央区エリアの営業として顧客とエンジニアに向き合い、2021年度は新卒社員の教育担当として、営業フォローや新規開拓などを経験。現在は採用部門に異動し、新卒や中途社員の採用活動に従事。

人材派遣営業のMVP特集

大きな組織成長の裏には、それを支えるハイパフォーマー営業の存在がある。人材派遣会社で働くハイパフォーマーたちの共通点とは何なのだろうか。本特集では人材派遣企業各社のMVP受賞者にスポットをあて、彼らのストーリーから活躍の秘訣を紐解いていく。

人材派遣営業のMVP特集の第四回目は、ITやエンジニアの人材派遣を中心とするパーソルテクノロジースタッフ株式会社の星野嬉子氏にインタビューを行った。新卒1年目に新人賞、そして2年目と3年目にもMVPの受賞経験がある星野氏。今回は、様々な困難を乗り越えてきた彼女に活躍の裏側を伺った。

挫折から行動を見直し、MVP受賞へ

2018年に新卒で入社後、4年間法人営業を経験した星野氏。1年目には新卒新人賞を受賞している彼女だが、入社直後から力を十分に発揮できていたわけではないという。

「入社後に行われた3ヶ月間の研修は、同期の中で一番できていませんでした。元々負けず嫌いな性格で、研修で成果を残せなかったことから、どうしたら成果を出せるかを考えて配属後は過ごしました。

ところがその結果、数字を取るために目の前の仕事をこなすような状態になってしまったのです。そのことを当時の上司に指摘されて気づき、その後は相手への伝え方などを逐一確認してもらい改善していきました。成果だけではなくプロセスも評価していただいて、新卒新人賞を受賞することができたのです」

その後2年目となり再度表彰を目指して営業を続けていた星野氏。売上としての成果も上げたが、表彰を逃してしまったという。

「新卒1年目のメンバーに自分がしっかり行動をしている姿を見せたいという思いが根底にあり、絶対に2回目の表彰を取りたいという気持ちで取り組んでいました。しかし表彰を逃してしまい、『どうして取れなかったのだろう』ととても悔しく、挫折を味わったんです。

その際、落ち込む私を見て、上司がハイパフォーマーの方々と話す機会を設けてくださいました。それをきっかけに自分の行動を見直したところ、自分主体の営業をしていたと気付いたのです。そこで改めて、お客様の抱えている課題や自分のできることを意識するようにし、お客様に寄り添った提案をすることで関係性を築くことができるようになったと思っています」

一度MVPを逃し行動を見直したことが、2回目のMVP受賞につながった。その後星野氏は、育成担当としての姿勢も評価され、入社3年目にもMVPを受賞している。

「入社2年目は育成よりも自分の営業を優先してしまい、きちんと向き合えていませんでした。そのため、新卒メンバーを成果に導けなかったという2年目の反省点を踏まえ、入社3年目では自分の営業よりも育成に重きを置きました。

コロナ禍のリモートワーク中心の環境でも、毎日1対1で面談するなど自分からコミュニケーションを密に取るよう心掛けていきました。業務上の話はもちろんですが、精神的な状況やプライベートな話もすることで、入社したばかりのメンバーとも関係性を築くことができたのではないでしょうか」

相手を一番に考え、数字だけではない営業に

挫折や困難を経ながらも、営業・育成と2つの分野で活躍してきた星野氏。その活躍の裏でこれまで大切にしてきたマインドについて伺った。

「私は相手を一番に考えるということをとても大事にしております。お客様の課題に対してどう提案できるか、お客様に合った最適な人材はどのような人材だろうなどを考えて営業をしてきました。派遣スタッフさんに対しても同様ですが、相手を一番に考えるところは、数字よりも大事にしている部分です」

「相手を一番に考える」というマインドを大切にすることで、どのように課題を乗り越えてきたのだろうか。星野氏はまず、2020年4月1日に適用された同一労働同一賃金の改正法により、クライアントに金額の交渉をしなければならなかった際のエピソードを語ってくれた。

「お客様に対して、法律の改正や派遣スタッフさんの評価も踏まえて賃金を上げていただくようお願いしていたのですが、ある一社からは納得していただけませんでした。もちろん、お客様にも賃上げが難しい事情があることは理解しております。しかしお客様を一番に考えた上で、安定した雇用を続けていくためには必要なことだと考えました。そのため当時の上司に相談し、改めて直接お話させてくださいと、2回目のアポイントを取りました。

その際に、お客様の事情も分かりますとお伝えした上で、再度賃上げの必要性について説明し交渉させていただいたんです。すると先方に、『こんなに真っ正面からしっかりとぶつかってきてくれる人はいない』と営業スタイルを褒めていただきまして、驚いたと同時にとても嬉しかったです。伝え方や派遣営業として交渉することの難しさを感じると同時に、最終的にはお客様との関係性も深まりました。お客様のことを考え、しっかり向き合っていく大切さを改めて実感した出来事です」

また派遣営業として、クライアントだけでなくスタッフの就業支援に携わることもあった星野氏。そこでもまた「相手を一番に考える」というマインドでしっかりと向き合い、エンジニア未経験のスタッフを就業決定まで導いたという。

「コロナ禍で案件が激減し、中々仕事が見つからない派遣スタッフさんもいる中で、未経験でエンジニアになりたいという方がいらっしゃいました。エンジニアは一般的に実務経験がないと採用が難しく、実際にご紹介できる案件がなかなかみつかりませんでした。しかし、その方に入社後に何を実現していきたいかというヒアリングをしたところ、エンジニアになりたいという意欲がとても高いことが分かり、何とか支援したいと思いました。

そこで私のクライアントに連絡したのですが、当初はやはり実務経験がないと難しいという反応をいただきました。しかしその派遣スタッフさんの社員意向など意欲の高さから、その方が就業後に必ず活躍してくれると感じました。そのため『一度お会いしていただけませんか』と交渉したところ、顔合わせを実現することができたのです。顔合わせで派遣スタッフさん本人から入社後のビジョンについて話してもらったことで、最終的に就業決定までたどり着くことができました」

一度断られたとしても諦めず、クライアントやスタッフに真正面から向き合うことで、星野氏の熱意が相手に伝わり成功に繋がったようだ。

今後は採用担当として、会社の課題解決を目指す

星野氏が「相手を一番に考える」というマインドを獲得し、数字を追うだけではない営業として活躍してきた裏側には、パーソルテクノロジースタッフの「全員で称賛する文化」があった。

「表彰を取った人を、直属の上司や同じチームのメンバーだけでなく、営業部全体で称賛し合う文化があります。また業績のMVP以外にも、良い取り組みがあれば全員で共有・評価し合うようにしているのです。

例えば『お客様に対してこういったアプローチをした結果、こういう成果に繋がりました』というような、業績には直結していないプロセスの部分まで共有しています。数字だけではなく、行動面もしっかり見てくれるところがこの会社の良さですね」

現在星野氏は、これまで活躍していた営業から離れ、採用という新しい分野に挑戦しているという。これは数字だけでなく、彼女が積み上げてきたプロセスが評価されているからこその抜擢と言えるだろう。

「法人営業を4年経験し、新卒9名の育成も担当する中で、今後成長する新卒社員を増やしていきたいなという思いがうまれました。新卒の受け入れを経験したからこそ、パーソルテクノロジースタッフに最適な人材はどういう人材かを考えるようになり、現場の課題を採用という入口部分から変えたいという思いで、採用担当に異動しました。

これまではお客様の課題に寄り添って営業をしてきましたが、これからは人事部として自社の採用課題についてしっかり考えていきたいです」