【バイトル20周年の軌跡#04】採用成功に本気だから信頼できる クライアント企業の社長に聞くバイトルの魅力

Man to Man株式会社
取締役社長
手島 雄一 氏
てしま・ゆういち/1997年日本リガメント(現Man to Man)入社。営業職に従事した後、本社派遣事業部長などを経て、2017年に常務取締役本部長に就任。2019年4月から取締役社長となる。目まぐるしいスピードで変化する社会のニーズに応え続けられる、”世の中に選ばれる”企業になるために、海外人材が日本社会で活躍するための取り組みや、障がい者の雇用支援など新たなチャレンジを進める。また、現場でお客様の課題解決にあたる人材の育成に力を注ぎ、サービス品質の向上に努めながらMan to Man株式会社の経営を担っている。

ディップ株式会社
執行役員 サービスオフィサー(はたらこ・バイトルPRO) HR事業本部長
北里 友宏 氏
きたざと・ともひろ/2005年ディップ入社。入社以来、派遣会社・人材サービス会社を主な顧客とするHR領域での営業を担当。2016年にHR事業部長、2018年より同社執行役員に就任。新規事業である専門職の総合求人サイト「バイトルPRO」のプロジェクトリーダーとして、2021年5月のローンチを先導、開始から1年間で求人件数が50万件(医療・介護・保育・美容の4領域における業界No.1)を突破。現在はサービスオフィサーとして「はたらこねっと」「バイトルPRO」「ナースではたらこ」のサービス責任者を務める。

バイトル20周年の軌跡

2022年10月21日、ディップ株式会社が運営するアルバイト・パート求人情報サービス「バイトル」は20周年を迎えた。2002年のサービス開始以来、「ユーザーファースト」を貫きさまざまな取り組みを行ってきたバイトル。今回の特集ではその軌跡を振り返り、これから新たに描く20年について話を聞いていく。

今回はバイトルのクライアント企業であるMan to Man代表の手島氏とディップ執行役員の北里氏が対談。17年もの付き合いとなるクライアント企業から見て、バイトルはどんな存在なのか。これまでとは別の角度からバイトルの20年を紐解いていく。

採用成功のために、耳の痛い話をしてくれる存在

北里氏:Man to Manさんには2005年からディップのサービスを利用していただいています。途中で私が営業担当となり、手島さんとは2008年頃に出会いましたね。そもそもMan to Manがバイトルを利用し始めたきっかけはどんなものでしたか?

手島氏:その時期は紙媒体が主流だったものの、ちょうどwebの求人メディアが登場してきた頃。なので「まずはどんなものなのか試してみよう」という軽い気持ちで利用し始めました。

北里氏:確かにMan to Man さんは競合の人材派遣会社さんと比較しても、かなり早い時期からバイトルをご利用いただいていました。他のweb求人メディアと比較して、バイトルのサービスの特徴だと思う点はありますか?

手島氏:サービスの仕組み自体というよりは、実際にやりとりしている営業担当の姿勢を見ていますね。

正直なところ、北里さんとお会いする前までは、求人メディアの営業にあまり良い印象を持っていなかったんです。掲載課金型のビジネスモデルなので、広告で人が集まらなかったとしても一言「ごめんなさい」と言えばそれで済む。そんな風に考える営業の方も多かったように思います。

求人メディアの営業さんは、掲載した後きちんと採用につながったかどうかに興味を持ってくれない人が多い、というイメージでした。しかし、ディップさんはそんな求人メディアの営業のイメージを覆してくれました。

北里氏:過去には、そんな求人メディアの営業の不満を手島さんからお伺いすることもありましたね(笑)。その中でも「バイトルの営業は信頼できそうだ」と思っていただけたきっかけは何だったのでしょうか。

手島氏:弊社の採用が伸び悩んでいたときに、色々な営業の方とお話しする機会がありました。そのときに北里さんから「でも、応募が0件というわけではないですよね。応募してきてくださった方たちを入社につなげられなかったなら、御社の採用プロセスにも改善すべき点があるはずです」と厳しい言葉をいただいたんです。

「私たちは真剣に応募者を集めている。だから応募してくれた方たちに対して、もう少し丁寧に向き合ってほしい」と。他の会社の営業でそんなことを言う人はいなかったので面食らいましたが(笑)、確かにその通りだなと思いました。

ディップさんは単に「お金をもらって人を集める」という一方的な契約関係ではなく、採用成功のために耳が痛いこともきちんと言ってくれる存在だったんです。

苦しいときほど、顧客志向の本質が問われる

北里氏:手島さんとは15年以上のお付き合いとなります。バイトルとのやり取りの中で一番印象に残っていることはありますか?

手島氏:一番会社の経営が苦しかった、リーマンショックの時期に支えてもらったことが印象に残っています。

リーマンショックが起こったとき、弊社と取引している人材系の営業担当の方を集めて全員で打ち合わせを開きました。その場では「今、うちは非常に厳しい状況です。自社で採用部門を置くこともできない状況だから、ぜひみなさんの力をお借りしたい。あなたたち一人ひとりが採用責任者として、弊社の採用を助けてほしい」とお伝えしました。

そんな状況のときに、ディップさんからは色々な提案をいただきました。ときには「このエリアだったらバイトルではなく別の媒体を使った方がいい」「今出稿している他社媒体の原稿内容を、修正した方がいい」など、必ずしも自社の利益につながるわけではない提案も親身にしていただいて。本当にディップさんに助けてもらったなと思っています。

北里氏:嬉しいお言葉をありがとうございます。リーマンショックの時期は「顧客のため」という言葉の本質を深く考えました。

特にMan to Manさんが行う派遣事業は、採用したスタッフを派遣することで初めて売上が上がるビジネスモデル。なので私たち求人メディアの営業が頑張らないと、Man to Manさんの売上も回復しないんです。そんな責任ある立場だったからこそ、できることは全てやりきろうと決意しました。

また、私が当時嬉しかったのが、まるで同じ会社の社員のように手島さんが接してくれたことです。特にリーマンショックの時期には、採用の打ち合わせだけではなく新年会や忘年会にも参加させていただきました。大変なこともありましたが、手島さんや他の社員さんたちのおかげで危機を乗り越えられたと感じています。

手島氏:苦しい時期だったからこそ、そのとき一丸となって頑張った人たちとは今でも強い絆がありますよね。現在北里さんは直接の営業担当ではないですが、採用のことで疑問や相談したいことがあると電話をしたりします。

採用パートナーから、派遣業界全体をより良くするパートナーへ

北里氏:長年バイトルを利用していただく中で、サービスの変化を感じることはありますか?

手島氏:新しい商品開発や機能のアップデートをたくさん行っており、顧客が今まさにほしいと感じるものを作り続けてくれている印象があります。一方で「仕事を探している人とクライアント企業のために何ができるか」を考え続けるところはずっと変わっていないですね。何度か担当変更があったものの、担当の方の姿勢はみなさん一貫しているので、社風としてしっかり浸透しているんだなと思っています。

北里氏:ディップでは「ユーザーファースト」が共通言語になっているので、クライアント企業の方からそのような評価をいただけるのはとても嬉しいです。最後に、今後ディップに期待することがあれば教えてください。

手島氏:派遣業界の課題であり、弊社のミッションでもある「不本意型派遣をなくす」「派遣社員の地位を向上させる」という2つの目標へ向かって協力しあえるパートナーになれれば嬉しいです。

今派遣社員で働いている人のうち、自ら希望して派遣を選んでいる人と、不本意ながら派遣で働いている人の割合はおおよそ半分ほど。また企業側も、本当は正社員で採用したいけれど、採用できないから派遣会社に依頼するパターンが一定数あります。その結果、互いに望んでいない派遣雇用でマッチングしてしまい、早期離職につながる事態が後を絶ちません。

弊社ではそのような「不本意だけど派遣契約している」企業に採用ノウハウを伝え、派遣に頼らず自社雇用へ移行できるよう支援をしています。本当は正社員で採用したいという企業が派遣に頼らず正社員で雇用できるようになれば、「本当に派遣で働いてほしい仕事」と「本当に派遣で働きたい人」によるWin-Winのマッチングができる可能性も高まります。そのような流れの中で、派遣社員の地位も改善していくのではないかと思っています。

北里氏:派遣専門の求人検索サイト「GAYA」や、派遣会社が利用できるデータベース「Crew」といったサービスをリリースされていますが、それも派遣社員の地位を改善するために始められたものですよね。

手島氏:はい、昨年開始した「GAYA」は派遣求人のみが賃金の高い順に掲載されていることで、「本当に派遣で働きたい人」がより待遇の良い求人に出会う機会を多く創出しています。先述のような企業へ採用ノウハウを伝える取り組みなども通じて、派遣社員の地位向上をさせていきたいと考えています。とはいえ、一派遣会社ではできないこともあるので、ディップさんと協業しながら適正なマッチングが生まれる世界をつくっていきたいです。

北里氏:「企業も働く人もWin-Winの世界を作りたい」という手島さんの思いは、ディップが掲げるユーザーファーストの考え方と近いところがあり、とても共感しました。

業界をさらに良くしていくために、派遣会社と求人サービス、それぞれの役割を果たすことが必要だと考えています。求職者がやりがいを見つけて働く環境を整備するための勤務条件や給与などの交渉や研修などは、日々求職者と向き合う派遣会社だからこそできること。私たち求人サービスは、そのような企業の取り組みや、人手不足の課題に対して国が取り組んでいることなどを発信していく。また、ディップでは従来の求人サービスによるお手伝いだけでなく、「コボット」というDXサービスを展開して採用フローなどにおける単純作業を効率化するサポートをしています。これにより、今よりさらに派遣社員の教育などに充ててもらう時間を増やすことが可能になります。

お互いができることに取り組むことで、労働移動を起こす、より良い条件で仕事をする人を増やすなど、人手不足という課題に対する社会的価値を創出できると考えています。今後もより良いパートナーとなり、業界全体をさらに進化させていきたいと思います。

(鈴木智華)