【バイトル20周年の軌跡#01】バイトル、20年の変遷を辿る

バイトル20周年の軌跡

2022年10月21日、ディップ株式会社が運営するアルバイト・パート求人情報サービス「バイトル」は20周年を迎えた。2002年のサービス開始以来、「ユーザーファースト」を貫きさまざまな取り組みを行ってきたバイトル。今回の特集ではその軌跡を振り返り、これから新たに描く20年について話を聞いていく。

バイトルがサービスを開始してから20年の間には、さまざまな時代の変化があった。リーマンショックや新型コロナウイルスの感染拡大など幾多の困難が立ちふさがったが、バイトルではそれらを更なる進化のチャンスとして捉え、新たなサービスや機能を多数生み出してきた。特集第1回となる今回は、バイトルの進化の歴史とともに、「ユーザーファースト」な取り組みを振り返る。

デジタルだからできることを…時代を先取りして進化するバイトル

ディップ株式会社提供

「dip」という社名は夢(dream)、アイデア(idea)、情熱(passion)の頭文字をとってつけられている。家庭におけるインターネットの普及率がまだ低かった2002年、創業者であり、代表取締役社長兼CEOの冨田英揮氏のまさに夢とアイデアと情熱からバイトルは誕生した。

2000年に同社の派遣向け求人サイト「はたらこねっと」がサービスを開始した。当時はまだフリーペーパー全盛期でインターネット普及率は18%という時代だったが、ローソンの店頭端末「Loppi」を利用してインターネット上で求人情報を探せるシステムを構築した。2001年2月にははたらこねっと内でアルバイト・請負の情報提供を開始し、2002年10月に「バイトルドットコム」として独立する。料金プランに関係なく豊富な情報を掲載でき、求人情報の変更がいつでもリアルタイムに行えるなど、バイトルは紙媒体にはない特徴を持っていた。世間に先んじて求人情報をオンラインに移行することで、求職者へ多くの情報をスピーディーに届けることを可能とし、求人情報のあり方を大きく進化させた。

その後、インターネットの発展と共にバイトルも成長していく。2004年4月には携帯電話3社の公式サイトからバイトルの情報を提供開始。業界に先がけ、GPS(全地球測位システム)を利用して近くの求人を探せる機能を搭載した。

こうしたインターネットならではの強みを活かした機能は、他の求人情報誌との差別化につながった。職場の様子を動画で閲覧できる機能は2010年6月にリリースされた。紙媒体ではできないサービスとして注目を集め、サービスの利用者を大きく伸ばした。当時はまだスマートフォンが普及し始める前で、動画は非常に斬新であり技術的なハードルも高いものだった。しかし早くからインターネットに特化してきたディップの技術力と、「求職者の仕事選びに必ず役立つ」という強い思いによって実現へと至った。

続けて2か月後の2010年8月には「応募バロメーター」機能を設置する。リアルタイムの応募状況を5段階で表示し、人気の仕事や掲載が始まったばかりの仕事などが一目でわかるようにした。競争率が分かるため、求職者が求人を選ぶ際に役立つ機能だ。

2018年3月には「しごと体験・職場見学」をリリースし、応募前に職場を見学・体験することでミスマッチをなくすことにつなげた。近年では、就業後に条件や環境のミスマッチが発覚し早期離職するケースもあり、求職者に向けて信頼性の高い情報を正しく発信することが重要となっている。そんな中で、2022年4月から仕事の魅力や職場のリアルな情報を客観的な視点で伝えるサービス「dipさんからのメッセージ」も提供を開始した。クライアント企業からは「第三者の視点から会社の魅力やリアルを伝えてもらえるのは、求職者にとっても信憑性が高まり、自社により合った人材採用が期待できる」「求人原稿によくみかけるアットホーム、明るい、楽しいのような掲載だけでなく、求職者の目線から自社では気づかなかった具体的な魅力や、逆に大変なことを伝えてもらえる。求職者へ臨場感が伝わることで動機付けができ、今まで課題だったスタッフの定着にもつながる」などの声が届いているという。

こうしたサービスの展開は、一筋縄では進まないことも多かった。応募バロメーターは求職者にとっては便利だが、企業にとっては応募状況が丸見えになってしまうため、クライアントからの抵抗もあった。しごと体験・職場見学にしても、現場の採用工数が多くなる取り組みだ。それでも必死でクライアントを説得し全力で推し進めてきたのは、一貫した「ユーザーファースト」の考え方があるからだ。サービス誕生当初から求職者に寄り添い、インターネットならではの情報鮮度と充実した内容で、一人ひとりが自分に合った仕事を選べる機会を創出するために取り組んできたからこそ、バイトルは20年続く一大求人情報サイトへと成長してきたのだろう。

働く人の待遇向上に向けた取り組みで社会課題を解決

ディップ株式会社提供

機能面での進化とともに、バイトルでは時代に合わせてさまざまな取り組みを行ってきた。ディップが掲げるビジョン「Labor force solution company」にのっとり、誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指して、ユーザーや顧客企業に対する積極的な活動を行っている。

例えば2011年6月、ディップは東日本大震災の復興支援施策「はたらくスマイルプロジェクト」を立ち上げた。「SMILE GIRL&BOY」という特設サイトを開設し、クライアント企業で働く人の笑顔を募集した。投稿数とSNSでのツイート数に応じて義援金を被災地に贈るというキャンペーンだ。また、「SMILE GIRL&BOY」のページから掲載された人が働いている企業の募集情報へアクセスできるようにすることで、仕事探しの支援を行った。

2013年5月には、各企業に時給アップを提案する「レイズ・ザ・サラリーキャンペーン」を展開した。アベノミクスにより正社員の給与アップが進められる中、なかなかアルバイト・パートなどの有期雇用者はその恩恵を受けられていなかった。そこで、バイトルから企業各社に時給の引き上げをお願いし、有期雇用者の待遇向上に取り組んだ。結果として5万8000件の求人で時給アップを実現、平均時給は3.4%上がったという。

新型コロナウイルス感染症が世界に拡大し始めた2020年3月には、有期雇用労働者のコロナ感染休業時の経済的支援策をいち早く打ち出した。バイトルやはたらこねっとなどを通じて就業している人が感染した際に、半月分の給与相当額を支給するというものだ。有給休暇などが取りづらいアルバイトやパートの人たちが、健康的不安だけでなく経済的不安まで抱えなくてもいいようにという配慮からこの施策は打ち出された。

また同時に、求人企業に向けて短期求人掲載枠の無償提供や、日々の生活を支える仕事を集めた特設ページの開設を行った。 2021年7月には、ワクチン接種を加速化させ安心・安全な環境づくりを後押しする「ワクチンインセンティブプロジェクト」を実施するなど、さまざまな形で求職者、求人事業への支援を行った。

2021年12月からは、営業担当者が「dipさん」として求職者に代わり給与アップなどを交渉する「ディップ・インセンティブ・プロジェクト」を実施。少子高齢化による労働力人口減少という構造的な課題に直面する日本は、主要国と比較すると年収の伸びが鈍く、賃金格差が社会課題となっているとして、このプロジェクトでは人手不足の課題解消とともに「働く人の待遇向上」の実現を図っている。

こうした取り組みはクライアント企業やユーザーの支持を集め、社員の士気も大きく高めてきた。時代の急激な変化によって自社も苦しい状況下で、常にユーザーのためにできることを探し最速で実行する同社の取り組みは、まさに「ユーザーファースト」を体現しているといえるだろう。

ディップ株式会社提供

これからもユーザーファーストで進化を続ける

こうした進化や取り組みを重ね、ついに20周年を迎えたバイトル。現在も「ユーザーファースト」な目線で新たな取り組みを続けている。

先述の「ディップ・インセンティブ・プロジェクト」では、2022年10月より新たに「時給178円UPでちょっとイイこと」というキャッチコピーのもと、全国19か所の大学でのプロモーションを開始した。学食トレイに「國學院大學の皆様、食後に自家製プリン、食べたくない?」「愛知学院大学の皆様、けやきテラスでのランチ、デザート欲しくない?」などのメッセージを掲載し、時給が178円上がったらできることをピンポイントで訴求するユニークなキャンペーンだ。

バイトルでは営業活動を行う採用コンサルタントが自ら、職場紹介動画や制服画像等の撮影・編集、さらには体験・見学応募機能などの説明や、顧客企業1社1社への時給アップ交渉までを行っている。決して楽な仕事ではないはずだ。それでもユーザーが仕事を通じて人生をより良いものにできるようにと願い、日々「dipさん」たちは奔走している。

ユーザーの満足度がクライアント企業の満足度向上にもつながり、「バイトル」は高い成長を続けてきた。「ユーザーファースト」なサービスを追求する姿勢は、この先の20年もきっと変わらないだろう。