2021年4月から、政府は従業員数が301人以上の大企業に対し経験者採用比率を公表することを義務づけた。経験者採用比率の公表は、個人の主体的なキャリア形成や人生の再設計を可能にするために義務化された。また、定年の引き上げが努力義務化されるなど勤続年数が延びる中で、シニア世代の再雇用を支援する背景もある。しかし、現状として多くの企業が経験者採用において若手の採用を強化する傾向がある。
株式会社学情は企業・団体の人事担当者を対象に、「経験者採用における採用対象」に関する調査を行った。
調査結果は以下の通り。
経験者採用において特に採用したい年齢層を尋ねたところ、「26~29歳」が44.4%で最多であった。さらに「20~25歳」も19.1%となり、「20代」と回答した人事担当者が63.5%を占めた。
経験者採用において採用対象となる年齢層を尋ねたところ、「26~29歳」が93.0%で最多であった。次いで、「30代」が83.6%、「20~25歳」が70.0%と続く。
また「40代」を採用対象に入れていると回答した人事担当者は44.6%で、「30代」と比べ著しく低い数字となった。さらに「50代」は16.0%、「60代」は3.2%と、年齢が上がるにつれ転職が難しくなることが分かった。
20代を対象にした経験者採用において採用対象者に求めることを尋ねたところ、55.3%の人事担当者が「社会人経験は求めたいが、業界/職種の経験は問わない」と回答し最多となった。「社会人経験を問わない」と回答した企業も15.2%に達し、「業界/職種の経験は問わない」とした企業が70.5%を占めた。
詳細結果はコチラ
今回の調査では、多くの企業が新卒採用も行う一方で、経験者採用においても若い世代を採用したいと考えていることが分かった。今後も中長期での戦力を期待した20代、30代の獲得競争が進んでいくと推察される。
調査機関:株式会社学情
調査期間:2023年4月7日~2023年4月21日
調査対象:企業・団体の人事担当者
有効回答数:444社調査方法:Web上でのアンケート調査
【参考URL】経験者(中途)採用で「特に20代を採用したい」と回答した企業が6割を超える。20代を対象にした経験者(中途)採用では、7割超の企業が「ポテンシャル」を重視した採用を実施/人事担当者アンケート