【新入社員向け】クライアントを知ろう!~新卒採用担当者の一日~

株式会社ネオキャリア
人事戦略本部 総合職採用ユニット 新卒採用グループ チームリーダー
渡邉 祥子 氏
わたなべ・しょうこ/2017年スターバックスコーヒージャパンに新卒入社。店舗立ち上げ等を経験。2021年に株式会社リクルート(旧:株式会社リクルートジョブズ)に入社。メディア領域にて求人広告営業を経験し、2023年に株式会社ネオキャリアの新卒採用グループに参画。

よい仕事をするためには「顧客理解」が重要だとよく言われます。人材業界ではたらく皆さんは、採用担当者が日々何を考えどんな仕事をしているのか知ってますか?今回は、株式会社ネオキャリアの新卒採用担当者にスポットを当て、採用担当の日常・リアルに迫ります。

人材営業を経て人事の道へ 〜ネオキャリア採用担当者の一日〜

渡邉祥子さんはカフェの店舗運営、リクルートでの人材営業の経験を経て、2023年ネオキャリアの新卒採用グループのチームリーダーとして入社しました。

毎年250〜300名ほどの学生を採用するネオキャリアでは、グループマネージャー1名、リーダー2名、メンバー5名の計8名で採用活動をしています。どんな役割分担で採用活動に取り組んでいるのでしょうか。

「ネオキャリアは、人材事業やヘルスケア事業、海外事業など複数の事業領域を持っているため、事業ごとに担当メンバーを割り当て、各事業部を志望する学生さんの面談をしています。ただし選考を伴う面接は担当制を設けず全メンバーで対応するほか、事業部にも協力を仰ぎ、多い月では事業部ごとに100件前後の面接組みをしています。メンバーの進捗管理と事業部との調整、採用支援会社とのやり取りが私の役割です」

続いて、新卒採用の年間スケジュールも伺いました。

ネオキャリアの新卒採用は11月、新規事業開発などに興味があるアッパー層の学生をターゲットにした早期選考からスタートします。その後年明けから本選考の準備に入り、3月〜4月は25卒の面接に集中。5月からは25卒の面接だけではなく、26卒の夏のインターンシップやナビサイトのオープンなど、次年度の新卒採用に向けた準備も並行して進めます。25卒の採用のピークは4月〜6月頃で、5月頃からは26卒向けの採用活動も並行してスタートします。

ネオキャリアではこのようなスケジュールに沿って、ナビサイトやエージェント、ダイレクトリクルーティングなど様々な採用手法を、アプローチする時期やターゲット、目的ごとに細かく使い分けていくといいます。

「ナビサイトは数ある採用サービスの中でも最も母集団が集まるチャネルなので、認知を広げ応募数を確保する観点からも、年間を通じて活用しています。一方、どの会社からもオファーが来るようなアッパー層は、なかなかナビサイトだけで採り切るのは難しいもの。優秀な学生さんとの接点をより多く持てるよう、エージェントも活用しながら採用を進めています。ダイレクトリクルーティングは、早期選考やインターンシップなど、早い時期向けのアプローチで使っていますね」

渡邉さんによると「1年の中で最も忙しいのが、本年度の選考と次年度の採用準備が重なる4〜6月の時期」とのこと。この時期はどのようなスケジュールで1日を過ごすのでしょうか。

「朝は学生さんやエージェントさんから来たメールや問い合わせの対応から始まります。その後朝礼に参加し、10時15分から12時過ぎまでは26卒向けのインターンシップ説明会の開催、合間を縫って社内ミーティングやリクルーターのアサインを行います。午後からは休憩を挟みつつ面接や面談、エージェントさんとの打ち合わせを行い、18時半過ぎに退勤することが多いです」

渡邉さんは目まぐるしいスケジュールの中でも学生一人ひとりと向き合うために「一日の中で30分から1時間、予定を入れない時間を確保すること」を大切にしていると話します。忙しいときにもバッファを設け、その時間で先々の準備や事前の連絡・フォローを行うことで、円滑に採用活動を進めているようです。

採用を成功させるため、コミュニケーションとインプットを大切に 〜現在の採用課題〜

より良い採用を実現するために、日々多くの学生とコミュニケーションを取る渡邉さん。しかし昨今の新卒採用の状況を踏まえ「自社を選んでもらうためには、学生との接点をさらに増やす必要がある」と続けます。

「今や新卒採用において、リクルーターの存在は当たり前のものになっています。その中で『どれくらいリクルーターが親身に接してくれたか』という観点で企業を選ぶ学生が増えているのです」

しかし、すでに面接やミーティングで予定が埋まってしまい、なかなか余裕が作れないのも事実。そこで電話やLINEといったアプローチも活用し、頻繁にコミュニケーションを取ることで、学生との関係を深める工夫をしています。

また新卒採用グループのリーダーの視点から、現在のチームの課題も話してくれました。

「新卒採用グループのメンバーは、新卒一年目から人事に配属されています。これには就活生と年齢の近いメンバーが採用に関わることで、より密な距離感を醸成する狙いがあり、またネオキャリアの社風である世代・年齢を問わない抜擢人事を体現しています。

一方で、現場の営業経験がない人が多いという点が課題にもなってきます。『うちの営業はどんな営業手法で、どんなふうにお客さんと関わるのか』といった具体的なイメージがあるかないかで、学生に伝えられる情報の粒度も変わってきます。営業から採用人事になった方と比較すると、どうしても情報量に差が生まれてしまうのが難しさですね」

業界や採用職種の仕事を深く理解し、学生へその魅力を伝えることも人事の仕事の一つ。そこでネオキャリアでは、日経新聞やNews Picks、HRogなどのニュースメディアを活用しながら、人材業界や営業についてメンバー全員で学ぶ時間を作っています。

自社理解や仕事を深めるだけではなく、採用競合の動きや求職者のニーズ、新卒採用のトレンドを追い続けることも重要です。そこで渡邉さんは内定者との懇親会で生の声を聞いたり、SNSのコメントや就活口コミサイトをチェックしたりしながら、学生のリアルな声をキャッチするよう心がけているそうです。

「例えば最近は『自分のキャリアが明確な状態で入社したい』という学生のニーズを反映して、職種別採用を行う企業が増えていると実感しています。特に営業職を志望する学生が年々減ってきている中で、『マーケティング』や『コンサルティング』など打ち出し方を工夫している企業が見受けられます。こうした動きを追いかけながら、自社はどんな訴求をすべきか常に考えていますね」

採用現場を知れば、さらに解像度の高い提案ができるはず 〜人材営業へ求めること〜

渡邉さんはリクルート時代、営業として多くの企業に採用ソリューションを提供しながら「実際の採用活動の現場をもっと知りたいと思っていた」と当時を振り返ります。

「営業として多くの企業の採用支援を行なってきたものの、母集団形成や面接・内定者フォローにどのくらいの工数がかかり、どんな苦労があるのか、知識ではなく体感として理解するのは難しいと感じていました。もしもその知見があれば、もっと解像度の高い提案ができたのではないかと思うんです」

その後ネオキャリアに転職、採用担当としての経験を積む中で、渡邉さんは多くの気づきを得たといいます。

「ネオキャリアのような数百名規模の採用では、一つの施策をとっても設計から実行まで何千時間もの時間がかかると身をもって知りました。また、もちろん採用人数という数値も大切ですが、たとえ入社に至らなくても、将来的にまた応募してくれるような良い関係性を築くことの重要性も実感しましたね。このような工数の目安や候補者体験(CX)に対する温度感を理解しておくだけでも、人材営業の提案の精度は高まるはずです」

人材営業、そして採用担当者の経験を踏まえて、採用活動で大切にしているポイントが3つあると言います。

会社のリアルな情報をオープンにすること

「どれだけ会社の情報を的確にオープンにできるかが、これからの新卒採用のカギを握ると思います。魅力や強みだけではなく、伝えられる限りの社内の詳細なデータや数字、リアルな課題も正直に伝え、学生さんが選考に進むべきかどうか判断できる状態を作ることが重要です。マイナスな面も伝え、それをどう変えていくかを説明することが、信頼につながるのではないかと思います」

自社とのフィット感を伝えること

「自社とのフィット感を伝えることも大切にしています。候補者が持つ強みがネオキャリアでどう活かせるのか、どのように評価されるのかを具体的にお伝えすることで、将来を具体的にイメージしてもらえるようにします」

自社の立ち位置を俯瞰すること

「自分の会社が業界や採用マーケットにおいてどのような立ち位置にいるのか、常に把握することが重要です。『学生さんが自社だけしか見ていない』という状況は絶対ないからこそ、自社を俯瞰して見たときにどう見えるか、自社の強みや弱みがどこにあるかを明確にすることが、採用市場で戦う上での第一歩です」

仕事を通じて様々な人と出会い、自分の価値観を広げよう

渡邉さんが採用活動をするうえで人材営業に求めていることを尋ねると、「プラスアルファの情報提供を期待しています」と回答が返ってきました。

「新卒採用の話だけでなく、中途採用も視野に入れた人材マーケット全体の視点から情報を提供してくれる営業の方は非常にありがたいです。他社の採用状況や市場全体のトレンドなど、広い視野からの情報提供も採用戦略を立てる上で大いに役立ちます。

過去に担当してくださったとある営業の方は、学生さんの紹介だけでなく、他社の状況や自社の立ち位置も踏まえて採用の進捗に対するフィードバックを毎回提供してくれました。こうしたプラスアルファの価値提供をしようとしてくれる姿勢の営業の方とは、ぜひお取引を続けたいですね」

最後に人材業界を経験し、今は採用担当者として働く渡邉さんから、人材業界の新人営業に向けてのメッセージを伺いました。

「人材業界は、多くの業界や業種の方と出会い、自らの価値観を広げることができる素晴らしい業界です。私自身も人材営業の経験があったからこそ、視野が大きく広がり、これまで考えてこなかったベンチャーへの転職を選びました。自分の仕事をより豊かで楽しいものにするために、1日1日を大切にして頑張ってくださいね」

(鈴木智華)