人材業界に足を踏み入れたばかりの時期は、「用語が分からず先輩の話についていけない」なんてこともありますよね。この記事では、人材業界で頻出の「最低限これだけは知っておきたい用語」を解説します。人材ビジネスに携わる前の、業界知識の把握にぜひお役立てください。
目次
人材業界のサービスに関する用語
HRとは「Human Resource」の略で、「人的資源」を意味する言葉です。「ヒト・モノ・カネ・情報」は会社の存続や成長に欠かせない経営資源とされており、近年は中でも「ヒト」の持つ力に注目が集まっています。
「HR業界」に近い言葉として「人材業界」がありますが、「人材業界」は主に人材採用に関連する領域を指し、「HR業界」は人事や従業員エンゲージメントなどより幅広い領域を指します。
求人広告とは、採用企業が求職者を集めるために、求人媒体(サイト)に求人を掲載するビジネスです。新卒向け、中途向け、アルバイト・パート向け、派遣向けなど、求職者の属性ごとにさまざまなサービスが展開されています。
また、求人広告の運営会社に代わって広告の掲載枠を販売する企業のことを「求人広告代理店」と言います。
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人材紹介とは、採用企業が求める人材像をヒアリングした上で、求職者データベースの中から条件に合う求職者を紹介するマッチングビジネスです。企業と求職者をエージェントが仲介するのが特徴で、内定・雇用が決定すれば紹介手数料が発生します。
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人材派遣とは、人材派遣会社が派遣社員を就業先に派遣するビジネスです。派遣会社は派遣スタッフと雇用契約を結び給与を支払います。派遣スタッフが実際に就業する現場である「派遣先企業」は、派遣スタッフと雇用契約を結びません。
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HR Techとは、「Human Resource」と「Technology」を組み合わせた造語です。テクノロジーの活用によって採用活動や勤怠管理、人材育成、組織マネジメント、人事評価などの人事領域の業務の改善を行うソリューション群を総称します。主なサービスとして、後述するATS(採用管理ツール)などがあります。
BPOとは「Business Process Outsourcing」の略で、ビジネスで発生する業務プロセスの一部を、企画・設計から実施まで一括して外部委託することを指します。
一般的な人材派遣やアウトソーシングの場合、請け負うのはあくまでも人員リソースの提供や業務の代行であり、業務の指示・管理・改善は発注元の社員が担います。一方でBPOでは、ビジネスプロセスの構築と管理・改善方針の策定なども含めて外部委託先に任せられるため、委託先企業の裁量が大きいのが特徴です。
RPOとは、「Recruitment Process Outsourcing」の略で、求人発注や応募受付の代行、面接の手配など、採用の外部委託を指します。採用代行と呼ばれることもあります。
キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択やキャリア設計、職業能力の開発などに関して相談を受け、アドバイスや指導を行うことです。キャリアコンサルティングの専門家をキャリアコンサルタントといい、国家資格もあります。
スポットバイトとは、人材が必要なときのみ雇用する短期的なアルバイトのことです。就業期間は半日から1日、1週間などさまざまで、自分の都合に合わせて働けるとして近年注目されています。スキマバイトやギグワークと呼ばれることもあります。
求人検索エンジンとは、インターネット上のさまざまなサイトにある求人情報をクローリング(収集)し、1つのサイトに情報を集約したものです。有料の求人サイトに掲載している求人だけでなく、自社の採用ページに求人を掲載している場合でも自動で収集されます。
ATSとは「Applicant Tracking System」の略で、「採用管理システム」を指します。採用フローの設計や選考状況管理、必要書類の送付、求職者とのやり取りなどを一括で行えるツールで、HR Techの代表とも言えます。
求人広告を掲載する際、どの段階で料金が発生するかを表します。「掲載型」は広告の掲載自体に料金がかかり、「クリック型」は求職者が求人をクリックした数(閲覧数)によって料金が決まります。「応募型」は求職者が求人に応募した際に、「採用型」は採用に至った際に料金が発生するタイプで、成果報酬型とも呼ばれます。
採用単価とは、人材を採用するためにかかった一人当たりの平均費用を指します。「採用にかかったコスト÷採用人数」で表され、採用単価が低ければ効率の良い採用ができていると言えます。採用にかかったコストには、求人サービスの費用だけでなく採用担当者の人件費やATSの利用料金なども含まれます。
コーディネーターとは、人材派遣において求職者に合った仕事を紹介しマッチングする役割のことです。人材派遣会社には営業担当者(企業担当)とコーディネーター(求職者担当)で分かれている企業と、企業側も求職者側も営業担当者が一括して担当している企業があります。
採用に関する用語
ダイレクトリクルーティングとは、求人広告や人材紹介などを用いずに企業が求職者に直接アプローチする採用手法のことです。スカウトとも呼ばれ、採用コストが抑えられる、自社に合う人材とマッチしやすいなどのメリットがあります。
ソーシャルリクルーティングとは、SNSを通じて求職者にアプローチする採用手法のことです。ダイレクトリクルーティングの一種であり、FacebookやLinkedIn、Twitter、YouTubeなどがよく利用されます。
リファラル採用とは、従業員のつながりで知人や友人を紹介・推薦してもらう採用手法です。一定の信頼性があるほか、従業員の帰属意識の向上、ブランディングの促進などに効果があると言われています。
オウンドメディアリクルーティングとは、自社で保有・運営するメディアを用いた採用手法です。自社の採用サイトやSNSアカウントを通じて社風や価値観を発信しやすく、自社にマッチする人材を採用しやすいメリットがあります。
ヘッドハンティングとは、他社で働く優秀な人材を自社に引き入れる採用活動のことです。経営幹部や幹部候補、マネージャーや専門職など、採用難易度が高いハイクラス層が対象になります。ヘッドハンティングサービスにはエージェントが独自に人材を探して紹介する「サーチ型」と、求職者側がサービスに登録しスカウトを待つ「登録型」があります。
メンバーシップ型雇用とは、業務の内容や勤務地を限定せずに採用する雇用体系のことです。日本の新卒一括採用文化はこの雇用形態の元で成り立っており、メンバーシップ型採用では人間性やポテンシャルを重視して採用を行います。
ジョブ型雇用とは、人ではなくポジションに対して報酬が設定されている雇用形態のことです。アメリカなどで主流の形態で、ジョブ型採用では職務内容を明確に定義した「職務経歴書(ジョブディスクリプション)」を作成して採用を行います。
タレントプールとは、将来自社の採用候補者となりそうな人材のデータベースのことです。今は転職を考えていない人材だとしても、自社に合う人材とつながりを構築し、定期的にコミュニケーションを取っていくことで、適切なタイミングで自社応募を促すことができます。
転職顕在層とは、今すぐ転職したいと考えている人のことです。一方転職潜在層とは、明確な転職時期を設定せず、良い求人や会社があれば転職したいと考えている人のことを指します。
スカウトとは、求人サイトや転職SNSにおいて企業側から求職者へ直接勧誘をおこなうことです。企業の人事担当者は求職者のプロフィールや職歴、スキルなどを見て、気になる人材にメッセージを送ります。
カジュアル面談とは、企業と求職者が選考前に顔を合わせ、相互理解を深めることを目的とした面談です。採用の合否と直結しないため気軽に参加でき、通常の面接よりも素に近い状態で相性を確かめられるメリットがあります。
採用CXとは、候補者が企業を認知してから選考を終えるまでの一連の流れの中で、求職者が得られる学びや感情などの「体験」のことです。企業は選考でのタッチポイント一つひとつに価値を提供することで、「(採用の合否に関わらず)この企業を受けてよかった」と感じてもらうことを目指し、採用力向上ならびに自社のファン獲得に繋げます。
EXとは、従業員が会社の中で働くことを通して得る全ての経験のことです。働くことで得られるスキルや経験のみならず、福利厚生をはじめ、組織内のさまざまな要素から構成されており、感情的な経験も大いに関係してくるのが特徴です。EXの向上は離職防止や採用成功に影響するとされています。
オンボーディングとは、新たに採用した社員の受け入れから定着・戦力化までを早期に行うための施策のことです。「船や飛行機に乗っている」という意味の「on-board」から派生した言葉で、社員の成長スピードを早めるほか、早期離職を防止する効果があります。
従業員エンゲージメントとは、企業と従業員との関係性を表す言葉です。従業員が企業に対して帰属意識や愛着を持ち、仕事に誇りを持って取り組んでいる状態は「従業員エンゲージメントが高い」と言えます。従業員エンゲージメントを高めるためには、従業員が熱意をもって企業に貢献し、企業側もそれに報酬や承認をもって報いる相互の関係構築が必須です。
タレントマネジメントとは、従業員が持つスキルや経験などを把握し、それを育成・人材配置・採用などに生かすマネジメント手法です。単なる人材管理とは異なり、従業員それぞれのポテンシャルを最大限に引き出すことを目的としています。
アルムナイとは、「企業の離職・退職した人の集まり」を指す言葉です。「卒業生」「同窓生」を意味する英語の「alumni」から派生した用語で、企業がアルムナイと関係を持ち続けることにより再雇用や副業、協業、ビジネス連携などのメリットが見込めると注目されています。
まとめ
今回は人材業界の絶対に知っておきたい用語をご紹介しました。この他にもさまざまな人材用語がありますので、ぜひHRogの記事を読んで知識を身につけて行ってくださいね!