「2021年春の通年採用の導入」賛成29.5%、「高校生の一人一社制の見直し」賛成47.3% 日本財団『18歳意識調査』

日本財団は8月下旬、2021年春の新卒生からの導入が決定している「通年採用」と、一人の生徒が応募できる企業を一定期間一社とする「一人一社制」の見直しという新たな動きを中心に18歳意識調査を実施しました。新しい制度の導入にあがった若者たちの賛否の声とその理由が明らかになりました。

18歳意識調査とは

日本財団では、次代を担う18歳の意識を幅広く理解し新しい社会づくりに役立てるため、18歳の若者が何を考え、何を思っているのかを継続して調べる意識調査を2018年10月からスタートさせました。今回の調査は18回目となり、初めて高校生の就職活動に関する質問が実施されました。

「2021年春の通年採用」賛成29.5%、反対6.4%、わからない64.1%

通年採用に対して賛成は29.5%と、反対に対して大きく上回る結果となりました。賛成の理由は、「企業・学生とも時間をかけて相手を選べる」(54.2%)が最も多く、次いで「企業が実績や能力のある人材を獲得できる」(43.4%)、「就労形態が多彩になる」(42.7%)が上位にあがりました。

一方、反対の理由は、「就職活動期間には区切りがほしい」「実績がない新卒には不利」(各35.9%)「就職活動が長引く」「勉学に支障がでる」(各32.8%)と、学生ならではの心配の声もあげられています。

高校生の就活「一人一社制の見直し」賛成47.3%、反対4.3%、わからない48.4%

一人一社制を見直す動きに賛成の理由としては、「いろいろな可能性を試せる」、「複数の企業に応募できるようになると選択肢が増える」などの意見が目立ちました。また、「高校生と大学生で就活のルールを変える意味が分からない」、「高校生にも大学生同様の権利を与えるべきだと思う」など、高校生と大学生でルールが違う点の不公平さを指摘する声もあがっています。

一方、反対理由としては、「知識が浅い段階では1つに絞って勉強した方がいい」、「高卒生は慎重に就職先を決めるべき」、「大卒を優遇してほしい」といった、大学生の立場からの回答もあげられました。

人手不足が叫ばれている現代において、有力な労働力となっていく現在の高校生。若者への就職支援や制度改革をきっかけに、企業においてもスムーズな採用活動につながることが期待されます。

実施概要

対象:全国の17~19歳男女
回答数:1000人
期間:2019年8月8日(木)~8月10日(土)

【参考URL】
「2021年春の通年採用の導入」賛成29.5% 反対6.4%、高校生の就活「一人一社制の見直し」賛成47.3% 反対4.3%