【anのその後#2】データで見るan終了。an掲載企業はどこへ?

an終了の衝撃。その後を追う

2019年11月に、惜しまれながら50年以上の歴史に幕を下ろすことになったアルバイト求人情報サイト「an」。アルバイト領域の老舗である同サイトの終了に驚いた人も多いのではないだろうか。今回の特集では「an」とその関係者にスポットを当て、激変するアルバイト求人市場の最前線を追う。

2019年11月25日のan閉鎖により、アルバイト求人市場にどのような変化があったのでしょうか? HRog運営会社のゴーリストが収集しているHRogリストのデータを元に、HRog編集部が調査しました。

終了発表~閉鎖直前のanの変化とは?

an終了が発表されたのは2019年8月1日。ここでは終了発表後から閉鎖直前にかけて、anの影響力がどのように変化したかを見ていきましょう。

HRogリストのデータを元に作成
アルバイト求人媒体市場における求人件数シェア率の変化

調査期間  :2019年8月5日、2019年11月25日
集計対象媒体:an、イーアイデム、エンバイト、求人アスコム、タウンワーク、バイトーク、バイトル、フロムエー、マイナビバイト、マッハバイト(五十音順)

an終了発表の時点でアルバイト求人媒体市場におけるanのシェア率は13.5%(383,817件)。リクルートジョブズ運営の「タウンワーク」に続く求人件数シェア率第2位のメディアとして君臨していました。

閉鎖直前の11月25日時点では、8月時点で3位の「求人アスコム」、4位の「バイトル」と順位が入れ替わり求人件数シェア率第4位(9.7%、287,631件)となっています。an終了が近づくにつれて影響力が相対的に小さくなっているものの、閉鎖直前時点で250,000件以上の求人件数を誇る一大メディアであったことが分かります。

それではan終了後、anに求人広告を掲載していた企業はどのような動きを見せたのでしょうか?

an終了でアルバイト市場に起こった変化とは?

データを分析する前に、今回の調査方法を説明します。

①an掲載件数TOP1000社をピックアップ
HRogリストのデータを元に、終了直前から3カ月間さかのぼって掲載件数上位1000社をピックアップ。「終了直前までanにたくさん求人を出稿していた企業」を特定します。ちなみにan掲載件数上位企業は以下のような企業になります。

HRogリストのデータを元に作成

②TOP1000社の利用状況を追跡
ピックアップした1000社に対してan終了前後の求人媒体利用状況を比較、各社がどの求人媒体にどのくらい求人出稿を増やしたか、調査します。

また今回の調査をおこなう上での仮説として、an終了後のan掲載企業の人材募集パターンを3つ想定しています。

an終了後の人材募集方法

パターン①他媒体で件数を増やす
an以外の求人媒体の出稿を増やすことで露出を増やし、応募を集めようとする

パターン②他媒体で上位表示
もうすでに掲載している求人の広告プランを上げることで露出を増やし、応募を集めようとする

パターン③媒体以外を利用
求人検索エンジンやATSなど、求人媒体以外の手法を利用して応募を集めようとする

以上の3パターンの変化を想定して、企業がどのような動きをしたか求人データを元に分析していきます。

an掲載企業の6割の企業が「求人媒体以外の手法」を使いはじめている?

HRogリストのデータを元に作成
an掲載企業上位1,000社の動き

調査期間  :2019年11月、2019年12月
集計条件  : 各月第一月曜日時点の各企業の出稿状況を集計、差を比較
調査対象企業:2019年9月~2019年11月中のan出稿件数上位1000社
集計対象媒体:
(件数)イーアイデム、求人アスコム、タウンワーク、バイトーク、バイトル、フロムエー、マイナビバイト、マッハバイト
(広告プラン)イーアイデム、タウンワーク、バイトル、フロムエー、マイナビバイト
※予想出稿金額とは広告プランの定価をベースに、HRogリストの独自ロジックで判定した出稿金額のこと。実際の販売価格を反映したものではありません。

an終了後に他のアルバイト系媒体への出稿を増やした企業は1000社中398社、また出稿金額を増やした企業は400社という結果になりました。約40%の企業がan終了後に別の求人媒体への追加発注をおこなったことが分かります。

一方でan終了前の出稿状況を引き続き維持した企業、また出稿を減らした企業を足し合わせると約600社になりました。これらの企業の中にはan出稿に使っていた採用費を求人検索エンジンやATS、リファラル採用ツールなど求人媒体以外の手法に投下している可能性がある、と予測できます。

それでは出稿件数を増やした約40%の企業は、具体的にどの媒体への出稿を増やしたのでしょうか?

an掲載企業からの求人出稿件数を伸ばしたのは「求人アスコム」「タウンワーク」

HRogリストのデータを元に作成
an掲載企業からの出稿増加件数ランキング

調査期間  :2019年11月、2019年12月
集計条件  : 各月第一月曜日時点の集計対象媒体に対する各企業の出稿状況を集計、その増減を比較
調査対象企業:2019年9月~2019年11月中のan出稿件数上位1000社のうち、集計対象媒体への出稿を増やした398社
集計対象媒体:イーアイデム、求人アスコム、タウンワーク、バイトーク、バイトル、フロムエー、マイナビバイト、マッハバイト

an終了後アルバイト系媒体8媒体への出稿件数を増やしたのは398社。終了前後を比較したときの出稿増加件数の合計は+169,688件でした。そしてその増加分のうち約40%(65,867件、38.8%)を「求人アスコム」、約30%(52,457件、30.9%)を「タウンワーク」が占めることが分かりました。

求人件数ベースでみると、anに出稿していた企業の多くは求人数の豊富さが魅力の「求人アスコム」「タウンワーク」に流れているように見えます。求人1件あたりの出稿単価が気になるところです。

まとめ

今回はan終了前後の求人掲載データを元に、an終了後のアルバイト求人市場の変化を調査しました。

an終了後のアルバイト求人市場の変化まとめ

・an出稿件数上位企業のうち約6割が、an終了後に求人媒体の利用を据え置きまたは減らし、媒体以外の手法を検討・活用している可能性がある
・an終了後、an出稿件数上位企業からの出稿件数を増やしたのは「求人アスコム」「タウンワーク」

あくまでも求人データから見える予測ではありますが、アルバイト採用領域で働く方の参考になれば幸いです。

(HRog編集部)

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