【エンジニア求人特集 #3】求人出稿金額から見える、エンジニア求人の媒体ニーズとは?

今年のエンジニア求人市場を徹底分析!エンジニア求人特集

毎年ご好評いただいているHRogの「プログラミング言語別給与ランキング」。2018年にして5回目を迎える今回は、「エンジニア求人特集」と題して、恒例の給与ランキングに加えて様々な軸から2018年ITエンジニア採用の求人動向をより深く分析していきたいと思います!

人材不足のニュースがメディアを大きく賑わせた2018年、エンジニア求人も大きな伸びを示しました。エンジニア採用の難しさにさらなる拍車がかかる中、エンジニア採用の求人トレンドはどのように変化しているのでしょうか?

人材業界・エンジニアの採用に携わる方は必見の特集です!

人材業界に携わる方なら、「求人広告の出稿金額の高い求人の特徴はどのようなものか」気になる方も多いと思います。今回はそんな方のために、2018年求人媒体に掲載されたエンジニア求人を出稿金額の観点から分析していきます。

HRogをお届けしている株式会社ゴーリストでは、日本中の求人媒体の求人データを収集・分析しております。その分析軸の一つとして、ゴーリスト独自のアルゴリズムをもとに広告プランを判定し、求人広告の出稿予想金額を算出しております。

今回HRog編集部は求人1件当たりの出稿金額に注目。概算とはなりますが、プログラミング言語別に求人1件あたりの求人広告出稿金額を集計し、ランキングにしてみました。

求人1件あたり広告出稿金額ランキング!

※本記事は「HRogリスト」のデータをもとに作成しています。
※予想出稿金額の総額を求人件数で割り、「求人一件あたりの出稿金額」を言語別に算出しています。

出稿金額を求人件数で割った1件あたりの出稿金額のTOPは、レガシー言語の代表格のCOBOLでした。

COBOLは1959年に開発された事務処理用の開発言語で、PCやWebが開発されるよりずっと以前より、銀行の勘定系システムや企業の給与計算処理など、大規模なデータ処理に利用されてきました。

利用範囲が限られ、代替する言語も盛んに登場する中、エンジニアには不人気な言語といえるCOBOLですが、長年COBOLで開発されてきた既存システムの規模は大きく、代替するシステムへのリプレイスが困難であることを背景に、そのメンテナンス需要は限られた規模ながら残り続けている状況です。

1件あたり出稿金額ランキング:1位 COBOL

1件あたりの出稿金額:50,454円
出稿金額総額:29,667,500円
掲載件数:588件

1件あたりの出稿金額が高い言語は旧来の言語が多い

COBOLに次いで2位はVisualBasic、3位はC#と、業務系システム開発で古くから多く利用されてきた言語が上位に入りました。

旧来の言語を求めている企業側と旧来の言語を扱うエンジニア側の双方が慣れ親しんでいる、求人媒体による採用が引き続き主体になっていると言えるでしょう。

以下の表はソートが可能となっております。広告出稿総額や変動率でソートしてみて、気になる言語の順位をチェックしてみてください。


対象媒体:doda、Find Job、Green、type、エン転職、バイトルNEXT、マイナビ転職、マイナビ転職エージェントサーチ、リクナビNEXT、リクルートエージェント、転職ナビ(順不同)
調査日:2018年1月1日、2018年12月3日(グラフは12月3日分の数値)
調査対象総件数:440,320件(2018年1月1日、12月3日掲載の全職種求人データのべ件数)
調査方法:以下の20言語(ActionScript,C#,C++,COBOL,C言語,Go言語,Java,JavaScript,Kotlin,Objective-C,Perl,PHP,Python,Ruby,R言語,Scala,Swift,TypeScript,VisualBasic,アセンブラ)を対象に、原稿の仕事内容、応募条件の項目内に各プログラミング言語の表記が含まれる求人データを集計、分析

※本記事は「HRogリスト」のデータをもとに作成しています。

※予想出稿金額の総額を求人件数で割り、「求人一件当たりの出稿金額」を言語別に算出。
※「出稿金額変動額」とは、2018年1月1日と比較した際の2018年12月3日の出稿金額の変動金額のこと。
※「出稿金額変動率」とは、2018年1月1日と比較した際の2018年12月3日の出稿金額の変動率のこと。

全体での出稿金額は減少傾向

次に、出稿金額総額の面から求人を分析したいと思います。

先ほどの表を出稿金額総額でソートしてみていただくと分かるように、出稿金額総額で1位になったのは、出稿件数でも1位だったJavaでした。Javaは特に業務系システムでの需要が多く、求人広告に予算を掛けやすいSIerなどによるエンジニア採用規模の大きさが、金額規模の裏付けとして考えられます。

ただJavaの出稿総額の増減でみると6.5%のマイナス、全体の総計でも1.7%のマイナスとなっており、求人媒体への出稿金額は減少傾向にあります。このような事態が起こっている背景として、エンジニア採用手法の多様化が考えられます。

エンジニアがどんどん採用しづらくなっている昨今、リファラル採用や成果報酬型の求人媒体など、従来型の求人広告形態ではない新しい採用手法が広がっています。このような背景から、IT業界の好況とエンジニア求人の高い需要とは裏腹に、求人媒体への依存度が下がりつつあるようです。

そんな中でも出稿金額が堅調な言語をみていくと、従来型のシステム開発で利用される言語や、求人需要がひっ迫している言語が挙げられます。

従来型の出稿金額が減少しているとはいえ、企業のエンジニア採用予算自体は上昇しています。売り手市場の中でいかにマッチング度合いの高いエンジニアを集められるかが、今後より問われてくるでしょう。

まとめ

第3回エンジニア求人特集、今回は「求人出稿金額から見える、エンジニア求人の媒体ニーズとは?」と題して、求人一件あたりの広告出稿金額と広告出稿金額の総額について調査・分析を行いました。

次回記事では、給与、件数、広告出稿、ともに好調だったJavaScriptに着目し、「JavaScript3大フレームワークの求人動向徹底分析!」をお送りします。

ITテクノロジーの中でも特に技術の進化と変化が早いWebフロント領域でカギとなるJavaScript3大フレームワークについて、その技術解説も交えながら、求人動向により深く切り込んでいきます。

さらに求人情報を分析したい方へ

HRog運営会社の株式会社ゴーリストは人材業界のパートナーを目指し、求人広告ビッグデータを利用した人材業界の営業活動の効率化を図るサービス「HRogシリーズ」を提供しています。

各サービスには無料で試せるフリープランもご用意しております。求人ニーズのある企業の開拓や営業活動の効率化にご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。

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※本記事は「HRogリスト」のデータをもとに作成しています。

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(HRog編集部)