【HR Tech特集】 人事の動きが最重要? リファラル採用がうまくいく会社、いかない会社の3つの軸 – HRog | HR業界、採用に関するニュースメディア

【HR Tech特集】 人事の動きが最重要? リファラル採用がうまくいく会社、いかない会社の3つの軸

HR Techの正体にせまる!今話題のHR Techサービス特集

ここ数年ですっかりなじみの言葉となりつつあるHR Tech。「言葉は知っているけれど、その本質は今いち、よく分かっていない…」「日々登場し続けるさまざまなサービスを把握するのは一苦労…」 この記事ではそんな人に向けて、今話題のHR Techサービスを掘り下げてご紹介します!

社員に人材を紹介・推薦してもらう採用手法「リファラル採用」がいま盛り上がっている。今回はなかでもリファラル採用に特化したHR Techサービスを運営する株式会社MyReferにスポットを当てた。代表取締役社長の鈴木貴史氏は、元インテリジェンス(現パーソルキャリア)の新規事業カンパニー長として日本のリファラル採用市場の創造と啓蒙に取り組んできた経験を持つ。多くの企業支援に携わってきた中で、なぜリファラル採用をテーマに事業を始めたのか。リファラル採用のポイントや未来について、鈴木氏に話を聞いてみた。

株式会社MyRefer
代表取締役社長
鈴木 貴史氏

すずき・たかふみ/1988年和歌山県生まれ。株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、 ITネット業界を中心に企業の中途採用を支援。全社新人賞を受賞後2014年に社内ベンチャー制度「0to1」をインテリジェンス歴代最年少で通過。国内初のリファラルリクルーティング事業 MyReferを立ち上げ事業責任者に就任。9ヶ月で黒字化を実現し社内ベンチャーカンパニーCEOとして事業拡大を牽引。2018年同社から事業譲渡により完全独立し、スピンアウトベンチャー株式会社MyReferを設立、代表取締役に就任。

『個人・法人が自分達の潜在ポテンシャルを最大限生かした転職採用活動を』

株式会社MyReferはサイバーエージェント以来初となるパーソルからのスピンアウトベンチャー。元々『MyRefer』はパーソルの新規事業創出プログラム『0to1』で採用され、2014年に事業化された。鈴木氏がリファラル採用を事業テーマにした背景には、企画営業担当として企業の採用サポートを行う中で感じていた従来のマッチングへの疑問があった。

「元々世の中のインフラとなるような新たな概念を生み出したいという想いでインテリジェンスに入社しました。しかし、現場で採用コンサルをしていく中で、『日本の転職・採用市場は本質的な雇用の最適配置と流動化』が行われていないことに気づき、個人・法人が自分・自社のポテンシャルを最大限生かした転職採用活動をするのは難しいと感じるようになりました」

企業は書類上経歴などのハード面のみで人物のスクリーニングをし、個人は自らの本質的な市場価値ではなく、経験やスキルのみで転職をする。終身雇用の市場のなかで、個人はなかなか転職というチャレンジに踏み切れず、自社にぶら下がり続ける。

「これでは日本のGDPは下がる一方だということに危機感を感じ、それならば法人・個人が最大限ポテンシャルを活かせるマッチングの在り方を創ろうということでリファラル採用に行きつきました」

「人を採用したい企業が自社の社員をエージェント化して、よく知っている友人・知人を自分の会社に紹介したら、互いを深く理解し合える本質的なマッチングができるのではないか。そうすることで人材の流動性も高まる。既存の転職・採用市場も広がっていき、業界全体が変わっていくはずだと考え、大手人材会社として業界のインフラを担っている我々がこのルールを創ろうとMyReferを立ち上げたのです」

「今でこそ採用市場において認知を獲得した『リファラル採用』というワードですが、当時MyReferがサービスをローンチした2015年にはまだ概念すらありませんでした。当時の採用手法は信頼できる社内外の人脈を活用した戦略的採用手法ではなく、縁故採用という待ち型採用でした」

「それが、ダイレクトソーシングなどの自社採用力強化の文脈の中で、戦略的に自社の社員リソースを活用する必要性を啓蒙し続けた甲斐もあり、採用単価の削減、マッチング率向上、エンゲージメント向上などの観点で人事が注目する採用手法になってきました」

リファラル採用のニーズは3年で3倍に!市場のトレンド自体が“リアルな情報”に移行している

ここ数年で採用手法の一つとして定着しつつあるリファラル採用だが、実際に取り組む企業は増えているという。

「2014年に調査したデータと比べると、『リファラル採用をしている』『制度を準備している』『制度はないけどやっている』という企業が2017年には約3倍になっています。『実施していない』という企業がガクンと減っていることからも、企業のニーズが高まっていることを感じます」

リファラル採用が注目される背景には、市場のトレンドの変化があると鈴木氏は指摘する。

「市場のトレンド自体が“リアルな情報”に移行していると思っています。例えば食の分野では、『ホットペッパーグルメ』などのサイトに情報が溢れ、『食べログ』などの口コミサイトによって口コミによるレーティングが始まりました。そしてもっと身近な誰かが良いと言っている情報が求められるようになって『Retty』が出てきた。採用にも似た流れがあって、個人の転職も徐々にリファラルの割合が増えてきています。『an』の調査によるとアルバイトでは2015年の段階で約35%が友人からの紹介でバイト先を決めている。個人側のトレンドはより“リアルな情報”に寄っていると思います」

アルバイトでリファラル採用の親和性が高い理由は3つある。1つは求職者数が3000万人と、転職者数のおよそ10倍のボリュームがあること。2つ目は勤務地や給与などのマッチング変数が中途採用に比べて少ないこと。そして3つ目は紹介する側の責任が軽いこと。

また、企業側にとっては「MyReferなどのツールを通じて店舗の動きを本社が把握しやすくなったことで、リファラル採用がやりやすくなったのでは」と鈴木氏は分析する。実際にMyReferを導入している有名ファストフードチェーンは、年間340名ものアルバイトをリファラルで採用しているという。

リファラル採用がうまくいく会社・いかない会社の3つの軸

一方の中途採用は、リファラル採用がうまくいく企業に、はっきりとした傾向がある。以下の企業軸、社員軸、人事軸のそれぞれが大きいほど、リファラル採用は活性化しやすいという。

  • 企業軸:従業員数×採用人数
  • 社員軸:ロイヤリティ×IT(SNS)リテラシー
  • 人事軸:ミッション×巻き込み力

企業軸での分析

企業ステータスはその企業のリファラル採用のポテンシャルを判断できる。 社員数が多ければ多いほど社員の繋がりの数は指数関数的に多くなり、かつその企業の採用人数が多ければ多いほど紹介する出先は広くなる。社員数、採用数ともに少ない企業は優秀な人材を一本釣りするハンティング型のリファラル採用には期待できるものの、繋がりに限界があるので母集団拡大チャネルとしての期待値は少なくなる。

社員軸での分析

社員軸はその会社のリファラル採用への適正度合いを判断できる。
社員の自社ロイヤルティが高ければ高いほど紹介することに対するハードルは下がり、ITリテラシーがある企業のほうがSNSによるバイラル効果も相まってリファラル採用はワークするケースが多い。社員の平均年齢が高いレガシーな業界などはオープンに声がけする文化が醸成できず苦戦するケースが多い。

人事軸での分析

中でも重要なのが、人事軸だ。 人事が自社社員を巻き込める会社かどうか、またリファラル採用の浸透をミッションとして自分事で感じているかどうかは大きなポイント。

「他の企業軸や社員軸の条件が揃っていたとしても、人事が最初のスタートをうまく切れなければ上手く回りません。現場社員から『また人事がややこしいことをやっている』と思われてしまっているうちは機能しませんから、人事の現場の巻き込み力、言葉を変えると採用マーケティングの視点が必要です。巻き込むためにどのようなゲーム性が必要で、どういうメッセージを伝えなければいけないのか。その後に現場がどのような行動をしてくれるのかを設計した上で、社内を動かすことが求められます。自社の社員やカルチャーを一番知っているのは人事担当者ですから、どうやったら社内を巻き込めるのか、やり方は考えられると思います」

「巻き込むポイントは経営陣を前向きにさせること」と鈴木氏は続ける。

「メルカリをはじめ、経営の側に人事を置いている会社ほどリファラル採用も上手くいっています。これから取り組む場合は、リファラル採用の“採用以外”のメリットを提示すると、経営を巻き込みやすいと思います。社員のリソースを活用することで採用コストを下げられること、社員が採用活動に参加することでロイヤリティや帰属意識が高まり、離職率が下がることをしっかり伝える。動ける人事の方はこういうアプローチができている印象です」

一方でリファラル採用がうまくいかない企業もある。リファラル採用では候補者と同時に現場社員を巻き込む必要があるわけだが、その際にありがちなのが、インセンティブの制度設計だけして終了というケース。

「リファラル採用において、インセンティブがトリガーになって積極的に声をかける層は全体の1割程度です。社員の紹介動機の多くは『友人の力になりたいから』『自社でともに働く人材の選択に自分も関わりたいから』というホスピタリティや当事者意識であり、これはリファラル採用が日本より前進している米国人事マネジメントコンサルティング会社の調査レポートからも明らかです」

「1割を動かすトリガーとしてのインセンティブ制度設計ではなく、紹介(採用に貢献)した社員を称賛するリワードとして、当事者意識を持ってもらうための動機付け施策としての設計とコミュニケーションが重要になります」

「インセンティブはコミュニケーションを取るために使うのがおすすめ」と鈴木氏。

「インセンティブには、リファラル採用を活性化させるだけでなく、人事が社内コミュニケーションを取りやすくなる効果もあるんです。例えばMyReferでは、アイスクリームやコンビニのホットスナックなどのちょっとしたギフトをプレゼントすることができます。ただ友達を紹介してくださいとお願いするよりも、『暑いので、友達紹介してアイス食べてくださいね』と言えた方がやりやすいですよね」

また、どれだけ社員を巻き込めているかを人事が把握した上で、設計した戦略に基づき、PDCAを回していくことも重要だ。

そういう意味でも、自社のどの部門でどれくらいリファラル採用が浸透しているかを可視化する必要があり、そこにもMyReferのようなテクノロジーの介在価値がある。

個人の働き方やキャリア形成のあり方が変化する中で、HR界隈もまた、過渡期にある。そんな中で注目されているリファラル採用だが、一過性の流行りではなく、「今後も続いていくことは間違いない」と鈴木氏は断言する。

「リファラル採用の本質は優秀な人を採用できることではなく、優秀かどうかがわかること。リファレンスによって、個人のポテンシャルを最大に生かすことができます。採用力を強化し、コストをかけずに質の高い人材を集められる手法ですから、大前提としてやらない理由がありません。すでにアメリカではエージェントよりもリファラル転職の割合が多くなっていますが、日本でも最近は戦略人事という概念が出てきました。これまでは人事や現場が能動的に動くという発想がなく、候補者は応募をただ待っているだけでしたが、ダイレクトリクルーティングやリファラルなどの攻めの採用に変わってきている。労働人口が減る中で、この動きは進んでいくと思っています」

全社員採用を実現する国内初のリファラル採用活性化サービス『MyRefer』概要はコチラ

(文・撮影/HRog編集部)

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