取引先や見込み顧客の属性情報・営業活動履歴を一元管理する「顧客管理システム」。
SFA(営業支援システム)・CRMツール(顧客関係管理ツール)も「顧客管理システム」の一種です。企業の売上を最大化するためには、顧客管理システムにあるデータをフルに活用し、事業の現状分析や適切なマーケティング施策の立案につなげることが必須と言えるでしょう。
しかし一方で、多くの企業が「顧客管理システムの中に入っているデータが汚い」という理由で、データ活用の壁にぶつかっているのが現状です。そこで今回は顧客管理システムのデータをキレイする「データクレンジングサービス」についてご紹介します!
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目次
データクレンジングとは
データクレンジングとは、データ活用の下準備として、顧客管理システム内の情報をきれいに整理・更新する処理のことを指します。
たとえば、顧客管理システムに下記のようなデータが入っていたとします。
登録日 | 会社名 | 電話番号 | 従業員数 |
①2015/04/01 | 株式会社NTTデータ | 03-0000-0000 | ~10000名 |
②2017/04/01 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ | 0300000000 | 10000名~ |
③2019/04/01 | 株式会社エヌティティデータ | 0300000000 | 10000名~ |
④2019/04/01 | (株)NTTデータ | (記載なし) | (記載なし) |
上記の①から④のデータセットは全て同じ企業を表していますが、会社名や電話番号の表記が微妙にちがうので統合できないという「表記ゆれ」の問題があります。これがいわゆる「データが汚い」という状態です。
また④のデータの様に分析や営業活動に必要な情報が入っていないという「データの欠損」が起こっている場合や、誤った情報が入力されている場合(「データの間違い」)もあります。
上記のような顧客管理システム内のデータにある「表記ゆれ」「データの欠損」「データの間違い」を、システムを使って補完・修正、そして重複企業の削除をおこない、データを正しい状態に保つ処理をデータクレンジングと呼びます。
顧客管理システムが汚いことで生まれる課題
では顧客管理システムのデータが汚いと、営業上でどのような課題が発生するのでしょうか? チェックリスト形式でまとめてみました。
このように、顧客管理システムに入っているデータに問題があると企業の営業・マーケティング活動に支障をきたしてしまいます。
人材業界の顧客管理システムが汚れる仕組み
なぜ顧客管理システムが汚くなってしまうのでしょうか? ここではビジネスモデル・組織体制の観点から人材業界の顧客管理システムが汚れてしまう仕組みを説明します。
人材ビジネスは、クライアントの採用ニーズが充足した段階で解約・減額が発生するビジネスモデルです。なので常に採用に困っている企業を探し、新規顧客の開拓をおこなう必要があります。
そして新規開拓のあたり先の数を増やすために、人材ビジネスを営む各企業の顧客管理システムには、「お問い合わせ」「イベントで交換した名刺」「外部から購入したリスト」など様々なチャネルから日々大量の情報が登録されます。
しかし、下記のような理由で顧客管理システムの情報が正しく登録されないことがあります。
・お問い合わせ時に入力された情報に不備・誤りがある
・営業担当が誤った情報を入力してしまう
・購入したリストに企業情報以外の余計な情報(飾り文字)が含まれている など
このように顧客管理システムに登録されるデータが多くなると、それに伴って顧客管理システム内のデータは汚れやすくなっていきます。
顧客管理システムを活用して売上を最大化するための戦略・戦術を立てるのは、主に営業企画(マーケティング)担当の業務になります。しかし実際にデータを登録するのは営業担当の業務です。
そして営業担当の多くはテレアポ・商談・資料作成・メール返信など日々の営業活動に追われていることが多く、「顧客管理システムに登録されているデータを正しく修正する」という目標数値の達成に直結しない業務の優先度はどうしても低くなりがちです。その結果情報が入力・修正されず、顧客管理システム内のデータが汚くなります。
さらに営業担当が個人で数値目標を追っている場合、「他の営業担当に自分の見込み顧客を取られたくない」という思いから、受注するまでデータを登録しないという行動を取ることもあります。
このように営業企画(マーケティング)の部門と営業の部門が一枚岩でない場合は、顧客管理システムに登録されているデータを綺麗にすることが難しくなっています。
データクレンジングサービスを導入するメリット
では、データクレンジングサービスを導入するメリットは何なのでしょうか?
結論から言うと、データクレンジングサービスを導入することで営業企画(マーケティング)・営業担当は売上に直結するコア業務に集中できるようになります。下記で具体的に説明します。
データクレンジングを人の手でおこなおうとすると以下の工程を踏むことになります。
顧客管理システム内のデータを企業名や電話番号などでマッチングさせて、重複をなくします。
しかし先ほど「データクレンジングとは」でも触れたように、顧客管理システム内のデータは「表記ゆれ」「データの欠損」「データの間違い」などがあるため、機械的な処理だけでは完全にデータを綺麗にすることはできません。
①の工程ののちに、目視で顧客管理システム内の一件一件データをチェックして情報を修正していきます。しかしすべてのデータを目視でチェックするとなるとかなりの工数がかかります。
目視チェックを営業企画(マーケティング)・営業担当がまかなおうとした結果、データの処理に追われ本来の業務である戦略立案や営業にまで手が回らないということが起こってしまいます。
このように、データクレンジングは人の手でおこなおうとすると時間がかかります。
そして一方で、データクレンジングは売上に直結する業務ではないという点で、直接売上に関わってくるクロージングや後追いと比べて生産性の低い部類に入る業務です。
データクレンジング業務など自社の売上や競争力に直結しない業務を外注し、より受注に近い行動に費やす時間を増やすことで、営業組織全体の生産性を高めることができます。
データクレンジングサービス、何を比較すればよい?
それでは、データクレンジングサービスをどのような比較軸で検討すればよいのでしょうか? 見るべきは下記の4つになります。
データクレンジングサービスを提供している会社では、ユーザーの顧客管理システムに正確な情報を付与するために、社内で独自の「企業情報」を保有しています。
全国には約385万社の企業があると言われており、そこからさらに事業所やフランチャイズ、個人経営の店舗などを含めると、世の中にある企業情報は膨大になります。そのような中で、データクレンジングサービス提供会社が保持している「企業情報」がどのくらい網羅性の高いものなのかは、サービスを比較する上で重要なポイントの一つです。
その企業情報の保有数が多ければ多いほど、顧客管理システムと照らし合わせ(マッチング)たときにクレンジング可能な情報が多くなります。
「せっかくデータクレンジングサービスを導入したのに思っていたより情報が補完されない…」という事態を防ぐためにも、データクレンジングサービス提供会社が持っている「企業情報」の保有量を確認しましょう。
データクレンジングサービス提供会社が保有している企業情報数が多かったとしても、自社の顧客管理システムと情報がマッチングしなければ情報を活用できません。
なのでマッチングの精度を上げるために、まずは自社内の顧客管理システムの表記ゆれや入力形式の統一が必要になります。このクレンジングの精度も、データクレンジングサービスを比較する上で大切なポイントです。
技術的なデータ処理によるクレンジングのみをおこなっている企業が一般的ですが、そこからさらにクレンジングの精度を上げるため、目視によるデータクレンジングをおこなう企業もあります。
データクレンジングサービスによって、補完できる情報は異なっていきます。各データクレンジングサービスでどんな情報が補完可能かを確認しましょう。
一般的補完される情報としては、下記の情報があります。
・企業名
・電話番号
・郵便番号
・住所
・ホームページURL
・従業員数
・設立年月日
・法人番号
・業種
・資本金
・売上高
・求人掲載情報 など
上記の一般的な企業情報以外にも、「資金調達実施」「海外進出」といった企業の特徴を示す独自の情報を補完できるツールもあります。人材業界の場合、「求人掲載情報」や「求人を行っているか」どうか判断できる情報は非常に有効になります。
企業情報は一度修正したら終わりというものではありません。吸収合併や廃業・オフィス移転など、さまざまな理由で変更が発生します。
そのため、データクレンジングサービス提供会社が保有している企業情報のデータベースをどのくらいの頻度で修正しているかという「情報の鮮度」も、サービスを比較する上で大切なポイントとなります。
おすすめのデータクレンジングサービス5選
ここではデータクレンジングサービスを紹介します。
「HRogクレンジング」は、人材業界向けクレンジングサービスです。AIを使ったデータ処理に加えて目視検査をおこなうため、データクレンジングの精度が高いのが特徴です。姉妹サービス「HRogリスト」と併用することで、人材系企業の営業活動効率化を後押しします。
サービス名 :HRogクレンジング
サービスURL:https://cleansing.hrog.net/
提供企業 :株式会社ゴーリスト
初期費用 :10万円~(件数・補完する項目に寄って変動)
・求人情報を網羅しているので人材業界(採用)との相性が良い(飲食・小売をはじめとしたブランドマスタ20万件も収録)
・最終的にデータの目視検査をおこなうため、他サービスで正しく補完できなかった情報も補完可能
・姉妹サービス「HRogリスト」との連携で人材業界のマーケティングに特化した情報を付与
「FORCAS」は、データ分析に基づいて受注可能性の高いアカウントを予測し、より効率的な「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」を実現するツールです。通常の企業情報以外にも、「高成長」「働き方改革推進」といったより細かい企業情報を付与できるのが特徴です。
サービス名 :FORCAS
サービスURL:https://www.forcas.com/
提供企業 :株式会社FORCAS
・約141万社の企業データベースとの連携が可能
・「高成長」「働き方改革を推進している」など企業の活動状況や課題、傾向を表す情報の付与が可能
・webサイトに設置されたウェブサービスタグ情報から収集した「利用ツール」の情報の付与が可能
「uSonar」は、顧客データを統合しSFAやMAを強化することで「効果的なABM」を実現するツールです。日本企業820万拠点をカバーした企業データ「LBC」を搭載しているのが大きな特徴です。
サービス名 :uSonar
サービスURL:https://www.landscape.co.jp/service/usonar/
提供企業 :株式会社ランドスケイプ
・全国820万拠点、国内網羅率99.7%の企業データ「LBC」と連携
・約1,500万拠点分の本社・事業所の過去の変遷の情報も保有
帝国データバンクの「顧客管理システム構築」サービスは、帝国データバンクが持っている企業情報データベースを活用したデータクレンジングサービスです。TDB企業コードから情報を引き出すことで、帝国データバンクが独自で保有している情報を活用できるのが特徴です。
サービス名 :顧客管理システム構築サービス
サービスURL:https://www.tdb.co.jp/lineup/consulting/datebase.html
提供企業 :株式会社帝国データバンク
・帝国データバンクが持つデータを付与することで、取引先の財務分析や与信管理が可能
・企業だけではなく官公庁・学校・病院など団体の情報も保有
「Valu∞」とは、03年にリリース以降、10年間にわたってノウハウ蓄積と改良を重ねているデータクレンジング・名寄せシステムです。利用用途や使いたい期間に合わせて4つのプランから選べるのが特徴です。姉妹サービスとして現在のデータ状態を調査し適切なデータ整備プランを提示する「Valu∞ Insight」というサービスもあります。
サービス名 :Valu∞
サービスURL:https://www.nipponsoft.co.jp/solution/value/
提供企業 :日本ソフト販売株式会社
・100万件の重複削除(名寄せ)が20分で終了するなど、重複削除のスピードが速い
・オプションで電話番号約1億2,500万件の使用状況データベースと連携、顧客の住所変更の可能性を予測
・さまざまな入力データの形式や文字コードに対応可能
データクレンジングサービスを活用して営業活動をスムーズに
この記事ではデータクレンジングの意味、データクレンジングサービスの比較軸とおすすめのサービスについて紹介しました。顧客管理システムは重要な資産であり、重複があったり記載されている情報が間違っていたりすると、営業生産性が下がったりお客様からクレームをもらったりなど、営業活動に支障をきたしてしまいます。
顧客管理システムの質を保ち続けるためにも、上記のようなデータクレンジングサービスの導入を検討してはいかがでしょうか。
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(HRog編集部)