【#03】多様な個性を持つ社員を「活躍」させるための人事考課のしくみとは?

成長し続けるミドルベンチャーを支える人事部の挑戦

2019年で創業から20期目を迎えたインターネット企業、株式会社インタースペース。アフィリエイトサービス「アクセストレード」を主力事業に2006年9月東証マザーズに上場を果たす。その後、順調に右肩上がりに成長を続け、毎年過去最高売上を更新し続けている。今回HRog編集部では、成長し続けるミドルベンチャーの人事部にスポットを当てた。

片山 奈穂 氏
株式会社インタースペース 人事部 リーダー
かたやま・なほ/新卒で人材系企業に入社。その後、ゲーム系企業、アドテク系企業で人事業務に従事。2013年に当社に入社。入社当初は採用を中心に行っていたが、現在は人事制度の開発、改定、社内表彰の起案など多岐に渡る仕組みを企画、運用。またリーダーとして人事部のマネジメントにも従事。

社員に納得感を持って会社で活躍してもらうためには、適切な人事考課制度を設計することが不可欠だ。しかし多様なスキルやキャリアビジョンを持つ社員が増える中で、どのような設計をすればいいのか分からないという人事の方も多いのではないだろうか。

今回は多様な個性を持つ社員を活躍させるための人事考課のポイントについて、インタースペースの片山氏に話を聞いた。

インタースペースのメディア事業とそれを作り出す社員達

創業時から手掛けているインターネット広告事業に加えて、第二の基幹事業としてメディア運営事業を行っているインタースペース。多種多様なメディアサービスを運営していくためには、各分野に深く精通した社員のスキルや知見が必要だ。

「当社では、子育て世代をターゲットとした子育て支援のメディアやヨガにスポットを当てた日本初のヨガニュースメディア、ハイクラス男性向けの情報メディアなど、様々な人をターゲットにしたメディアを運営しています。この他にも占いや女性向けカレンダー、動物育成ゲームなどのネイティブアプリの開発・運営も行っています」

インタースペースが手掛けるメディア

「これらの多様なメディアを支えているのは、強い個性とスキルを持った社員たちです。例えばこんな社員たちがいます」

  • サイトの収益の最適化を図りながらエンジニアマネジメントまでこなす女性エンジニア
  • メディアのデザインからコーポレートブランディングまで幅広く手掛けるデザイナー
  • グローバル市場で「恋愛ゲームNO.1」を目指すディレクター
  • ママとしての実体験を活かしながらストイックに働く異業界出身の準MVP受賞者 など

「彼らはキャリアや経歴、バックグラウンドも様々。『次に何を実現したいのか』というビジョンも多種多様です」

そんなバックグラウンドやビジョンが異なる社員たちに納得感を持って仕事をしてもらうために、インタースペースが人事考課で行っている工夫とはどのようなものなのだろうか。

社員と会社がWin-Winになる人事考課のポイント3つ

「前段でお伝えした通り、当社には様々なキャリアやスキル、個性を持つ社員たちがいます。彼らが会社の理念や戦略を理解し、モチベーションを高く保って働いてもらうために、人事考課の部分で以下の工夫をしています」

①「結果」だけではなく「プロセス」も評価

「営業成績だけ」評価される企業もあるなか、インタースペースの人事考課には結果だけで評価をすることはない。結果に至るまでの取り組みや手法も、結果と同じくらい重視して評価する。

②4つの評価指標を組み合わせ人事考課を実施

インタースペースでは4つ評価指標を導入している。

  • 事業部門・職種毎に設定した「基礎技能評価」
  • 理念に基づいた行動であるかを評価する「価値行動評価」
  • 個人と組織の「業績評価」
  • 各々が自由に目標設定をする「期待目標到達度評価」

「期待目標到達度評価」では、自身が伸ばしたい能力やチャレンジしたいことに合わせて目標設定ができる。社員は自己実現と自己成長に繋げた評価を受けることが出来るのだ。この項目を上手に利用し、短期間で職種の領域を広げることや、職種を変えることができる。

③社員の強みに応じたキャリアプランの選択

インタースペースでは、専門職において大きく2つのキャリアプランを選択できる。

マネジメント力を高める管理職コース
一般職→リーダー→マネージャー→事業部長とステップを踏んでいくコース。

専門性を追求する専門職コース
専門性を活かすことで事業への貢献をしていくコース。
エンジニアやデザイナー、管理職、事業開発など専門性を発揮する職務で取り入れられている。

社員の個性を最大限に活かすために、適切な人事考課を設計しているという。

評価者と被評価者それぞれが納得のいく評価の実現

「人事考課を行う上で大切にしていることは『評価者と被評価者、それぞれが納得のいく評価が実現できているか』ということです」と話す片山氏。一見、当たり前のことのようだが、どのように運用しているのだろうか。

「被評価者の立場からみれば、半年に一度の人事考課のタイミングであり今後の昇給・昇格にも大きく影響してきます。そのために、一人ひとりが半年間の取組みをしっかりと振り返り、マネージャーや部長へ自己アピールできる機会を設けています」

「また、社員たちを評価する管理職(マネージャーや部長)と社員、それぞれに向けて人事考課のための研修を受けてもらっています。評価者向けの『評価者研修』では、適切な評価の仕方を学び、メンバーのモチベーションをコントロールしながらキャリアアップへ導けるような評価の方法を学んでもらいます。一方評価を受ける側の『被評価者研修』では、自身のキャリアアップを実現させるための適切な目標設定の仕方を学んでもらいます」

評価者向けにも研修を行っている徹底ぶりだ。

「さらに、半年に一度の評価のタイミングだけではなく、定期的にマネージャーとの1on1を実施しています。1on1の場を設けることで、マネージャーは一対一のコミュニケーションを図りながら社員の頑張りを確認、評価が出来ます。社員にとってはアピールの場にもなりますし、上長や組織の考えを知る機会にもなります。この1on1を繰り返し実施することで様々な強みを有する社員が活躍出来ていると考えています」

「業績査定およびフィードバックを行う人事考課は、社員にとっては自身のキャリアを左右する分岐点です。多様な個性を持つ社員が活躍できるように、人事考課を行う際には各方面からのアプローチを大切にしています」

ミドルベンチャーを支える人事部の挑戦

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(HRog編集部)