【22卒特集#05】22卒マーケットのリアル~新卒エージェント編~

株式会社Beyond Cafe
CEO
伊藤 朗誠
いとう・あきのぶ/関西大学法学部卒。2014年、教育×IT系のベンチャー企業へ新卒入社。営業として新人賞を受賞する。2015年、友人2名と株式会社Terraceを共同創業し、COOとして主に営業代行事業の責任者を務める。2016年、「若者が働くを通じて夢中になれる場所を創る」を理念に掲げる株式会社Beyond Cafeを創業。取締役COOに着任し2年を経て、2018年9月、代表取締役社長に就任。

カオス極める2022年新卒採用、企業のサービス利用動向を徹底分析

現在、新卒採用における採用手法は大きな広がりを見せています。
従来のナビサイトのみにとどまらず、ダイレクトリクルーティングやインターンシップ、SNS採用、求人検索エンジンなど、企業・学生ともに選択肢が多様化しています。
本特集では新卒採用サービスを提供する各社に話を聞き、新卒マーケットの今とこれからのトレンドを紐解きます。

コロナ禍で新卒採用の在り方も大きく変化した今、採用効率を上げるためにはエージェントによるマッチングがより重要となっている。今回は、成長意欲の高い学生を採用したいという企業の利用が多い新卒採用サービス『BEYOND CAFE』を提供する株式会社Beyond Cafeの担当者に、人材エージェントに求められる役割について話を伺った。

採用のオンライン化でエントリー障壁が低下。入社までの関係構築に課題も

新型コロナウイルスの影響により、多くの企業でオンライン採用への移行が加速した。学生にとってはエントリーに対する障壁が低くなった一方、企業では課題を抱える場面もあるという。

「採用のオンライン化が進んだことで、従来より『エントリー』へのハードルが下がった学生も多いと思います。しかし、エントリー数は十分にあるものの、『成長意欲があり、高い志を持つ学生に出会えない』『応募からのグリップが難しい』『狙ったターゲット層に対して効果的に自社の認知が広がらない』といった課題を抱える企業もいます」

中でも、出会った学生が自社に内定し、承諾するまでのグリップ方法に課題を感じる企業が増えているらしい。

「この背景にあるのが、オンライン採用による学生と企業のコミュニケーション不足です。学生の成長意欲やカルチャーフィットする人材かどうかの見極めが困難な状況になっている今、エージェントによるマッチングの重要度がさらに増していくと予想しています」

マッチング率を上げるためにはコミュニケーションの工夫が必須

コロナ禍をきっかけに、『BEYOND CAFE』の運営方法に変化はあったのだろうか。

「2020年3月に緊急事態宣言が出されてすぐに、オフラインからオンラインの運営へ切り替えました。これをきっかけに、地方に住む学生の利用が増加し、居住地問わず働くことに前向きな学生たちが多く利用してくれるようになりましたね。

しかし、オンラインはオフラインと比べて熱量をつくり出すことが難しいというデメリットがあるのも事実です。そのため、オペレーションとファシリテーターの教育には注力しました。その結果、参加企業からは『今まで参加したどのイベントよりも高い熱量を感じ取れた』という声を多くいただいています」

サービス全体の動きを踏まえ、この他にもオンラインイベントではさまざまな工夫をしたという。

「私たちと同様のサービスを展開する企業でもオンラインイベントへの切り替えを実施しましたが、その多くは視聴型のイベントでした。しかし、参加者が視聴するのみではコミュニケーションも一方通行で、学生たちの理解度も上がりません」

そこで『BEYOND CAFE』では、学生と企業にインタラクティブなコミュニケーションを生み出す工夫として、zoomのブレイクアウトルームを活用している。参加学生を少人数のグループに分け、参加企業と質問し合える空間を作り出すことで、双方向のコミュニケーションが可能になるという。

「そうすることで大人数でもコミュニケーションが取りやすい状況を作り出すことができたと思います。この経験は、企業に対しても2022年の新卒採用を見据えて、オンラインイベントのイメージを持っていただくよい機会にもなりました」

親密なサポート体制で企業と学生を支援し、地方と都市の格差解消を目指す

最後に『BEYOND CAFE』を通じて、コロナ禍の採用市場でどのようなことに取り組んでいくのか、中長期的な視点も含めて聞いた。

「『BEYOND CAFE』は、利用者が自身の就活を経た後に、長期インターン生やアンバサダーとして、後輩への就活支援を行うのが特徴です。経験者の評価が口コミとして次の世代に伝わっていくため、企業の想いを直接伝えにくいこの時期でも、採用市場での企業ブランディングが可能です。また、1人の就活生に対して、キャリアアドバイザーとメンターの長期インターン生が2名体制でフォローを行っているので、コロナ禍のオンライン就活で学生たちが感じる孤独感や不安の軽減にも役立てたらと思っています。

中長期的には、私たちのサービスの強みと言われている、『親密さ』と『コミュニティ』を活かしつつ、就活においてブラックボックス化している能力の可視化を解消するためのサービス開発に取り組みたいです。同時にその能力開発における地方と都市の体験格差の解消も目指しながら、今後もサービスを展開していきたいと思います」

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